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5. 調査結果

5.3 海洋掘採施設撤去後の残留影響事前評価結果の検証

5.3.2 撤去後の事前評価結果の検証

撤去後の現地調査結果と事前評価内容との比較の結果から、事前評価内容が妥当であっ たかどうかを検証した。

検証は、変化が予測されたものは予測の範囲内に収まっているかどうかを確認し、差異 がみられた場合については原因を検討した。

なお、残留する施設はその場に残留するもの(ジャケット下部)と横倒して残留するも の(ジャケット上部)があるため、それぞれ検討した。

以下、各項目について検討した。

144 (1) 水環境

1) 海水の濁り

① 予測評価の内容

残留した海洋掘採施設により海底付近の流況が変化し、海底土の巻上げが発生す る場合、あるいは残留する施設が海底で波浪等により移動することがある場合には 海底の状態によっては、海底土が巻き上げられて濁りが発生する可能性が考えられ た。そのため、残留する施設の性状、残留場所となる海底の状況から検討した。

その場に残留する施設については施設の設置以降、施設の存在により生じた事象 について確認した。

横倒して残留するものについては、施設の移動の可能性と、その場合の海底土の 巻き上げの可能性について、類似事例等を参考に検討した。

② 予測結果

平成22年度調査結果における予測結果は次のとおりである。

【その場に残留】

・点検時のROVによる海底付近の映像から恒常的に濁りの発生する状況ではないことが確 認できている。また、施設の設置以降、ジャケット海底面付近で局所的に洗掘が生じて いるが、その程度は最大でも 50cm 程度である。施設の設置以後 25 年経過している状況 を鑑みれば、常時この海域の海底で土砂が舞い上がり濁りが発生している状況ではない ことが推測され、残留後も同様の状況であることが予測される。

【横倒して残留】

・横倒して残留する施設は、重量が約 5,300 トンであり、水中重量は約 2,000 トンになる。

残留する海域の海底は平坦な砂質域であり、横倒しされたジャケット上部は海底面上で 安定しているものと考えられる。ジャケットの構造と建設設計時に検討したプラットフ ォーム基底付近(EL.-154m)の「100 年に一度の確率」の嵐のときの潮流は 0.4 ノット

(約 20cm/s)とされているので、ジャケットに加わる力は十分に小さいことは事業者 によって検討されている。また、これまで新潟県沖海域で同様のものが海底に沈められ ているが、これまで台風等により移動したような話は聞かれていないことも合わせて、

移動の可能性は小さいと予測される。そのため、それによる海底の巻き上げ等はなく、

それに伴って発生する海底付近の濁りも生じないものと予測される。

・施設の存在によって生じる海底付近の流れの変化による巻上げ等については、その場に 残留施設のこれまでの経緯を参考にすれば、同様の状態であると考えられ、常時この海 域の海底で土砂が舞い上がり濁りが発生している状況ではないことが予測される。

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③ 調査結果

今年度実施した現地調査結果によれば、濁りの程度を指標する「濁度」及び「浮 遊物質量」の観測値は、底上10m層ではいずれも定量下限値未満であり、清浄な状 態であることが確認された。

④ 事前評価結果及び評価の検証 a. 事前評価結果

平成22年度調査結果における評価結果は次のとおりである。

b.評価の検証

調査結果より、残留する海洋施設に起因する流動変化等による濁りの舞い上が りは特定されないことから、評価の妥当性は検証されたと判断できる。

【その場に残留】

・施設の設置以後の状況からみて、施設の存在により海底付近に濁りを生じる可能性は 小さく、影響は軽微であると考えられた。

【横倒して残留】

・横倒して残留する施設は、海底付近の流れにより移動する可能性は小さく、それに伴 って海底付近に濁りを発生させる可能性は小さいものと考えられた。また、横倒して 残留する施設が移動の可能性が小さいことから、その存在による変化はその場に残留 する施設と同様であると考えられ、施設の存在により海底付近に濁りを生じる可能性 は小さいと考えられる。以上のことから、横倒して残留する施設についても、濁りに 関する影響は軽微であると考えられた。

146 2) 有害物質等による海水の汚れ

① 予測評価の内容

残留した海洋掘採施設から海水中に溶出する有害物質の有無について検討する ことが必要である。特に殺生物性の有害物質が含まれる塗料を使用している場合に は必須である。

また、波浪等により移動し、海底土の巻き上げの可能性がある場合は、海底土の 有害物質による影響も考慮することが必要である。

その場に残留する施設については、施設の塗装等の性状から確認するとともに施 設の設置以降、施設の存在により生じた事象について確認した。

横倒して残留するものについては、施設の塗装等の性状から確認した。

② 予測結果

平成22年度調査結果における予測結果は次のとおりである。

【その場に残留】

・その場に残留する施設の性状は構造用炭素鋼であり、塗装されていない。付帯してい る防食陽極はアルミニウム合金である。残留する施設内に残っているパイプラインの一 部は撤去前に洗浄され、洗浄後の内部に油等が残存していないことを洗浄後に充填した 海水の分析で確認している。このような状態で残留されていることから、施設そのもの からの有害物質等による海水の汚れが生じる可能性は小さいと予測される。

・海水の濁りの予測結果のとおり、施設の設置以来、存在する施設による海底の巻き上 げの可能性は小さく、また、底質調査による分析結果から底質に有害物質は含まれてい ないことから、海底の巻き上げにより有害物質等による海水の汚れが生じる可能性は小 さいことが予測される。

【横倒して残留】

・横倒して残留する施設の性状は構造用炭素鋼である。ジャケット頂部付近であった部 分はエポキシ樹脂主体の塗料で塗装されているが、この塗料は広く一般的に用いられて いる海洋掘採施設用塗料であり、成分表からみて、有害物質は含まれていない。付帯し ている防食陽極はアルミニウム合金である。残留する施設内に残っているパイプライン の一部は撤去前に洗浄され、洗浄後の内部に油等が残存していないことを洗浄後に充填 した海水の分析で確認している。このような状態で残留されていることから、施設その ものからの有害物質等による海水の汚れが生じる可能性は小さいと予測される。

・海水の濁りの予測結果のとおり、その場に残留施設同様、存在する施設による海底の 巻き上げの可能性は小さく、また、底質調査による分析結果から底質に有害物質は含ま れていないことから、海底の巻き上げにより有害物質等による海水の汚れが生じる可能 性は小さいことが予測される。

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③ 調査結果

撤去前、撤去工事直後及び今年度の調査結果によれば、水質の有害物質に大きな 差はみられず、調査対象項目はすべて低濃度であり、海水の汚染は確認されなかっ た。

④ 事前評価結果及び評価の検証 a. 事前評価結果

平成22年度調査結果における評価結果は次のとおりである。

b.評価の検証

撤去前、撤去工事直後、今年度の調査結果より、水質に大きな変化はみられな いことから、評価の妥当性は検証されたと判断できる。

・残留する施設の性状から考えて、施設から有害物質等が海水に付加する可能性は小さ いものと考えられる。また、施設による海底の巻き上げにより有害物質等による海水の 汚れが生じる可能性も小さいことが予測されることから、その場に残留する施設による 有害物質等による海水の汚染の影響は軽微であると考えられた。

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(2) 海底環境

1) 底質

① 予測評価の内容

a. 底質の粒径組成の変化

残留した海洋掘採施設により海底付近の流況変化が起こる場合には、底質の粒 径組成が変化する可能性が考えられる。そのため、流況の変化と同時に底質の粒径 組成の変化の可能性の有無を検討した。

残留する施設の性状、残留場所となる海底の状況から予測評価した。

その場に残留する施設については、施設の設置以降、施設の存在により生じた 事象について確認した。

横倒して残留するものについては、施設の移動の可能性と、その場合の海底土 の巻き上げの可能性から、類似事例等参考にして確認した。

b. 底質の有機物質量の濃度の変化

残留した海洋掘採施設に新たに付着する生物に起因する有機物質の増加につい て検討した。

海洋掘採施設により海底付近の流況変化が起こる場合には同時に底質の撹乱が 起こる可能性が考えられ、海底の有機物質の変化について検討した。

その場に残留する施設については、施設の設置以降、施設の存在により生じた 事象について確認する。

横倒して残留するものについては、施設の存在の状況と、移動等による海底土 の巻き上げの可能性について、類似事例等から定性的に予測した。

c. 有害物質等の底質への負荷

残留した海洋掘採施設から発生する有害物質等による海底への負荷について検 討する。特に殺生物性の有害物質が含まれる塗料を使用している場合には必須であ る。

残留した海洋掘採施設が移動し海底撹乱を起こした場合には、浮遊した土砂の 再堆積等による海底土砂からの影響について検討した。

その場に残留する施設については、施設の設置以降、施設の存在により生じた 事象について確認するとともに、施設の塗装等の性状から確認した。

横倒して残留するものについては、施設の塗装等の性状から確認した。

d. 海底地形の変化

新たに海底に残留する場合には、残留した海洋掘採施設そのものによる海底地