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日本の特別支援教育における ICT 活用教育の成果評価

第 3 章 日本と韓国における特別支援教育の ICT 活用教育成果評価

第 4 節 日本と韓国の特別支援教育における ICT 活用教育の 成果評価

4.2 日本の特別支援教育における ICT 活用教育の成果評価

「UISS」を用いた調査結果の領域別の平均得点と標準偏差の結果を図3-2に示す。

具体的にみると、「コミュニケーション能力」領域は2.9点であり、「情報活用能力」領域 は、2.4点であり、「社会生活機能」領域は2.7点であった。3領域を合計した総得点の平均

は43/85点であった。

評価が最も高かった領域は、「コミュニケーション能力」であった。また、ICTを活用し た教育成果の評価は、「コミュニケーション能力」と「社会生活機能」は2.5点を超えてい たが、「情報活用能力」は、2.4点と最も低い。

図3-2 日本の特別支援教育におけるICT活用教育の領域別の成果評価結果

2.9 2.4

2.7

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

コミュニケーション能力 情報活用能力 社会生活機能

単位:点

118

項目別の平均得点と標準偏差の結果を図3-3に示す。

具体的にみると、「Q2.話して表現する能力」が3.0点で最も高く、「Q15.意欲向上」が2.9 点、「Q1.相手を意識して聞く能力」、「Q3.状況に応じ、相互関係の中で、適切なコミュニケ ーションスキルを使う能力」、「Q8.発表の姿が改善」が 2.8 点の順で高く、「コミュニケー ション能力」において、高い評価が得られた。

また、「Q7情報の相違点の整理」が2.0点と最も低く、「Q10.課題導出」、「Q12.著作権」、

「Q13.個人情報」が2.1点であり、いずれも「情報活用能力」の項目であり、「情報活用能 力」の項目に中には、3点と評価された項目がなく、相対的に低い評価が得られた。

領域別に詳しく見ると、「コミュニケーション能力」は、「Q1.相手を意識して聞く能力」

が2.8点であり、「Q2.話して表現する能力」が、3.0点、「Q3.状況に応じ、相互関係の中で、

適切なコミュニケーションスキルを使う能力」が2.8点であった。最も高く評価された項目 は「Q2.話して表現する能力」であったが、項目間に大きな差はなかった。

このような結果は、文部科学省の「ICTを活用した授業の効果等の調査」(2008)の結果と 似ている。文部科学省の「ICTを活用した授業の効果等の調査」(2008)は、ICTを活用した 授業を行い、健常の生徒において、「知識・理解」、「技能・表現」に高い効果があることを 明らかにした(文部科学省、2008)。このことから、ICT活用教育が、障害生徒と健常生徒ど ちらも「表現」に高い成果が得られることが明らかになった。

「コミュニケーション能力」領域得点は、2.9点であり、3点に近似していた。

以上のことから、特別支援教育でICT活用教育を行った結果、「コミュニケーション能力」

の全ての項目は3点に近似しており、「多少」効果があることが明らかになった。

「情報活用能力」は、「Q4.情報出典の理解」と「Q5.情報収集」が、2.7点であり、「Q6.情 報の共通点」は、2.2点、「Q7.情報の相違点」は、2.0点であった。また、「Q8.発表の姿の 改善」は2.8点であり、「Q9.情報伝達」は、2.4点、「Q10.課題導出」は、2.1点、「Q11.問 題解決の認識」は、2.5点、「Q12.著作権の意識と「Q13.個人情報」は、2.1点であった。「情 報活用能力」のうち、「Q8.発表の姿の改善」が最も高く評価された。また、「Q7.情報の相 違点」が最も低く評価され、次いで「Q10.課題導出」は、「Q12.著作権の意識」と「Q13.

個人情報」の順で低く評価された。領域得点は、2.4点であり、全体的に低く評価された。

以上のことから、特別支援教育でICT活用教育を行った結果、「情報活用能力」の全ての 項目が3点を超えず、「少しだけ」効果があることが明らかになった。

このような結果は、文部科学省の「情報活用能力調査」(2013a)の結果と似ている。文部 科学省の「情報活用能力調査」(2013a)の結果によると、「情報収集」、「情報を整理すること」、

「情報伝達」、「発表の資料を作成すること」、「表やグラフの作成」といった項目が高く評 価され、「情報モラル」、「個人情報」に関連する項目は、低く評価された(文部科学省、2013a)。

本研究の結果と比べ、「発表」に関連した効果が向上されたことが確認された。また、ICT 活用教育は、障害生徒と健常生徒どちらも情報モラルに関する効果は低いことが明らかに なった。特別支援教育において情報モラルを含め、情報活用能力を高めるためには、適切

なICT・ATを活用することと、情報教育を行うことが重要であると考えられる(文部科学省、

2013a)。

「社会生活機能」は、「Q14.環境の変化への適応力」が 2.5 点であり、「Q15.意欲向上」

が2.9点であり、「Q16.社会参加」が2.7点であり、「Q17.自己尊重感」が2.6点であった。

「社会生活機能」のうち、「Q15.意欲向上」が最も高く評価された。また、「Q14.環境の 変化への適応力」が最も低く評価された。領域得点は、2.7点であった。

以上のことから、特別支援教育でICT活用教育を行った結果、「社会生活機能」の全ての 項目が3点を超えず、「少しだけ」効果があることが明らかになった。

このような結果は、総務省の「高齢者・障害者のICT利活用の評価及び普及に関する調 査研究」(2008)の結果と似ている。総務省の「高齢者・障害者の ICT 利活用の評価及び普 及に関する調査研究」は、「ICTを活用することで他人の力を借りず、一人でできることが 拡がり、意欲の喚起に繋がる」との成果を明らかにした(総務省、2008)。このことから、障 害生徒と障害者どちらも、ICT活用が「意欲向上」に効果的であることが明らかになった。

以上、日本の特別支援教育においてICT 活用教育を評価した結果、特別支援教育におい てICT 活用教育が、比較的に「コミュニケーション能力」に効果的であることが確認され た。また、「情報活用能力」に関する成果を高めるための工夫が必要であると考えられる。

図3-3 日本の特別支援教育におけるICT活用教育の項目別の成果評価結果

2.8

3.0 2.8 2.7 2.7 2.2

2.0 2.8

2.4 2.1

2.5

2.1 2.1 2.5

2.9

2.7 2.6

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13 Q14 Q15 Q16 Q17 単位:点

120