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欠損金の繰越控除制度における期間制限 と

ドキュメント内 企業再生税制 の研究 (ページ 79-82)

第 6章   企業再生と繰越欠損金の税務 .…

第 2節   欠損金の繰越控除制度における期間制限 と

典 と しての地位 にある とい う見解 もあるが、 当該制度 の本質 を検討す る限 り、む しろ当然 の規定である と考 え られ る133。

この よ うに、事業年度 は課税所得 を計算す る上で便宜的に区切 られてい ることか ら、経 済活動 の波動 に よって、ある事業年度 には所得 が生 じ、ある事業年度 には欠損金が生ず る とい う状態 が現 出す る場合、欠損金 を無視 して期 間所得 の課税 だ けをすれ ば、企業開始か ら終 了までの総体所得 を超 えるものが課税ベー スに取 り込 まれ ることにな り、租税負担の 公 平 とい う観点か らは妥 当ではない134。 したが って、欠損金 の繰越控除制度 は租税負担 の 指標 た る所得測定の合理的調整 として必要な措置であ り、当然 に認 め られ る制度である。

その意味では、調整 の対象 となる期 間は無制限 とす るのが企業会計 。税法上 も妥 当である と考 えることもできる。

で、適正な記帳 を要求 してい るのである。 わが国 においては、シャ ウプ勧告 を基調 とし青 色 申告制度 を導入 し、欠損金 の繰越控除 を認 めた。 しか し、シャ ウプ勧告 においては、「損 失額 が所得 で相殺 され るまで繰越 しを継続す る」 としてお り、欠損金 を無期 限に繰 り越す こ とを示 してい るが、わが国においては期間制限 を設 けることとしてい る。 これは、昭和

25年

度税制 改正 において は帳簿保存義務 が

5年

で あった こ と、更正、決 定等 の期間制限が

5年

で あつた こ とか ら、

5年

間の繰越 とい った期 間制 限 を設 けたのである。

法人税 の課税所得 に対す る納税義務 については、各事業年度 の終了の時 に成立 し、納税 義務者 の 申告 に よ り第一次的 に確 定す るこ とにな るが、租税行政庁が行 う更正 もしくは決 定 の処分 によ り第二次的 に確定す ることとな る137。 この よ うに、納税義務者 の確定手続 き につ いては、法人税 た る租税債権 の成立後 に可及的 にすみや かに行 われ るべ き性格 の もの であ り、その手続 きを無期 限にできる とす るこ とは、法的安定性・ 予測 可能性 の観 点か ら 問題 が生 じる。 その問題 を解決す るべ く期 間制 限 を設 けてい るのであって、その期 間制 限 につ いては、債権債務 関係 を律す る時効 と租税行政庁の更正 。決 定の権 限を律す る除斥期 間 とがあ る138。

前者 は徴収権 に関す る期 間制限であるが、一般債権や 商取引によって発生 した債権 につ いて も時効 の制度 があるよ うに、国 。地方公共団体の租税 に関す る債権 について も一定の 期 間制 限 として時効がある。 当該期 間制 限については、国 。地方公共団体 に対す る債権 の 時効 が原則

5年

で あるこ とか ら、更正決 定前 の租税債権お よび更正 。決定後の租税債権 (徴 収権

)も

時効 は原則

5年

とされ てい るが、脱税等 の特殊 な場合 の時効 については、法定納 期 限か ら最 大

2年

間の不進行期 間が あ り、最長

7年

間 とされ てい る (会計法第

30条

、地 方 自治法第

236条

、国税 通則法第

72条

)。 一方後者 は、賦課権 に関す る期 間制 限であるが、

法定 申告期 限か ら原則

5年

、脱税等 の場合 には

7年

、欠損金額 については

9年

の除斥期 間 の規定 を設 けてい る (国税通則法第

70条

、第

71条

)。 この よ うな措置 に よ り、法的安定 性・ 予測 可能性 が保 たれ てい るのである。

上述 した賦課権 に関す る期 間制限において、欠損金 について

9年

139と され てい る こ と 137 

金子宏『租税法

(第

21版

)』 (弘

文堂、2016年 )846頁 。

『会社税務釈義

(平

成26年度

Digital版

)第 8巻』

(第

一法規、2015年

5月

)4861

頁 。

Ю

8『

会社税務釈 義 (平

26年

度 Digital版

)第 8巻

(第一法規、

2015年

5月

)4861 B9 

頁。平成

28年

度税制改正 に よ り、青色欠損金お よび災害損失金 の繰越期 間お よび帳簿書 類保 存要件 にお ける保存期間 を

10年

に延長す る改正が、平成

30年 4月 1日

以後 に開

72

か らも、法人税法第

57条

に定 め る欠損金 の繰越控除期間に相互 に影響 を与 えてい る。 こ れ は、当該欠損金 の性質 は、将来の課税所得 の計算上、その所得 か ら控除できるものであ り、課税所得 に影響 を与 えるものであるため、適正公平な課税 の確保 とい つた観点か らも 当然 の規 定で あ る。 したがつて、適正公平な課税 を確保す るため、欠損金 の繰越控除につ いては、資産、負債お よび資本 に影響 を及 ぼす一切 の取引につ き、複式簿記 の原貝1に従 い、

整然 とかつ明瞭 に記録 し、その記録 に基づいて課税所得 の算定 を行 うこ ととなってお り、

その課税所得 の算定の もととなつてい る帳簿書類等 についての保存義務 が課せ られ てい る のである (法人税法施行規則 第

53条

、第

59条

)。

前述 した よ うに、企業 は継続企業 を前提 としてお り、営利活動 を行 つてい る期間の全 て が課税対象 となるはず であるか ら租税負担 の公平 の観 点か らは本来であれ ば無期限に欠損 金 の繰越控除 を認 めるべ きであ り、それ が欠損金 の繰越控除制度 の本質 。趣 旨である。 し か し、税法上は、欠損金額が正 しい金額 であることを立証す るための証拠書類等 の保存義 務 の期 間、更正等 の賦課権 の除斥期 間お よび徴収権 の時効等 の よ うに期 間が制 限 され てい るこ とを考慮す る と、欠損金 の繰越控除の期間 を無期 限 とす るのは平等 な取扱 いか らも妥 当ではない と考 える。

始す る事業年度 において生ず る欠損金額 について適用す るこ ととされ た。

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第 7章   企 業再 生方法 に対す る税法的分析・ 検 討

ドキュメント内 企業再生税制 の研究 (ページ 79-82)