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住宅政策の方向性

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6. 住宅政策の提案

6.3 住宅政策の方向性

6.3.1 住宅政策の方向性

新たな住宅政策では、中高所得者を含めたタイ国民のすべてに裨益がある政策を展開する。第

4

章で示した住宅需要をみれば、

2030

年までにタイ全国では、約

1,100

万戸、バンコク周辺では

700

万戸の住宅需要があるものとみられる。これらの住宅のうち、支払い能力の低い低所得者層には、

ひきつづき社会のセーフティネットとして公共住宅の提供が求められる。そのためには、継続的 に公共住宅の供給ができるような体制を維持していく必要がある。

一方で、中間所得者層の大幅な拡大によって、住宅市場が拡大し、また、社会の核家族化、高齢 化、または都市の拡大によって空間的にも広さや質的にもニーズの多様化が予見される。市場の 拡大やニーズの多様化は住宅ビジネスの拡大をもたらす。これらの中間所得者および高所得者層 への住宅供給は、今後も民間セクターが中心となることから、規模が拡大した住宅市場が適切に 機能していくことが、安定的な住宅供給につながる。そのためには、信頼のできる住宅市場で、

十分な量と質の住宅が出回り、公平な取引ができるビジネス環境を整えることが重要と考える。

が、住宅政策の「空白地帯」ということができる。この「中の下」層は、一般的に担保能力が低 く民間銀行、

GHB

含めて住宅ローンの借り入れが難しい。そのため、必要な規模、質の住宅が購 入できない状況にある。中間所得者層の拡大は、この「中の下」を増加させることから、これに 対する施策が重要になってくるものと考えられる。

さらに、住宅、住宅地の居住環境を向上させることが求められる。住宅地の居住環境の向上、都 市の機能性やアメニティの向上は、所得に関係なくすべての国民が裨益できる施策である。

このような、将来の住宅をとりまく社会経済状況の変化、住宅需要、民間と公的機関の役割分担 などを踏まえた安定的な住宅供給のための課題と施策の方向を図

6.1

に示す。

出所: JICA 調査団 公共セクター

の役割り

消費者保護

市場の信頼性の維持 都市機能の維持

安全安心な住宅、住宅地の形成 セーフティネットとしての住宅供給

持家所得の支援 課題 ・ セーフティネットの充実

・ 事業資金の持続性 住宅需要

(2010年から 2030年)

民間セクター の期待される

役割り

市場のニーズに合った住宅の供給 十分な数の住宅供給

1,163,000 戸 3,120,000 戸 1,368,000 戸

主要な住宅供 給者

公共セクターによる公共住

宅と低コスト住宅 民間セクターによる住宅供給

低所得者層 中所得者層 高所得者層

2010 所得レベルご

との世帯

2030

社会経済面で の主要な変化

人口増加

(農村人口以上の)都市人 口の増加

核家族化 高齢化社会

経済成長:中所得者層の増

賃貸住宅の増加 都市の拡大 都市鉄道の延伸

25 % 55 % 20 %

15 % 56 % 29 %

・住宅ロー

-十分な数の住宅供給の確保 -多様なニーズに対応した住宅供給 -住宅地でのアメニティ性や住環境の向上

より低所得者層向けの住 宅ビジネスの展開

規制、監督、支援 支援 支援

事業実施

6.3.2 住宅戦略へのブレイクダウン

前項でみた住宅政策の基本方向を、施策の対象、用いる手法、担当機関などを勘案して、以下の

4

つの戦略を設定した。

戦略 1: 住宅・都市行政の再編 戦略 2: 住宅市場の向上

戦略 3: セーフティネットの充実 戦略 4: 住宅地・都市の居住環境の向上

出所: JICA 調査団

図 6.2 住宅政策のゴールと戦略

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