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東急建設 ( 株 ) 国際事業部

ドキュメント内 10&11 OCAJI 60 OCAJI JICA MSHI40 TSUCHIYA TSUCHIYA (ページ 58-63)

1. 当社の海外進出について

当社の海外進出は1970年の海外事業班の設置か ら始まる。翌1971年にグアムに現地法人を設立し てホテル建設や宅地造成などのリゾート関連施設の 施工に着手した。1970年代はオイルショックなど 激動の時代であったが、東急グループの進出に合わ せ、ハワイでリゾート事業参画や現地法人を設立し た。1980年代に入り、米国本土やパラオにおける東 急グループの開発計画にともなってリゾートホテル を受注、また北米での会社買収・設立などを通じて 事業を拡大した。一方、アジアにおいては1981年に シンガポール事務所を開設して、日系企業の工場建 設や土木工事を受注、また同年タイにおいては現地 企業チョウ・カンチャン社との合弁会社を設立させ、

現地官庁工事や工場を受注するなど、当社のアジア 事業の礎を築いていった。

2. 民間工事へ

ホテル案件、集合住宅案件、オフィス案件、教育 施設案件を含む工事実績の一部を紹介する。

東京急行電鉄によるリゾート開発案件である、ハ ワイ・マウナラニ・リゾートを1985年以降に順次 建設を進めて完成させた。

東急不動産によるコンドミニアム案件であるクレ イモアをシンガポールに建設した。地下1階、地上 26階で1985年に竣工した。

1985シンガポールクレイモア・コンドミニアム

タイの合弁先であるチョウカンチャン社を発注者 として、1998年にチョウカンチャンタワーを建設 した。地下1階、地上26階のオフィスビルで、チョ ウ・カンチャン社および合弁会社であるチョウ・カ ンチャン東急建設が本社を置いている。

さらには、警察署である、ロイヤルタイポリスを 建設した。地下1階、地上19階で、2000年に竣工 した。

教育施設では、アメリカ合衆国開発庁USAIDに よるODA案件として、インドネシアのスマトラ島 のアチェにてシアクアラ大学教育学部棟を2010年 に建設した。

タイでは泰日工業大学を2006年〜2009年まで

1992ハワイ・マウナラニ・リゾート

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1987タイダオカノン橋(ラマ9世橋)

1、2期ともに建設した。

その他、タイにおいては1980年代より、火力発電 所関連工事を継続して受注し完成させた。

3. 公共工事へ

1983年タイにおいて、パートナー会社との連携 が功を奏して、当社初の本邦ODA事業となる「バ ンコク国際空港(ドンムアン)拡張(その一)工事」を 受注した。

1986バンコク国際空港(ドンムアン)

さらに翌1984年には、一面斜張橋では当時世界 最大級スパン450mだった「ダオカノン橋(ラマ9 世橋)」などを手掛け、「バンコク国際空港拡張工事(そ の二)」や「同空港搭乗施設建設工事」の受注など本

2010インドネシアシアクアラ大学

2007タイ泰日工業大学1 1998バンコク

チョウカンチャンタワー 2000バンコクロイヤルタイポリス

1994タイ火力発電所煙突工事

邦ODA案件を多く手掛けていくこととなった。そ の後、1990年代に入るにつれ、各国で公共工事の受 注などが好調に推移し、本邦ODA案件の受注も増 加した。次項では当社の東南アジアにおける主な交 通関連事業に的を絞って述べることとする。

4. 運輸交通プロジクト

当社は東急グループの一員であることから、国内 では鉄道、空港や道路など運輸・交通案件の実績を 多く有している。海外でもその経験を活かせるため、

同種工事の受注に向けて取り組んできた。

空港案件では、バンコク国際空港(ドンムアン)建 設の後、1991年初の無償案件である、バヌアツ共和 国のポートヴィラ・バウアーフィールド空港を手掛 け、続いてマレーシアではマレーシア航空の格納庫 ハンガー工事の受注など、国内での経験や技術を活 かしながら空港関連事業の拡張を図ってきた。1990 年代後半には当社では海外での過去最大規模とな る、フィリピン・マニラのニノイ・アキノ国際空港 の建設事業へ参画し、経験と実績を積んできた。

1998マニラ ニノイ・アキノ国際空港

その後2000年代に入り、過去の経験と実績が奏 功し、世界最大級スパン294mでの無柱格納庫 入口を可能としたマレーシア航空のハンガー工事

06PJの受注へと繋がった。

2007マレーシア航空ハンガー

タイでは現地パートナー会社などと共にバンコク MRTのブルーライン建設事業に取り組んだ。大規 模かつ難工事ではあったが、予定通り竣工すること ができた。この経験と実績が現在の海外鉄道への展 開の大きな転換期となった。

本邦ODA案件では、バンコクMRTにおいてパー トナー会社であるチョウ・カンチャン社とのJV てパープルラインの受注へと繋がり、2014年、無事 に竣工した。

2002バンコクMRT ブルーライン

また、インドネシアでは1998年にジャワ島の北 部を走るジャワ北線の橋梁改修工事を受注し、工期

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が長く、範囲も広範な工事ではあったが、無事に竣 工させることができた。

インドネシアでは、各種事業などを通じて培った 人脈などを活かし、東京急行電鉄の中古車両EMU を同国へ譲渡する事業の支援にも取り組んでいる。

2005年から現在までで11編成88両の車両を譲渡 しているが、今後も同国の鉄道事業発展の一助にな

ることを願いつつ、継続して取り組んでいきたい。

運輸・交通プロジェクトの中では、数多く取り 組んでいるひとつとして、道路工事がある。本邦 ODA案件として先に触れたダオカノン橋建設工事 を皮切りに、1990年代のタイではラムインドラ高 速道路やタイ第二高速道路の受注、2000年代でも 多くの高速道路案件を継続受注してきた。

一方、インドネシア共和国においては、地元建設 会社とのJoint Operationにて受注したジャワ北幹 線道路工事や地元案件など継続して受注している。

ベトナムでは新規進出として、本邦ODA案件に あるニャッタン橋(日越友好橋)第3工区:北側アプ ローチを2009年に手掛けた。当初の予定より大幅 に工期が延びたが、2015年に無事、開通を迎えるこ とができた。

2015ハノイニャッタン橋第3工区北側アプローチ

また、ミャンマー連邦共和国では、地元建設会社 が手掛けるフライオーバーのPMから始まり、2015 年には本邦ODA無償案件である、新タケタ橋建設 工事をJVにて受注した。当社にとってはバヌアツ 共和国での国際空港建設以来の20数年ぶりとなる 無償案件だが、まずは無事に工期内に竣工させるこ

1998インドネシアジャワ北幹線橋梁改良工事

2011インドネシアジャワ北幹線道路跨道橋

とを目指す。そのことが同国の発展と日本および当 JVのプレゼンス向上に寄与することを願う。同国に おいては本邦ODA案件が多く予定されており、道 路案件に限らず今後に向けて、大いに期待している。

5. 今後に向けて

1970年代から始まった当社の海外事業は当初は 順調に推移し、1980年代から1990年代前半までは 事業拡大の一途をたどったが、1990年代後半にな ると国内のバブル崩壊から始まった平成の大不況や アジア通貨危機などの影響もあり、リゾートや開発 事業などを中心に大幅な損失を計上し、国内事業の 不振も重なり、海外事業全体の方針転換を余儀なく された。

そのような中、本邦ODA案件については限定的 ではあるが、活動を継続させ、バンコク地下鉄南工 区(ブルーライン)ではエンジニアリング協会による 功労賞を受賞するなど、海外事業においても社の発 展に大いに貢献してきた。

近年、日本は低成長時代に入ったと言われるよう

に日本の建設市場は既に成熟しており、今後も大 きな成長は見込めない。また2020年の東京オリン ピック・パラリンピック以後、建設需要の反動減も 予想される。そのような国内事業を補完し、会社を 発展させていくためにも積極的に海外事業を展開し ていく必要があり、実績のある東南アジアを中心に 本邦ODA案件へも積極的に取り組んでいく所存で ある。

本邦ODA事業は、地域密着や技術提供など社会 貢献を通じて供与国との間における友好や交流の架 け橋となり、注目を集めることも多い。

大型案件などは会社だけに限らず、国際社会にお ける日本国のプレゼンスの向上に繋がるケースも多 く、非常にやりがいのある事業であり当社もその一 翼を担っていきたいと願う。

現在、日本の建設会社が海外で活躍している背景 には、貴協会における60年にもわたる継続した活 動が大きく影響しており、その貢献に多大なる敬意 を表すると共に、今後のさらなる発展に期待して いる。

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日本の海で育んだ技術を世界の海へ

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