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第 6 章 FEM レール小返り解析モデルの拡張と変動輪重係数への影響

6.4 拡張モデルを用いた軌道支持状態のレール圧力への影響評価

6.4.1 浮きの分布の影響

まくらぎの浮きの浮き量の差や分布形状によるレール圧力への影響を把握する目的で,複数の 軌道支持条件を設定し,軌道の支持状態とレール圧力の関係を検討した.

図 6-7に設定した軌道支持状態を示す.浮き無しで全てのまくらぎ下が適正支持状態にある状 態に対し,浮き有り状態で一律の浮き量を設定する矩形状の分布と,左右対称の三角形状分布の 2種類を設定し,それぞれの浮きの分布の中央(載荷点A)と分布に隣接する適正支持箇所(載荷

点B)のそれぞれに設計A荷重(鉛直方向成分97.5 kN,水平方向成分60 kNの合成力)を載荷

する解析を実施して各まくらぎ上のレール締結装置に生じるレール圧力を算定した.なお,矩形 状の浮きの分布について,浮き量は一律3 mmとし,三角形状の浮きの分布については載荷点直 下での浮き量を最大として両側のまくらぎで1 mmずつ減少するような分布を想定した.

a b c d e f g h i

図 6-7 解析条件(浮きの分布)

(a) 適正支持状態 レール 載荷点

まくらぎ

道床バラスト

74

a b c d e f g h i

載荷点 A

矩形状に一律の浮き量(3mm)を設定

i) A 点載荷時の浮き量と浮きの分布の設定 (単位:mm)

軌道支持条件 まくらぎ位置

a b c d e f g h i 浮きまくらぎ 1 本 0 0 0 0 3 0 0 0 0 浮きまくらぎ 3 本 0 0 0 3 3 3 0 0 0 浮きまくらぎ 5 本 0 0 3 3 3 3 3 0 0 浮きまくらぎ 7 本 0 3 3 3 3 3 3 3 0

(b) まくらぎ下の矩形状の浮き量と浮きの分布

載荷点 B

ii) B 点載荷時の浮き量の設定 (単位:mm)

軌道支持条件 まくらぎ位置

a b c d e f g h i 浮きまくらぎ 1 本 0 0 0 0 0 0 3 0 0 浮きまくらぎ 3 本 0 0 0 0 3 3 3 0 0 浮きまくらぎ 5 本 0 0 3 3 3 3 3 0 0 浮きまくらぎ 7 本 3 3 3 3 3 3 3 0 0

図 6-7 解析条件(浮きの分布)

レール

まくらぎ

道床バラスト

浮き量

75

三角形状の分布の浮き量を設定

a b c d e f g h i

i) A 点載荷時の浮き量の設定 (単位:mm)

条 件 まくらぎ位置

a b c d e f g h i 浮きまくらぎ 1 本 0 0 0 0 1 0 0 0 0 浮きまくらぎ 3 本 0 0 0 1 2 1 0 0 0 浮きまくらぎ 5 本 0 0 1 2 3 2 1 0 0 浮きまくらぎ 7 本 0 1 2 3 4 3 2 1 0 載荷点 B 載荷点 A

ii) B 点載荷時の浮き量の設定 (単位:mm)

条 件 まくらぎ位置

a b c d e f g h i 浮きまくらぎ 1 本 0 0 0 0 0 0 1 0 0 浮きまくらぎ 3 本 0 0 0 0 1 2 1 0 0 浮きまくらぎ 5 本 0 0 1 2 3 2 1 0 0 浮きまくらぎ 7 本 1 2 3 4 3 2 1 0 0

図 6-7 解析条件(浮きの分布) (続き)

(c) まくらぎ下の三角形状の浮き量と浮きの分布 レール

まくらぎ 道床バラスト

浮き量

76

図6-8に載荷点直下を含む9本分のまくらぎに作用するレール圧力の推定結果を示す.なお,

図中には比較のために浮き無しの場合のレール圧力の算定結果を併せて示した.

矩形状の浮き分布の場合,分布中央のA点載荷時(図6-10(a))では,浮きまくらぎ1本では載 荷点直下の 1 本分,浮きまくらぎ3 本の場合は載荷点に隣接する 2本分でレール圧力が 0 とな り,まくらぎが浮いた状態のままであった.この時,各まくらぎに生じるレール圧力に着目する と,浮き無しの場合に載荷点直下で45.6 kNであったのに対し,軌道支持条件が浮きまくらぎ7 本の場合の載荷点直下でレール圧力が最も大きくなり48.2 kNとなった.ここで,載荷点直下の レール締結装置において,浮き有りの場合に生じるレール圧力を図 6-9(a)に示した浮き無しの場 合に生じるレール圧力で除した比率(以下,「レール圧力比」)を算定すると,最大で1.05であっ た.一方,同じ矩形状の浮きの分布の場合で,分布の直近の適正支持箇所であるB点載荷時(図 6-10(b))は,浮きまくらぎ本数の増加ともに載荷点直下で顕著にレール圧力が増加し,特に浮き まくらぎ7本の場合に71.6 kNに達した.これは,レール圧力比に換算すると1.57であった.

また,三角形状の浮き分布の場合,分布中央のA点載荷時(図6-10(c))は,設定した全ての軌 道支持条件において載荷時に載荷点直下および隣接するまくらぎにレール圧力が生じており,載 荷により浮き無しの状態となっていることが確認された.また,レール圧力は浮き無しの場合の 載荷点直下で最も大きくなり45.6 kNであり,浮き有りの場合のレール圧力比はいずれも1を下 回った.一方,同じ三角形状の浮きの分布の場合で,直近の適正支持箇所であるB点載荷時(図 6-10(d))は,矩形状の浮き分布の場合と同様に浮きまくらぎ本数の増加ともに載荷点直下のレー ル圧力が増加し,浮きまくらぎ5本および7本の場合に56.8 kNに達した.これは,レール圧力 比で1.25に相当する.

以上の結果より,レール圧力比で整理すると三角形状の浮き分布の場合と比較して矩形状の浮 き分布の場合により大きなレール圧力比となることが分かった.また,いずれの浮き分布の場合 でも,載荷点直下のまくらぎが浮き有りの状態になっている場合と比較して,浮きの分布の直近 の適正支持箇所を載荷した場合に大きなレール圧力比となることが分かった.

77 -10

0 10 20 30 40 50

a b c d e f g h i

レール圧力[kN]

まくらぎNo.

浮き無し 浮き1本 浮き3本 浮き5本 浮き7本

(a) 矩形状の浮き分布・A 点載荷時

-20 0 20 40 60 80

a b c d e f g h i

レール圧力[kN]

まくらぎNo.

浮き無し 浮き1本 浮き3本 浮き5本 浮き7本

(b) 矩形状の浮き分布・B 点載荷時 図 6-8 レール圧力の推定結果(浮き分布の影響)

78 -10

0 10 20 30 40 50

a b c d e f g h i

レール圧力[kN]

まくらぎNo.

浮き無し 浮き1本 浮き3本 浮き5本 浮き7本

-20 0 20 40 60 80

a b c d e f g h i

レール圧力[kN]

まくらぎNo.

浮き無し 浮き1本 浮き3本 浮き5本 浮き7本

(c) 三角形状の浮き分布・A 点載荷時

(d) 三角形状の浮き分布・B 点載荷時

図 6-8 レール圧力の推定結果(浮き分布の影響)(続き)

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