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本邦企業ビジネスの可能性

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従い、本邦企業はオフィスビル、商業ビル、都心の複合ビルなどのビジネス、または、高所得者 層を対象とした住宅ビジネスへの参入に限られているのが現状である。

今後のタイの人口増加や核家族化や経済成長とくに所得の向上と中間所得者層の拡大によって新 規住宅需要が増加するとともに、中古住宅のリフォーム・リノベーション需要が増加してくるこ とが予想されている(

4

章参照のこと)。このような状況を考えれば、現状の、都心のビル開発 や郊外部での戸建て住宅の市場でのビジネスチャンスは拡大していくものと考えられる。しかし ながら、

中低所得者向け住宅市場に対する民間企業の参入を考えた場合、将来的に中間所得者層の所得水 準が上昇するとしても、事業収益性の観点から民間企業の取組だけでは限界がある。従い、かか る民間企業の取組を

ODA

の活用により側面支援することが有用である。近年、我が国の

ODA

の 分野では、民間企業との連携が強化されおり、民間企業の人的リソース・ノウハウの活用による 開発課題への対応が図られる一方、民間企業の新たなビジネスチャンスにも繋がることが期待さ れている。中低所得者向け住宅市場の分野のおいては、以下の2つの方向性が考えられる。

 低所得者を対象とした事業への参入促進:各種調査支援制度(

BOP

ビジネス連携促進協力準 備調査、中小企業連携促進基礎調査等)の活用により、民間企業による新たな低所得者向 け住宅事業にかかるビジネスモデルの開発支援を行う。(例:低所得者層向けプレハブ住 宅事業等)

 収益性の低い事業への参入促進:適切な官民リスク分担を行いつつ、海外投融資による低 利・長期の資金支援を行うことにより、新規参入事業のリスク・コストの低減を図り、通 常の商業ベースでは参入が困難な範囲(中低所得者層向け住宅事業)のビジネス展開支援 を行う。(例:中間所得者層向け戸建て住宅販売事業等)

出所:JICA調査団

図 8.1 本邦企業の参入支援

民間の住宅ビジネス

(オフィスビル、商業ビル、

複合ビル、高級住宅な ど)

BOP 中小企業 支援

海外投融資 PPP

所得者層

収益性

8.2.2 ポテンシャルビジネスの例

上述のような基本的な考え方を踏まえ、またタイの住宅セクターの将来の社会経済状況、住宅需 要を勘案すれば、以下のような事業のポテンシャルがあるものと考える。

表 8.2 住宅行政関連組織とその活動

基本方針 住宅行政に関する活動

低所得者を対象とした事業への参 入促進

 低所得者向けプレハブ住宅事業

収益性の低い事業への参入促進  中間所得者層向け戸建て住宅販売

その他  エコタウン

 高齢者住宅 など 出所:JICA調査団

以下に、それぞれの事業の方向性を示す。

(1)

中間所得者層向け戸建て住宅販売

現在、本邦企業の住宅メーカーが戸建て住宅の建設事業をおこなっている。この戸建て住宅のタ ーゲットは

500

万バーツで、現状では高所得者層を対象としている。しかし、中間所得者層の拡 大で郊外の戸建て住宅の需要が増加することが予見される。このような中間所得者を取り込むた めには、

300

万バーツから

400

万バーツ台のユニット型住宅のモデルを開発することが必要であ る。

(2)

低所得者向けプレハブ住宅事業

低所得者層への公共住宅の供給は今後とも

CODI

NHA

の事業の柱として実施していかなければ ならない。プレハブ住宅は在来工法に比べコストと建設期間が短縮でき、また、我が国の中小企 業にノウハウが蓄積されていることから、このプレハブ住宅を用いた公共住宅整備は本邦住宅企 業にとって新たなビジネスチャンスとなる可能性がある。ただし、プレハブ住宅は、我が国では 在来工法より割安であるが、タイの住宅の在来工法との比較においてコスト面で競合するための 方策を開発する必要がある。

(3)

その他

本邦企業のもつ高度な技術を用いた住宅、町づくりは低所得者限定ではないものの、可能性があ る。とくに、バンコク郊外の都市鉄道整備が進む地域や地方主要都市の新市街地の整備に、我が 国の技術を用いたエコタウンの開発や、高齢者を対象としたハード面、ソフト面が充実した福祉 住宅の整備、運営のチャンスがあるものと考えられる。

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