第 2 章 日本と韓国における 特別支援教育の情報化の現状
第 5 節 日本と韓国の特別支援教育における ICT 活用指標の開発
5.5 専門家の意見調査による有効性の検討
5.5.2 日本における「特別支援教育における ICT 活用指標(試案)」の有効性の検討
問1~32の妥当性評価の結果等を表2-22-1,表2-22-2にまとめた。
その結果、領域に関する問1-2には「妥当でない」との評価がなく、平均得点も4.3点で あることから領域の内容的妥当性が検証された。
しかし、質問紙の構成に関して、「領域に関する設問は、項目の後にした方が良い」とい う意見があった。また、言葉の表記について、「ICT活用指導よりICT活用指導力が相応し い」、「領域という言葉が難しい」、「インフラ整備の名前は、インフラの整備に、ICT活用指 導は、ICTを活用した指導した方が良い」等の意見があった。このことから、指標の領域の 構造・設定の妥当性は確認されたが、言葉の表記の修正を検討する必要があると考えられ る。
インフラの整備領域の項目の妥当性を検討した結果、すべての項目の平均得点が 3 点を 超えたことから内容的妥当性が検証された。
インフラの整備領域の項目に関する問4-18のうち、平均得点が最も高い項目は、問13で あり、次いで問16、問5、問6の順であった。一方、「妥当でない」との評価があったのは 問4と問13、問17であった。また、意見としては、問4について「教育用パソコンは、今 後増える予定がなく、満足な台数とは言えないから」があった。問13については「接続不 可能なPCの利用目的も把握があるからインターネットに接続できるPCの整備と接続でき ないPCも把握する必要がある」があった。問17については「障害のある生徒がアクセス 可能な学校(学級)のホームページの有無に変更すべき」があった。
他の意見としては、問6について、「学校によって所有数に差がある」、「児童数当たりの 保有台数を聞いた方が良い」、「各学校による台数に偏りがあるので、カメラなどは充して いるが、プロジェクタ等はあまりないので総台数を調べても意味がないかもしれない。調 べるとしたらプリント系、カメラ系、投影系である。」等があった。
ICT活用指導領域の項目の妥当性を検討した結果、問23、問27、問28以外の項目は、平 均得点が3点を超えたことから内容的妥当性が検証された。
ICT 活用指導領域の項目に関する問19-28のうち、平均得点が最も高い項目は、問21で あり、次いで問 19 であった。一方、「妥当でない」との評価があったのは問 19、問 21-25 であった。また、意見としては、問19について「受講経験を『5年以内に』などと受講期 間を設定する必要がある」があった。問22について「すべての学校で作成されているから」
があった。問23ついて「説明文の『1年」』を削除した方が良い」があった。問24につい ては、「保有台数が少なく、十分に行えていない」があった。問25については、「小学校で は毎日、毎時間、複数の資料を掲示することも多いので、3ヶ月は件数の把握が難しい」が あった。
指標の項目の網羅性に関する問29-32のうち、「網羅していない」との評価があったのは 1名だけであるため、指標の網羅性が確認された。
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表2-22-1 日本の「特別支援教育におけるICT活用指標(試案)」の意見調査結果1
(単位:%(人))
質問項目 5.きわめて
妥当である
4.妥当で ある
3.どちらかと いうと妥当
2.妥当で ない
1.全く妥当
でない 無回答 平均
得点 SD 領
域
1 インフラの整備 44.4(4) 44.4(4) 11.1(1) 4.3 0.7
2 ICT活用指導 44.4(4) 44.4(4) 11.1(1) 4.3 0.7
3 領域に関する自由記述 あり: 4名
イ ン フ ラ の 整 備
4 教育用コンピュータ1台当たりの
障害生徒数 22.2(2) 55.6(4) 11.1(1) 11.1(1) 11.1(1) 3.9 0.9 5 教員1人当たりの校務用コンピュータ数 55.6(5) 44.4(4) 4.0 0.5 6 コンピュータの周辺機器の整備 33.3(3) 44.4(4) 11.1(1) 11.1(1) 4.0 1.0 7 デジタル教科書の整備
例)電子黒板、デジタルテレビ、デジタルコンテンツ等 44.4(4) 11.1(1) 11.1(1) 22.2(2) 11.1(1) 3.6 1.6 8 校務支援システムの整備 11.1(1) 55.6(5) 11.1(1) 22.2(2) 3.6 1.0 9 AT及びソフトウェア管理担当教員の配置 33.3(3) 11.1(1) 33.3(3) 22.2(2) 3.5 1.2
10 学校CIOの配置 22.2(2) 33.3(3) 33.3(3) 11.1(1) 3.7 1.0
11 ATの整備 22.2(2) 22.2(2) 44.4(4) 11.1(1) 3.6 1.0
12 インターネットの接続 33.3(3) 22.2(2) 44.4(4) 3.9 0.9 13 インターネットに接続できる
コンピュータの整備 44.4(4) 33.3(3) 22.2(2) 11.1(1) 4.7 0.8 14 インターネットの接続回線の状況 11.1(1) 44.4(4) 22.2(2) 22.2(2) 3.4 1.0 15 インターネット接続回線速度の状況 11.1(1) 22.2(2) 44.4(4) 22.2(2) 3.2 1.0 16 有害情報への対応状況 33.3(3) 55.6(5) 11.1(1) 4.2 0.7 17 障害生徒がアクセス可能な学校(学級)
のホームページの有無 22.2(2) 44.4(4) 11.1(1) 11.1(1) 11.1(1) 3.4 1.0 18 学校情報セキュリティポリシーの策定状況 11.1(1) 44.4(4) 33.3(3) 11.1(1) 3.6 0.9
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表2-22-2 日本の「特別支援教育におけるICT活用指標(試案)」の意見調査結果2
(単位:%(人))
質問項目 5.きわめて
妥当である
4.妥当で ある
3.どちらかと いうと妥当
2.妥当で ない
1.全く妥当
でない 無回答 平均
得点 SD
I C T 活 用 指 導
19 教員の情報化研修受講 11.1(1) 55.6(5) 11.1(1) 11.1(1) 11.1(1) 3.8 0.9 20 1週間に障害生徒が情報室等を使用する時間 44.4(4) 11.1(1) 22.2(2) 11.1(1) 11.1(1) 3.6 1.5 21 1週間に教員がコンピュータを
使って授業する時間 44.4(4) 22.2(2) 11.1(1) 11.1(1) 11.1(1) 4.0 1.4 22 ICTを活用する教育の計画立案 22.2(2) 22.2(2) 33.3(3) 11.1(1) 11.1(1) 3.5 1.3 23 保護者の情報化研修 11.1(1) 22.2(2) 22.2(2) 33.3(3) 11.1(1) 2.1 1.1 24 障害生徒に対するAT活用計画の立案 22.2(2) 33.3(3) 22.2(2) 11.1(1) 11.1(1) 3.6 1.3 25 教員1人当たりの教授ー学習資料掲示件数 11.1(1) 44.4(4) 22.2(2) 11.1(1) 11.1(1) 3.6 0.9 26 情報モラルに関する指導 22.2(2) 33.3(3) 11.1(1) 11.1(1) 22.2(2) 3.2 1.6 27 IEPへのICT活用関連項目の記載 33.3(3) 33.3(3) 22.2(2) 11.1(1) 2.9 1.0 28 多機関との連携
(保護者,医療などとの情報交換・共有) 44.4(4) 22.2(2) 11.1(1) 22.2(2) 2.7 1.1
網 羅 性
29 インフラの整備領域の網羅性 網羅している 網羅していない
77.7(7) 11.1(1)
30 ICT活用指導領域の網羅性 77.7(7) 11.1(1)
31 「インフラの整備」の網羅性に関する自由記述 なし
32 「ICT活用指導」の網羅性に関する自由記述 なし
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