第 3 章
3.3 時間分解 PL(time-resolved photoluminescence)測定
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する③ヒストグラムが得られて、蛍光強度(PL 強度)の時間変化を再現することとなっている。
得られたヒストグラムが、時間分解PLの減衰曲線となり、この曲線からフィッティング演算を行い、
求めた減衰時定数τがPL寿命となる。
PL intensity
Energy(eV)
PLスペクトルを測定
時間分解発光ス ペクトルを測定
(ピーク強度の減 衰曲線を測定)
PL intensity
Energy(eV)
短パルスレーザを 使用
1
2
2
1exp t A exp t
A
Fit
time(ns)
減衰曲線からフィッティングの 演算を行い、減衰時定数τ を算出
PL intensity
時間分解PL 定常PL
・・・(1)
図3.5 定常PL測定と時間分解PL測定の概略
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3.3.2 時間分解PL法による少数キャリアの評価について
半導体において測定されるPL寿命(PL減衰時定数)8)は一般に次式で表される。
(3.1)
τr は輻射再結合寿命、τnr は非輻射再結合寿命である。さらに非輻射再結合寿命はバル ク領域の再結合での寄与と界面(表面)領域での再結合の寄与に分離でき、次式で表すこと ができる。
(3.2)
ここでτbnrはバルク領域での非輻射再結合寿命、τSnrは界面(表面)領域での非輻射再結 合寿命である。バルク領域に不純物や格子欠陥などの非輻射再結合中心が多い場場合は τbnrが小さくなり、その結果、測定される PL 寿命τは小さくなる。更に、界面(表面)状態が
●一つの励起パルス光に対して、1個 以下の蛍光光子を観測
●パルス光の繰り返し時間内のどこか に1個以下の蛍光光子が検出される 状態
●遅延光量の時間依存性は、光子の 捕獲確率に相当
●Aでは捕獲確立は高く、Bでは低い
●励起光と蛍光の時間差△tを横軸に とり、 検出頻度を縦軸として積算
●ヒストグラムが得られ、蛍光強度の 時間変化を再現
intensity
time A
B
counts
time A
...B
励起光
蛍光
パルス励起で発生するPLの 時間変化
△t
1光子
図3.6 単一光子計数法
nr
r
1 1 1
S nr b
nr
r
1 1 1 145
悪く(多数のダングリング・ボンドの存在など)、界面での非輻射再結合中心が多い場合はτSnr
が小さくなり、この場合も測定される PL 寿命τは小さくなる。従って、光吸収層の PL 寿命が 短い場合には、不純物や格子欠陥などの影響により光励起による少数キャリアの寿命が短くな り、太陽電池の変換効率も低くなることが予測される。
CIGS薄膜太陽電池の場合、高効率化のためには光照射によってp形のCIGS膜で発生 した小数キャリアを、空乏層内や光吸収層内で再結合する前に素早く外部に電流として取り 出すことが必要である。少数キャリアの長寿命化、即ち再結合抑制に関して、傾斜型バンド構 造など光吸収層の構造を工夫することによっても一定の効果はあるが、最も効果的なのは、
CIGS膜の再結合欠陥の低減・高品質化による少数キャリアの長寿命化である。