5. 調査結果
5.2 現地調査結果の検討
5.2.6 海生生物
(1) 動・植物プランクトン 1) 動物プランクトン
本年度と2008年7月、2010年7月の現地調査による動物プランクトンの調査結果 の概要は図5.2-17(1)~(3)のとおりである。
調査年次の違いにより出現量に多少ばらつきはあるが、主要な構成生物群の変化は なく、大きな差異はない。
図5.2-17(1) 動物プランクトンの調査結果(表層)の比較
図5.2-17(2) 動物プランクトンの調査結果(中層)の比較
134 0
2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
H20.07 H20.08 H22.07 H24.08 調査時期
個体/m3
原索動物 きょく皮動物 毛がく動物 触手動物 節足動物 環形動物 軟体動物 刺胞動物 繊毛虫 肉質鞭毛虫
図5.2-17(3) 動物プランクトンの調査結果(底層)の比較
135 0
5000 10000 15000 20000
H20.07 H20.08 H22.07 H24.08 調査時期
細胞数/L
不明鞭毛藻類 緑色植物 ユーグレナ植物 ハプト植物 不等毛植物 渦鞭毛植物 クリプト植物 藍色植物
0 5000 10000 15000 20000
H20.07 H20.08 H22.07 H24.08 調査時期
細胞数/L
不明鞭毛藻類 緑色植物 ユーグレナ植物 ハプト植物 不等毛植物 渦鞭毛植物 クリプト植物 藍色植物 2) 植物プランクトン
本年度と2008年7月、2010年7月の現地調査による植物プランクトンの調査結果 の概要は図5.2-18(1)~(2)のとおりである。
調査年次の違いにより出現量に多少ばらつきはあるが、主要な構成生物群の変化は なく、大きな差異はない。
図5.2-18(1) 植物プランクトンの調査結果(表層)の比較
図5.2-18(2) 植物プランクトンの調査結果(中層)の比較
136
最小 最大 合計
平成20年 7月 1 2 3
8月 1 3 3
平成22年 7月 2 2 2
平成24年 8月 4 4 5
最小 最大 平均
平成20年 7月 7 158 71
8月 7 46 24
平成22年 7月 27 125 66
平成24年 8月 68 88 78
調査時期 個体数 [個体/1,000m3]
調査時期 種類数
最小 最大 合計
平成20年 7月 1 2 2
8月 2 5 6
平成22年 7月 0 1 1
平成24年 8月 1 3 3
最小 最大 平均
平成20年 7月 7 40 18
8月 27 66 47
平成22年 7月 0 46 18
平成24年 8月 33 73 53
調査時期 個体数 [個体/1,000m3]
調査時期 種類数
(2) 魚卵・稚仔魚
本年度と2008年7月・8月、2010年7月の現地調査による魚卵・稚仔魚の調査結果
は表5.2-5~6のとおりである。調査年次の違いにより出現量に多少ばらつきはあるが、
主要な構成生物群の変化はなく、大きな差異はない。
表5.2-5 魚卵の調査結果(表層)の比較
表5.2-6 稚仔魚の調査結果(表層)の比較
137
マクロベントス(種類数)
0 10 20 30 40 50
H20.07 H22.07 H24.08
調査時期 種
類 数
原索動物 棘皮動物 触手動物 節足動物 星口動物 環形動物 軟体動物 ひも形動物 刺胞動物
マクロベントス(個体数)
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
H20.07 H22.07 H24.08
調査時期 個
体 数
原索動物 棘皮動物 触手動物 節足動物 星口動物 環形動物 軟体動物 ひも形動物 刺胞動物
(3) ベントス
1) マクロベントス
本年度と2008年7月、2010年7月の現地調査によるマクロベントスの調査結果は 図5.2-19(1)~(3)のとおりである。
調査年次の違いによる種類数、総出現個体数に大きな差異はなく、主要な構成生物 群の変化も見られず、撤去前から大きな変化はない。
図5.2-19(1) マクロベントスの調査結果(種類数)の比較
図5.2-19(2) マクロベントスの調査結果(個体数)の比較
138
環形動物の湿重量
0 50 100 150 200
N1 S1 N3 S3
調査定点 湿
重 量( g)
H20 H22 H24 マクロベントス(湿重量)
0 10 20 30 40 50 60 70 80
H20.07 H22.07 H24.08
調査時期
湿重量 (g/㎡)
原索動物 棘皮動物 触手動物 節足動物 星口動物 環形動物 軟体動物 ひも形動物 刺胞動物
一方、湿重量についてみると、環形動物門は経年的に減少し、棘皮動物は逆に増加 している傾向が見られる。
図5.2-19(3) マクロベントスの調査結果(湿重量)の比較
そこで、3 年間共通して調査を行った調査定点について、環形動物の湿重量の変 化を見ると、図5.2-19(4)のようになる。
図5.2-19(4) 3年間の調査で共通の調査定点における環形動物の湿重量の比較
139
環形動物の湿重量
0 50 100 150 200
N1 E1 SE1 S1 SW1 W1 N2 NE2 S2 E2 SW2 W2 N3 NE3 E3 S3 SW3 W3 調査定点
湿 重 量(
g)
H20 H22 H24
図に示したように、施設から200mの調査定点であるN1及びS1のうち、N1で は撤去前の平成22年度調査で大きな値が見られるが、S1では大きな変化は認められ ない。一方、施設から1,000mの、最も離れている調査定点N3及びS3では、いずれ も経年的に見て特定の傾向は確認できない。
調査定点全体を比較した図を図5.2-19(5)に示した。施設から200mの調査定点N1 から W1 についてみると、調査定点により出現状況は異なり、N1 では経年的に減少 している傾向が認められるが、SE1 では撤去直後よりも残留時の方が大きく、S1 で は大きな変化はない。
施設から500mの調査定点N2からW2についてみると、200mの調査定点と同様 に調査定点により出現状況は異なり、特定の傾向は確認できない。施設から 1,000m の調査定点N3からW3については、施設からの距離が最も大きく撤去等の影響を受 けにくい調査定点であると考えられるが、これらの調査定点でも経年的に見て特定の 傾向は確認できない。
図5.2-19(5) 全調査定点における環形動物の湿重量の比較
以上のことから、マクロベントスのうち、環形動物における重量の減少は、経年的 なものではなく、また撤去等の影響の可能性は小さく、自然変動あるいは特定の調査 定点における出現状況による変化の可能性が考えられた。
140
メイオベントス(個体数)
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
H20.07 H22.07 H24.08
調査時期
個体数 (個体/10cm2)
節足動物 環形動物 軟体動物 袋形動物 繊毛虫 原生動物
2) メイオベントス
本年度と2008年7月、2010年7月の現地調査によるメイオベントスの調査結果は
図5.2-20(1)のとおりである。
撤去前の平成20年7月と比べ、撤去直後の2010年7月、残留時の2012年8月に おける出現個体数は半数以下で少ない。これは、主に原生動物門の出現個体数が少な かったことによるものである。その他の動物門の出現状況については、原生動物門の 変動と同程度の大きな変化は認められない。
図5.2-20(1) メイオベントスの調査結果(個体数)の比較
個体数が減少した原生動物門について、3 年間共通して調査を行った調査定点にお ける出現個体数の変化を見ると、図5.2-20(2)のようになる。図に示したように、施設 との距離とは無関係に、いずれの調査定点においても撤去前の平成20年度と比べて、
平成22年度の撤去直後及び本年度の出現個体数は少なくなっている。
さらに、図5.2-20(3)に全調査定点の比較を示した。3年間共通して調査を行った調 査定点と同様に、全ての調査定点で、撤去直後及び残留時は撤去前よりも少ない出現 となっている。
メイオベントスの餌料と考えられる底質中の有機物量に関連する有機体炭素、COD、 強熱減量などに大きな変化は認められないことから、餌料環境の変化による個体数の 減少とは考え難い。以上のこととあわせ、施設からの距離とは無関係な変動であるこ とから、平成 20 年度は周辺海域全体で原生動物門に属するメイオベントスの個体数 が多かった自然変動による変化の可能性が大きく、海洋施設の撤去、残留の影響によ る変化の可能性は小さいと考えられた。
141
メイオベントス・原生動物門の出現個体数
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
N1 S1 N3 S3
調査定点 個
体 数(
個 体)
H20 H22 H24
環形動物の湿重量
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500
N1 E1 SE1 S1 SW1 W1 N2 NE2 S2 E2 SW2 W2 N3 NE3 E3 S3 SW3 W3 調査定点
湿 重 量(
g)
H20 H22 H24
図5.2-20(2) 3年間の調査で共通の調査定点における原生動物門の出現個体数の比較
図5.2-20(3) 全調査定点におけるメイオベントスの出現個体数の比較
142