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特集
日本の海で育んだ技術を世界の海へ
大型港湾工事を受注した。さらに2014年にミャン マー・ヤンゴン営業所を開設し、橋梁工事や大型港 湾工事に取り組んでいる。このように当社は、東南 アジアにおいて日本のODAを中心に海外事業を今 日まで継続的に受注している。
また、日本のODAも戦後賠償から始まり、1992 年に貧困対策へと政府開発援助大綱が制定され、
1993年以降のTICAD(アフリカ開発会議)や2015年 の政府開発援助大綱の改訂で戦略的な開発協力へと ODAの基本的な考え方も変わってきた。このことは 日本のODAの支援対象国が東南アジアからグロー バルへ支援の対象が大きく拡大し、当社もアフリカ への営業展開を決めるきっかけとなった。当社は 2012年に東アフリカのケニアで大型港湾工事を受注 し、5大経済回廊の支援を決定した日本政府のアフリ カ支援の核となる工事に携わることとなった。
コンテナターミナル建設工事(ケニア)
他方、中東にあっては1976年にイラクやアラブ 首長国連邦で大型浚渫工事を受注したが、その後の 中東戦争などで撤退を強いられた。近年のイラク復 興事業やイランの経済制裁の解除にともない、戦争 や内戦で著しい社会整備資本の再建に携わり、質の 高いインフラを提供できればと考えている。
3. フィリピンにおける海外事業(ODAへの取り組み)
当社にとってフィリピンは最も重点を置く国の ひとつである。1973年より途切れることなく、今日 まで日本のODAと日系の工場建築関連の受注と施 工を継続している。特にフィリピン政府から外国建 設業者の第1号のコントラクターライセンスを授与 され、ADB(アジア開発銀行)資金による漁港建設工 事を1973年に完工。特別円借款スキームによる第 1号採択案件であるコンテナターミナル建設工事を ミンダナオ島で完工し、さらに円借款・本邦技術活 用条件(STEP)スキームによる第1号採択案件のマ ニラ首都圏での河川改修工事も当社が施工した。特 にこれらの第1号案件は、フィリピンで長く根を張 る営業展開をしている当社にとって感慨深い工事で ある。
漁港建設工事(フィリピン)
フィリピンは環太平洋造山帯に立地し、また台風 の通過する亜熱帯地域の島嶼国であることから、毎 年、多大な被害が発生している。特に1991年1月に 20世紀における最大規模のピナツボ火山の大噴火、
同年11月にビサヤ地方を襲った台風によりオル モック市で死者・行方不明者が約8,000人という未
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曾有の災害が発生した。これらの災害を受けて、日 本政府はODA資金でその復旧工事を実施し、当社 はその施工に携わった。
またフィリピンは運輸・交通インフラや治山治水 の防災以外にも教育、医療・保健、水産・農業分野 と多岐にわたり、無償・有償資金協力資金が活用さ れ、経済発展を遂げている。これらの他分野におい て、当社も多岐にわたる工事に携わることでフィリ ピンの発展に貢献できたと思っている。
他方、民間建築工事は、2008年のリーマンショッ クによる一時的な影響はあったものの、チャイナプ ラスワン、タイプラスワンの流れと2016年アセア ン経済共同体の発足などに関連して、フィリピン、
ベトナム、ミャンマーなどで今後、日系・欧米系の 工場進出が期待できる。
4. 今後の海外事業(今後のODAのあり方)
中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)や
BRICS銀行の台頭で新たな支援スキームによる後
進国の開発が今後注目される中、日系企業の質の高 いインフラ整備において、当社の強みである、日本 の海で育んだ技術を世界の海へ広げていきたいと 思う。
東南アジアと比較すると東アフリカ・ケニアの技 術者や熟練工の技量不足が否めない。コンテナター ミナル工事を通して、安全管理はもとより地盤改良 工の原理ならびに、施工と施工管理方法を現地の技 術者へ教えたり、溶接工の技量を高めるために溶接 技術を指導することでケニアの技術力の底上げを図 り、これまでの工事と違う技術移転にも力を注いで いる。
このように、これからの日本のODA工事は、相 手国の技量に応じて、足りないものを補う支援が必 要であり、それは相手国がひとり立ちできることを 切に願う支援のあり方が求められていると心より 思っている。
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