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日本における「UISS(試案)」に関する有効性の検討

第 3 章 日本と韓国における特別支援教育の ICT 活用教育成果評価

第 3 節 UISS の開発と有効性の検討

3.2 ICT 活用教育に関する先行文献のレビュー

3.4.1 日本における「UISS(試案)」に関する有効性の検討

①対象者の基本属性

日本における調査では、主に特別支援教育において、ICT 活用について研究している研 究者、特別支援教育の現場で教育を行っている教員などを対象とした。対象者は、合計24 名であり、回収は100%であった。そのうち、対象者の基本属性について分析可能な有効デ ータは23名であった。

対象者の基本属性を表3-6に示す。詳しくみると、男性が19名、女性が4名であり、平 均年齢は、35.6±7.5歳であった。職業においては、研究者が4名であり、現場教員が19名 であった。また、特別支援教育教員免許を保有している教員は、12 名であった。職業経験 年数は平均11.0±7.6年であり、そのうち、特別支援教育における勤務年数は、7.2±6.7であ った。

表3-6 日本における対象者の基本属性

属性(n=23)

平均年齢(SD) 35.6歳(7.5) 性別 男性 19名(82.6%)

女性 4名(17.4%) 特別支援教育教員免

許の有無(%)

有 12名(52.2%) 無 11名(47.8%)

職業(%)

研究者 4名(17.4%) 現場教員 19名(82.6%) その他 0名(0.0%) 平均職業経験年数(SD) 11.0年(7.6) 特別支援教育における平均勤務年数(SD) 7.2年(6.7)

②信頼性の検証(内的整合性:Cronbachʼs α係数)

日本の特別支援教育の現場教員を対象として、UISSの信頼性を分析した。対象の基本属 性は表3-7に示す。

UISSの信頼性を分析するために、各領域と項目に対するCronbachʼs α係数を求めた。

一般的に、α 係数が0.70以上であれば、内的整合性が高く判断され、信頼性が認められる (Cronbach,1951)。

信頼性について分析した結果、領域のCronbachʼs α 係数は「コミュニケーション能力」

の領域が0.850、「情報活用能力」の領域が0.779、「社会生活機能」の領域が0.890であり、

全ての項目は、0.945であった。このことから各領域と項目の信頼性が検証された(表3-8)。

表3-7 日本の特別支援教育の現場教員の基本属性

属性(n=19)

平均年齢(SD) 36.4歳(6.7) 性別(%) 男性 17名(89.5%)

女性 2名(10.5%) 特別支援教育教員

免許の有無(%)

有 8名(82.1%) 無 11名(42.1%) 平均職業経験年数(SD) 11.1年(6.5) 特別支援教育における平均勤務年数(SD) 8.3年(6.7)

担当している クラスの障害種(%)

肢体不自由 4名(21.1%) 知的障害 6名(31.6%) 聴覚障害 1名(5.3%) 視覚障害 2名(10.6%) 重複障害 4名(21.1%) 病弱 1名(5.3%) 無回答 1名(5.3%)

担当しているクラス の学年(%)

小学部 -

中学部 -

高等部 -

専攻科 -

無回答 19名(100.0%)

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表3-8 日本における「UISS(試案)」の信頼性の検証結果

(n=19) 項目 項目が削除された場合の

Cronbachʼs α係数 Cronbachʼs α係数

「コミュニケーション能力」 0.850

Q1.聞く能力 0.840

Q2.聞いて、表現する能力 0.803

Q3.状況に応じ、聞いて表現する能力 0.774

「情報活用能力」 0.779

Q4.情報の出典への理解 0.757

Q5.情報収集 0.752

Q6.情報の共通点 0.756

Q7.情報の相違点 0.757

Q8.発表の姿の改善 0.756

Q9.情報伝達 0.757

Q10.課題導出 0.758

Q11.問題解決認識 0.752

Q12.著作権の意識 0.764

Q13.個人情報 0.764

「社会生活能力」 0.830

Q14.環境変化への適応力 0.788

Q15. 意欲向上 0.774

Q16.社会参加 0.801

Q17.自己尊重感 0.795

Q1~Q17 0.945

③ 内容的妥当性の検証

日本の特別支援教育の現場教員と研究者から得られたデータを用い、内容的妥当性を検 討した。

問1~24の妥当性評価の結果を表3-9-1、表3-9-2にまとめた。その結果、「コミュニケー ション能力」が4.0点、「情報活用能力」が3.9点、「社会生活機能」が3.9点であることか ら領域の内容的妥当性が検証された。

「UISS」の領域に対して「障害を持つ児童・生徒においても健常児・生徒と同じような 目標で情報教育を行うべきですが、表記などに工夫はあっても良いと思う。」、「わからない という項目があれば答えはかなり変わります。」、「大きくICT活用教育と言っても教師の経 験や力量、他の指導法のバランス、生徒の実態等、施設設備や環境等による差やイメージ が異なる。」、「特別支援教育では個々の実態に大きな差があり『情報活用能力』『社会生活 機能』の評価が難しい場合がある。」等の意見があった。

「コミュニケーション能力」、「情報活用能力」、「社会生活機能」領域の項目の妥当性を 検討した結果、すべての項目の平均得点が3.5点を超えていることから内容的妥当性が検証 された。

「コミュニケーション能力」領域の項目に関する問5-7のうち、平均得点が最も高いのは 3.7点であり、問5と問7であった。意見としては、「『ICT教育を通じて』の表現がICT機 器を使用してなのか、使用如何を問わずこれらの力が伸びたのかどちらを示しているのか が分かりずらい。」、「コミュニケーションに関する学習や指導ではいろいろなパターンがあ り、自分の思いを伝えることから始めたり、『相手の伝えたい内容を理解できるようにする』

ことから始めたりする。そのあと相互関係を作っていく事もあり、『伝える』『理解する』『相 互関係』の質問が3つあると答えにくい。」があった。

「情報活用能力」領域の項目に関する問9-19のうち、平均得点が最も高いのは、3.7点で あり、問10、問13問18であった。意見としては「文言について妥当とは思いますが、小 学部の児童(特に低学年)には難しい内容もあると思いました。対象児童のアンケートが あると(小中高、障害種等)良いと思いました。」があった。

「社会生活機能」領域の項目に関する問20-23のうち、平均得点が最も高いのは、3.8点 であり、問22であった。次いで、問20、問21、問23が3.5点で平均得点が高かった。

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表3-9-1 日本の「UISS(試案)」に関する意見調査結果1

(単位:%(人)) 質問項目 5.きわめて

妥当である

4.妥当で ある

3.どちらかと いうと妥当

2.妥当で ない

1.全く妥当

でない 無回答 平均

得点 SD

領 域

1 コミュニケーション能力 27.3(6) 40.9(9) 31.8(7) 4.0 0.8 2 情報活用能力 27.3(6) 40.9(9) 27.3(6) 4.5(1) 3.9 0.9 3 社会生活機能 27.3(6) 31.8(7) 40.9(9) 3.9 0.8

4 領域に関する自由記述 あり:4名

領 域 1

5 聴く能力 22.8(5) 40.9(9) 27.3(6) 4.5(1) 4.5(1) 3.7 0.9 6 表現する能力 22.8(5) 22.8(5) 45.4(10) 4.5(1) 4.5(1) 3.6 0.9 7 状況に応じ、聞いて表現する能力 22.8(5) 27.3(6) 40.9(9) 4.5(1) 4.5(1) 3.7 0.9

8 自由記述 あり:4名

領 域 2

9 情報の出典への理解 18.0(4) 13.5(3) 63.0(14) 4.5(1) 3.5 0.8 10 情報収集 22.8(5) 22.8(5) 49.5(11) 4.5(1) 3.7 0.8 11 情報の共通点 22.8(5) 18.0(4) 49.5(11) 4.5(1) 4.5(1) 3.6 0.9 12 情報の相違点 22.8(5) 13.5(3) 54.0(12) 4.5(1) 4.5(1) 3.6 0.9 13 発表の姿の改善 22.8(5) 31.8(7) 36.3(8) 4.5(1) 4.5(1) 3.7 1.0 14 情報伝達 22.8(5) 13.5(3) 54.0(12) 4.5(1) 4.5(1) 3.6 0.9 15 課題導出 22.8(5) 13.5(3) 49.5(11) 9.0(2) 4.5(1) 3.5 1.0 16 問題解決認識 22.8(5) 13.5(3) 49.5(11) 9.0(2) 4.5(1) 3.5 1.0 17 著作権の意識 18.0(4) 13.5(3) 58.5(13) 4.5(1) 4.5(1) 3.5 0.9 18 個人情報 27.3(6) 18.0(4) 45.4(10) 4.5(1) 4.5(1) 3.7 1.0

19 自由記述 あり:3名

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表3-9-2 日本の「UISS(試案)」に関する意見調査結果2

(単位:%(人)) 質問項目 5.きわめて

妥当である

4.妥当で ある

3.どちらかと いうと妥当

2.妥当で ない

1.全く妥当

でない 無回答 平均

得点 SD

領 域 3

20 環境変化への適応力 18.0(4) 18.0(4) 54.0(12) 4.5(1) 4.5(1) 3.5 0.9 21 意欲向上 18.0(4) 40.9(9) 31.8(7) 4.5(1) 4.5(1) 3.8 0.8 22 社会参加 22.8(5) 27.3(6) 40.9(9) 4.5(1) 4.5(1) 3.5 0.9 23 自己尊重感 22.8(5) 27.3(6) 40.9(9) 4.5(1) 4.5(1) 3.5 0.9

24 自由記述 なし

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