第 2 部:
2.7.6.11 マスバランス試験[試験番号CL-007] (5.3.3.1-5)
治験課題名:
健康男性を対象とした14
C
標識YM178
単回経口投与後のYM178
の薬物動態を検討する非盲検 試験治験責任医師名:
治験実施医療機関:1施設
公表文献:未公表 治験期間:1カ月
治験開始日:20 年 月 日 治験終了日:20 年 月 日
開発のフェーズ:
第
I
相 目的:主要目的
健康男性を対象に,160 mgの14
C
標識YM178
を単回経口投与したときのYM178
の代謝・排泄 経路及び程度を検討する。副次的目的
ヒト血漿,尿,糞中の
YM178
の代謝プロファイルを同定する。治験デザイン・治験方法:
本試験は,放射性標識
YM178
を用いた非盲検,1期,単用量の試験である。被験者は投与前日 から6
日間施設に入院し,各被験者には14C
標識YM178 160 mg
が単回経口投与された。14
C
放射能,YM178及び代謝物を分析するため,投与後96
時間までの血液,血漿,尿及び糞便 検体を採取した。14C
放射能計測のため,呼気も採取した。Day 5
の14C
放射能計測速報で尿又は糞便検体中の放射能が許容範囲(尿中で50 dpm/mL
及び/又は糞便検体
400 mg
中で75 dpm)を超えていたことから,全被験者の入院を最大 3
日間延長し た。その後,放射能が許容限界を下回るまで被験者は自宅での尿及び/又は糞便検体採取を継続 した(治験薬投与13~18
日後まで)。採血
総放射能,
YM178
及び14C
標識代謝物の薬物動態検討のため,投与前並びに投与後0.5, 1, 1.5,
2,2.5,3,4,6,8,12,16,24,36,48,72
及び96
時間に採血した。Day 5以降に入院期間を 延長した場合には,延長後24
時間ごと及び退院時に採血した。採尿
総放射能,YM178及び14
C
標識代謝物の排泄動態検討のため,投与前並びに投与後0~6
時間,6~12
時間及び12~24
時間,更に放射能が50 dpm/mL
以下になるまで24
時間ごとに採尿した。採糞
総放射能,
YM178
及び14C
標識代謝物の排泄動態検討のため,投与前並びに放射能が糞400 mg
あたり75 dpm
以下になるまで24
時間ごとに採糞した。呼気採取
14
CO
2の排泄率動態検討のため,投与前並びに投与後1,2,3,4,6,8,12,24,48,72
及び96
時間に呼気を採取した。安全性パラメータ
バイタルサイン,脈拍数,心電図及び有害事象を定期的に測定・観察した。
ザインに従っている。統計的観点に基づく例数ではない。
診断及び選択・除外基準:
選択基準
以下の基準をすべて満たす場合,本試験の対象とした。
1. 18~55
歳の健康男性2.
体重:60~100 kg,BMI:30 kg/m2以下3.
文書による同意が得られた者除外基準
以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。
1.
βアドレナリン受容体作動薬又はその製剤成分に対する過敏症を有するか,若しくは疑いのある者
2.
臨床上問題となる喘息,湿疹,他アレルギー症状又は重度の薬物過敏症の既往を有する者3.
施設への入院前4
週以内の臨床上問題となる上部消化管症状(悪心,嘔吐,腹部不快感又は不調,胸焼け)の既往を有する者
4.
臨床上問題となる消化管疾患,心血管疾患,呼吸器疾患,腎・肝機能障害,神経疾患,皮 膚疾患,精神障害,代謝異常の既往を有する者5.
試験前の身体所見,心電図,臨床検査で,治験責任医師により臨床上問題となる異常がみ られるとされた者6.
スクリーニング時のQTc
間隔>430 msの者7.
試験前の来院において,臥位で5
分間安静後に手で測定した脈拍数の異常所見(脈拍数<40 又は>90 bpm)が認められる者8.
試験前の来院において,臥位で5
分間安静後に測定した血圧測定の異常所見(収縮期血圧<95
又は>160 mmHg,拡張期血圧<40又は>95 mmHg)が認められる者9.
スクリーニング時の起立性検査が陽性の者:浮動性めまい,頭部ふらふら感等のいずれか の症状,2分間の立位後の収縮期血圧(臥位で5
分間安静の後に測定)≥20 mmHgの低下,脈拍数≥20 bpmの増加
10.
施設への入院前4
週以内に,パラセタモール(ただし3 g/d
以内)以外の処方薬又はOTC
薬を定期的に使用していた,あるいは入院前2
週以内に,このような薬物を少しでも使っ たことがある者11.
これまでに薬物乱用歴がある,若しくは施設への入院前の3
カ月以内に,乱用薬物を使用 したことがある者12.
施設への入院前3
カ月以内に,1日10
本を超える(又はそれに相応する量のタバコ)喫煙 歴のある者13.
施設への入院前3
カ月以内に,アルコール量が週21
ユニットを超える(1ユニット=ビール270 mL,蒸留酒 40 mL
又はワイン グラス1
杯)飲酒歴のある者14.
施設への入院前3
カ月以内に血液又は血液製剤の献血歴のある者15.
血清学的検査でHBs
抗原,抗HAV
抗体,抗HCV
抗体又は抗HIV 1/2
抗体が陽性となった 者16.
理由を問わず,治験責任医師が本試験の終了が期待できないと判断する者17.
本試験への登録予定日から遡って3
カ月以内に他の臨床試験に参加したことがある,若し くは12
カ月以内に3
試験を超える他の臨床試験に参加したことがある者18.
本試験を安全に終了することに支障をきたすような臨床症状を有すると治験責任医師が判 断する者19.
治験依頼者又は本試験に関与するCRO
の社員21.
前年に参加した臨床試験の試験中又は参加中に,診断上の理由により放射線に被曝(歯科 のX
線並びに胸部及び体幹骨[脊柱を除外]の単純X
線を除く)した者治験薬,投与量及び投与方法:
14
C
標識YM178(1.85 MBq)
1.
投与量:160 mg2.
投与方法:非標識YM178
とともに飲用溶液に調製し,空腹下経口投与3.
ロット番号:CFQ 13358(非標識YM178;バルク:JE-006F(-01B),ボトル:JE-113L-03A)
4.
投与期間:単回投与 評価期間:単回投与評価項目,評価スケジュール及び評価基準:
薬物動態:
主要評価
1.
全血及び血漿中の放射能:AUCinf,AUClast,Cmax,tmax,t1/22.
血漿中に対する全血中の放射能の比3. t
1/2尿,尿,糞及び呼気中の放射能の排泄割合及び累積排泄量4.
血漿中のYM178
未変化体:AUCinf,AUClast,Cmax,tmax,t1/2,kel,CL/F,Vz/F 5.
尿中のYM178
未変化体:t1/2尿,尿中排泄量(Aeinf,Aelast),CLR,尿中排泄率 副次評価1.
血漿中のYM178
未変化体及び代謝物の量2.
尿・糞中のYM178
未変化体及び代謝物の量3. YM178
未変化体及び代謝物の排泄の割合 安全性:有害事象
バイタルサイン(拡張期・収縮期血圧,脈拍数)
心電図
臨床検査(血液学的検査,血液生化学検査,尿検査)
統計手法:
要約統計量を算出した。
報告書の日付:20 年 月 日
1.
被験者の内訳及び解析対象集団本試験の被験者の内訳を 図
2.7.6.11-1
に示した。7
例がスクリーニングされ,このうち1
例はス クリーニングから脱落し,2
例は予備とした。4
例が試験に組み入れられ,全例が試験を完了した。治験薬を投与された
4
例全例が安全性及び薬物動態解析対象集団となった。スクリーニング例 n=7
投与例 予備被験者 n=4
n=2
完了例 n=4 スクリーニング例
n=7
投与例
n=4 スクリーニングからの脱落例 n=1
理由:少なくとも投与24時間前から施設 からの退院までの喫煙は許可され ていないが,禁煙することができ なかったため
予備被験者 n=2
完了例 n=4 スクリーニング例
n=7
投与例 予備被験者 n=4
n=2
完了例 n=4 スクリーニング例
n=7
投与例
n=4 スクリーニングからの脱落例 n=1
理由:少なくとも投与24時間前から施設 からの退院までの喫煙は許可され ていないが,禁煙することができ なかったため
予備被験者 n=2
完了例 n=4 図
2.7.6.11-1
被験者の内訳 Source:CL-007総括報告書,Text Figure 12.
被験者背景被験者背景を 表
2.7.6.11-1
に示した。平均年齢は
24.3
歳(19~35歳),平均体重は76 kg
(66~86 kg),BMI
の平均値は24.2 kg/m
2(21.7~26.7 kg/m2)であった。
表
2.7.6.11-1
被験者背景年齢(歳) 体重(kg) 身長(cm) BMI(kg/m2)
平均値 24.3 76 178 24.2
中央値 21.5 77 178 24.1
範囲 19, 35 66, 86 174, 181 21.7, 26.7
n=4
Source:CL-007総括報告書,Text Table 5
3.
治験薬の曝露4
例全例に160 mg
の14C
標識YM178(1.85 MBq)が単回経口投与された。
4.
薬物動態(1)
血漿及び全血中の放射能血漿及び全血中の14
C放射能について薬物動態解析のまとめを 表 2.7.6.11-2
に示した。また,血 漿及び全血中の14C放射能,並びに血漿中のYM178
未変化体の濃度推移(平均値)を 図2.7.6.11-2
に示した。全血及び血漿中の放射能濃度の平均値は,投与後それぞれ
2.1
及び2.3
時間でピークに達し,C
maxに減少した。AUCinfは全血に比べ血漿中でやや小さかった。血漿及び全血中14
C
放射能の半減期 の平均値は,それぞれ28.2
及び30.5
時間とほぼ同様であった。消失相では,血漿及び全血中14C
放射能が検出限界を超えたのは一部分であったため,14C
放射能の半減期の平均値が過小評価され た可能性があり,注意を払って解釈する必要がある。表
2.7.6.11-2
血漿及び全血中14C
放射能のPK
パラメータのまとめ:薬物動態解析対象集団パラメータ Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
AUCinf
(ng·h/mL)
t1/2
(h) 血漿中の14C放射能
平均値 879 2.25 10443 28.2
(SD, CV%) (279, 32%) (1.44, 64%) (2328, 22%) (5.4, 19%) 範囲 621, 1234 0.5, 4.0 7508, 13178 21.0, 32.4
中央値 831 2.25 10544 29.7
全血中の14C放射能
平均値 777 2.13 13896 30.5
(SD, CV%) (211, 27%) (1.44, 68%) (2979, 21%) (4.0, 13%) 範囲 581, 994 0.5, 4.0 10210, 17376 25.7, 34.3
中央値 766 2.00 13998 31.0
n=4
Source:CL-007総括報告書,Text Table 7
図
2.7.6.11-2
血漿及び全血中の14C
放射能,並びに血漿中のYM178
未変化体の濃度推移(対数表示):薬物動態解析対象集団 平均値
Concentration (ng (eq)/mL)
(2)
血漿中に対する全血中の放射能の比14
C
放射能の比(全血/血漿)の平均値は,1弱から,投与後36
時間に約2
へと増加した。こ れは14C
放射能が血球に結合又は分布したことを示唆している。(3) YM178
未変化体YM178
未変化体の薬物動態パラメータのまとめを 表2.7.6.11-3
に示した。血漿中の
YM178
濃度は投与後1
時間(平均値)でピークに達し,消失半減期の平均値は48
時間であった。
YM178
と14C
放射能におけるAUC
infの比の平均値は0.22
であった。これは血漿中に代謝物が 存在することを示唆している。表
2.7.6.11-3 YM178
のPK
パラメータのまとめ:薬物動態解析対象集団パラメータ Cmax
(ng/mL) tmax
(h) AUCinf
(ng·h/mL) t1/2
(h) CL/F
(L/h) Vz/F
(L) CLR
(L/h)
平均値 371 1.00 2285 47.9 70.7 4824 17.7
(SD, CV%) (96, 26%) (0.71, 71%) (250, 11%) (8.1, 17%) (7.63, 11%) (501, 10%) (2.14, 12%) 範囲 247, 475 0.5, 2.0 2024, 2590 39.1, 55.8 61.8, 79.1 4199, 5420 15.2, 20.4
中央値 381 0.75 2263 48.3 70.9 4839 17.6
n=4
Source:CL-007総括報告書,Text Table 8
(4)
14C
放射能の排泄尿中14
C放射能の半減期,並びに尿,糞及び呼気中の
14C放射能累積排泄率を 表 2.7.6.11-4
に示 した。尿中14
C
放射能の半減期の平均値は84.5
時間であった。放射能の主要な排泄経路は尿(平均値:55%)であり,呼気中に放射能は認められなかった。
14C
放射能は投与後408
時間(17日)に体内からほとんど消失した。
表
2.7.6.11-4
尿中14C
放射能の半減期,並びに尿,糞及び呼気中の14C
放射能平均累積排泄率(用量に対する割合):薬物動態解析対象集団 パラメータ t1/2尿
(h)
Aelast 尿 (%)
Aelast 糞 (%)
Aelast 呼気 (%)
合計 (%)
平均値 84.5 55.0 34.2 0.0 89.2
(SD, CV%) (11.6, 14%) (2.66, 5%) (2.28, 7%) (–, –) (2.7, 3%)
範囲 69.8, 97.4 51.9, 57.5 32.2, 37.5 0.0, 0.0 85.2, 91.2
中央値 85.4 55.3 33.6 0.0 90.2
n=4
Source:CL-007総括報告書,Text Table 9