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接触点と運動性能

ドキュメント内 錦織, 慎治 (ページ 45-56)

第 3 章 脚式ローバの形状

3.1 ローバの形状と転倒

3.2.4 移動性能の評価指標

3.2.4.4 接触点と運動性能

3.2.4.2節および3.2.4.3節において定義した評価指標を用いて,6脚式ローバと8脚式ローバの歩

行性能を解析した結果を Fig.3.18~3.23 に示す.図中,一点鎖線は各脚の接触可能領域を表し,そ れぞれの図で白い部分ほど当該指標の数値が高いことを表している.なお,いずれも天体表面は水 平面(0系)である(式(3-11)においてGv0v

w2

の場合).図中(a)と(b)は平面的な可操作性( ,

),(c)と(d)は空間的な可操作性( , ),(e)と(f)は関節にかかる負担(

1

wG

, | 3|

2

wG w1 max |1|, |2|  ,

1 | 2 3|

| |  || )をそれぞれ表している.

-0.1 0 0.1 0.2 0.3 -0.2

-0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

(a) (b)

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

2 4 6 8 10 12 14 x 10-4

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

(c) (d)

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4

(e) (f)

Fig.3.18 Manipulability and load of Leg 1 of the 6-legged rover on the flat plane.

( (a) wG1, (b) wG2, (c) w1, (d) w2, (e) max |

1|, |2|, |3|

, (f) |1||2||3| ).

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2 -0.1

0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

0 0.005 0.01 0.015 0.02 0.025

(a) (b)

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

2 4 6 8 10 12 14 x 10-4

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

(c) (d)

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

0.5 1 1.5 2

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0 y

1 1.5 2 2.5 3 3.5

(e) (f)

Fig.3.19 Manipulability and load of Leg 2 of the 6-legged rover on the flat plane.

( (a) wG1, (b) wG2, (c) w1, (d) w2, (e) max |

1|, |2|, |3|

, (f) |1||2||3| ).

-0.1 0 0.1 0.2 0.3 -0.2

-0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0 0.005 0.01 0.015 0.02 0.025 0.03

(a) (b)

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

2 4 6 8 10 12 14 x 10-4

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

(c) (d)

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0 y

1 1.5 2 2.5 3 3.5

(e) (f)

Fig.3.20 Manipulability and load of Leg 1 of the 8-legged rover on the flat plane.

( (a) wG1, (b) wG2, (c) w1, (d) w2, (e) max |

1|, |2|, |3|

, (f) |1||2||3| ).

-0.1 0 0.1 0.2 0.3 -0.2

-0.1 0 0.1 0.2

0x

0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14

Fig.3.21 wGof Leg 1 of the 6-legged rover (on the flat plane,  = 0, 45, 90 [deg]).

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x 0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

0x

0y

0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25

0x

0y

0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

Fig.3.22 wGof Leg 2 of the 6-legged rover (on the flat plane,  = 0, 45, 90 [deg]).

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x 0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

0x

0y

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

Fig.3.23 wGof Leg 1 of the 8-legged rover (on the flat plane,  = 0, 45, 90 [deg]).

Fig.3.18~3.20について考察する.

.Fig.3.18から,Leg 1(Leg Pattern 1)は平面的可操作性およ び

て考察する.Fig.3.20を見ると先ほどの6脚式ローバのLeg 2の場合の分 布

まず6脚式ローバについて考察する

空間的可操作性がよい接触可能領域と関節負担が少ない接触可能領域がほぼ重なっていることが 見てとれる.このような領域でLeg 1を動かせればエネルギ効率がよいと考えられる.一方,Fig.3.19 を見ると,Leg 2(Leg Pattern 2)はそのような領域が存在しない.Leg 2でwG2の値を最大にするよ うな接触可能領域は胴体に近い位置にあり,このような領域では関節にかか 負担が大きくなって いる.また,接触点を少し動かすだけでも,平面的可操作性や空間的可操作性が大きく変動するこ とになることがわかる.

次に8脚式ローバについ

図と類似した傾向が見てとれる.しかし,平面的可操作性が大きく変動するような領域は接触可

能領域の中でも胴体から離れた位置になっており,このような領域を避ければ6脚式ローバの場合 に比べて高い可操作性を保持しながら脚を動かすことができる.

前述の平面可操作性は天体表面のあらゆる方向に対する総合評価の結果であるが,特定の方向に 押し出すように動くことで達成 さ

対する可操作性を見るためにFig.3.21~3.23について考察する.

並進歩行は,3脚(あるいは4脚)が同期して胴体を進行方向に

れる.よって,胴体の操作性には脚の操作性がそのまま反映されることになり,特に操作性の悪 い脚の操作性が胴体の操作性を制限する.すなわち,Leg i(i = 1 ~ 4)の可操作性を表す指標をLegiwG, 胴体中心の可操作性を表す指標をBwGと表すことにすると,式(3-50)からそれぞれ計算される

Legi

wGを用いて

Leg

B min i

G G

i

ww (3-44)

と表すことができる.よって,各脚でLegiwGの値がなるべく大きくなるような脚先軌道をとるよう 大き

.2.4.5 特異姿勢

脚のヤコビ行列Jについて となるような姿勢のとき,脚の自由度の縮退が起こる.この ばれる.

多関節型配置 の

① 脚が伸びきった姿勢(脚先が可到達領域の外縁にある姿勢).

る姿勢).

にすれば,特定の方向に対する操作性を くすることができる.これをもとにして効率的な脚先 の軌道を決定することができるが,6脚式ローバでは,進行方向がどうであれ,Leg 1(Leg Pattern 1)

が動いていくときに,どのような方向の軌道を選んでも比較的短い距離で急激に操作性が悪くなっ てしまう.また,Leg 2(Leg Pattern 2)は = 0°の方向(0x軸と平行な方向)には動かしにくく,こ れによりローバ(の胴体)そのものも0x軸と平行な方向には動かしにくくなる.一方,8脚式ロー バはすべての支持脚が同様の可操作性分布を示すはずであるから,一般的な並進歩行形態である = 45°の方向への移動の場合,接触点を進行方向に対して左右対称にとれば,胴体の可操作性が大きく 損なわれることは少なくなる.

3

detJ 0

ような姿勢は「特異姿勢」と呼 また,特異姿勢をとるときの脚先座標を「特異点」と呼ぶ.

特異点は自由度の縮退をもたらすが,特異点近傍を脚先が通過する場合にも,特異点で縮退する自 由度の方向と平行に脚先を動かそうとすると,関節に対して高速運動が要求されるため,運用にあ たってはこのような特異点からできるだけ離れた場所で脚先を動かすべきである.

特異点の種類は関節の配置の仕方で変化するが,3 次元等方ローバに適用した垂直 場合,次のような3種類の特異姿勢が存在する.

② 脚が完全に折りたたまれた姿勢(脚先が可到達領域の内縁にあ ③ 肩特異姿勢(Fig.3.24を参照のこと)

  1, 2, 3

任意 任意,, 0

の状態,②は

  1, 2, 3

任意 任意,, 

の状態である.こ が姿勢支持状態にある場合 い姿勢なので,ここでは考慮し

れらは脚 には通常とらな ないことにする.

支持脚に大きな影響を与えるのが③で,これはそのままローバの歩行性能に影響を及ぼす.③は,

1関節の回転軸の延長線上に脚先がある姿勢である.この姿勢では第2・第3関節の回転軸方向 の自由度が縮退し,例えばFig.3.24 では紙面に垂直な方向の自由度が縮退することになる.以降,

このときの特異点を「肩特異点」とよぶことにする.

肩特異点の座標を表すと,6脚式ローバでは

 

 

 

 

 

 

 

1 1

1 1

1

1 1 1

1

1 1

1 1

, 0, tan for Leg 1

0, , tan for Leg 2

, 0, tan for Leg 3

, ,

0, , tan for Leg 4

0, , tan for Leg 5

0, , tan for Leg 6

B B

T T

B B

T T

B Bi

T T

B B B

B Bi

T T

B B

T T

B B

T T

x x

y y

x x

x y z

y y

y y

y y

 

 



 



 



であり,8脚式ローバでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 1

1 1

1 1

1 1 1

1 1

1 1

1 1

1

, 0, tan for Leg 1

0, , tan for Leg 2

, 0, tan for Leg 3

0, , tan for Leg 4

, ,

, 0, tan for Leg 5

0, , tan for Leg 6

, 0, tan for Leg 7

0, , tan for Leg 8

B B

T T

B B

T T

B Bi

T T

B Bi

T T

B B B

B B

T T

B B

T T

B B

T T

B Bi

T T

x x

y y

x x

y y

x y z

x x

y y

x x

y y

 

 





 









である.よって,6脚式ローバがFig.3.3のような姿勢で移動対象面に接触しているとき,  0 で

あるLeg 1とLeg 3(Leg Pattern 1)は肩特異姿勢をとることがない.一方,6脚式ローバのLeg 2と

Leg 4(Leg Pattern 2)は肩特異姿勢をとる可能性があり,この姿勢をとる特異点が胴体に近い位置 に存在する.すなわち,接触可能領域の内部に入り込みやすい.接触可能領域の中心と移動対象面 における肩特異点との距離d(h/ tan(R1) cos)の接触可能領域半径に対する割合( ) を具体的に計算すると,6脚式ローバのPattern 2では43 %(d = 0.079 [m]),8脚式ローバでは74 %

(d = 0.130 [m])となっており,6脚式ローバにおいて特異点が接触可能領域の中心にかなり近い位 置に存在していることがわかる.そのため,Fig.3.19を見ると,Fig.3.20の8脚式ローバの場合と比 べても,6脚式ローバのLeg 2(Leg Pattern 2)では肩特異点の影響で評価指標(特に操作性に関す る ,w )の急激な数値変化が顕著に表れているのがわかる.このことは,並進歩行中に脚(ま たは胴体)の操作性が激しく変化することを示しており,運用上好ましくない.

/ G d r

1

wG G2

Fig.3.24 Singular configuration about the shoulder.

Center of the reachable

singular point on the terrain surface workspace on the terrain surface

terrain surface 

d

3.2.4.6 歩行に要するエネルギ

ローバが移動するための駆動力は関節の回転運動である.3.2.4.5節で示した脚の操作性・負担(ト ルク)の両者に関する議論を総合化して直感的に評価するために,歩行の際,胴体を並進させるた めに関節がなすべき仕事量をローバの移動エネルギとして見積もる.

通常,Leg iの並進移動エネルギは,Leg iの第j関節にかかるトルクijと,この関節の角速度ij とを用いて

3 1

final

initial

t i i

i t j

j

W   d



j t (3-45)

という時間積分として定義できる[88].ここで,角速度ijをどうとるかが問題であるが,簡単化のた め時間積分ではなく,角度変位量積分として

, ,

3 3

, ,

1 1 2

i j final i

j initial

n

i i i i

i j j j k

j j k

W d

    j k

 



(3-46)

から算出する.ここで i j k, は,歩行中のある瞬間kにおいて,その1つ前の瞬間からのLeg iの第 j 関節の角度変動量を表している.すべての支持脚について上式を計算し,総和をとったものをロ ーバの移動エネルギとして

4 1

i i

W W

(3-47)

と定義する.

脚先軌道は並進歩行時を想定して,脚にかかる負担が大きな支持脚期の直線軌道(Fig.3.25 を参 照のこと)について調べたものをFig.3.26に示す.ここでは,移動方向による変化を見るために,

接触可能領域の中心を中間点として通過する歩幅 Sの軌道で,Sは脚先が特異点近傍を通らないよ うなものを選んだ.負荷条件は3.2.4.3節に示したものと同じである.なお,Fig.3.27およびFig.3.28 に支持脚の動きのイメージを示す.

0y

t.d.y

t.d.x (traveling direction)



Fig.3.25 Trajectory of the tips of the walking legs (top view).

0x

Projected point of Joint 2 on the terrain Shadow of the rover’s body

Trajectory of the tip of the supporting leg

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1

1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2

Traveling direction  [degree]

W [J] 0 10 20 30 40 50 60 70 80 900

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W1 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W2 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W3 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W4 [J]

(a) 6-legged rover

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2

Traveling direction  [degree]

W [J] 0 10 20 30 40 50 60 70 80 900

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W1 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W2 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W3 [J]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Traveling direction  [degree]

W4 [J]

(b) 8-legged rover

Fig.3.26 Energy consumption for supporting period (S0.08 [m]).

-0.1 0

0.1

-0.050 0.05 0

0.05 0.1 0.15 0.2

0y

0x

0 z

-0.1

0

0.1 -0.050 0.05 0.1 0.15 0

0.05 0.1 0.15 0.2

0y

0x

0 z

(a) Leg 1 (b) Leg 2

Fig.3.27 Transition of Leg 1 and Leg 2 of the 6-legged rover for supporting period (S0.08 [m], 45).

-0.05 0.05 0

0.15 0.1

-0.05 0 0.05 0

0.05 0.1 0.15 0.2

0y

0x

0 z

Fig.3.28 Transition of Leg 1 of the 8-legged rover for supporting period (S0.08 [m], 45).

Fig.3.26のWiについて,Leg 1とLeg 3,およびLeg 2とLeg 4はそれぞれ原点に関して点対称な

軌道を描くので,それぞれの関節仕事量は等しくなる.さらに,8 脚式ローバの場合,すべての支 持脚の取り付け角が等しいので,Leg 1とLeg 2,およびLeg 3とLeg 4で = 45°に関して対称なグ ラフの形になる.

Fig.3.26のWを比較すると,6脚式ローバの方が移動エネルギの方向依存性が大きいことがわか

る.しかし,移動方向に関わらず,必要な移動エネルギは 8 脚式ローバの方が大きい.各脚の Wi

について個別に比較すると,必要な移動エネルギは

6脚式ローバのLeg Pattern 1 < 8脚式ローバの全脚 < 6脚式ローバのLeg Pattern 2

の順に大きくなるが,6脚式ローバではLeg Pattern 1の脚の消費エネルギが非常に小さいため,結 果として全脚を動かすエネルギが 6 脚式ローバの方で有利になっている.Fig.3.18 からわかるよう に,肩特異点が接触可能領域内に存在しない6脚式ローバのLeg Pattern 1は,高い可操作性と関節 への負担軽減が同時に図れるため,エネルギ的に有利になったものと考えられる.

なお,ここでは移動エネルギの方向依存度を見るために,どの方向にも一様に歩幅が確保される ように,接触可能領域の中心を通るような脚軌道を採用したが,3.2.4.4節の解析結果を用いて,平 面的可操作性がなるべくよく,関節にかかる負担が小さくなるような軌道を選ぶことで,それぞれ のローバの移動エネルギは改善される可能性があることに注意されたい.

3.2.4.7 転倒と脚配置

これまでに議論してきた運動学的考察は,ローバの運動性能のごく一部(並進歩行の性能)を示 す局所的な指標にすぎず,転倒や回転への対応も可能という自由度の大きな3次元等方歩行型ロー バの性能をこれらの材料だけで一概に判断することはできない.しかし,幾何学的な考察により転 倒や回転のパターンを比較することで,3 次元等方歩行型ローバとしての性能をある程度大局的に 判断することができる.

歩行ロボットは,重心の移動対象面への投影点が支持脚の接触点がつくる支持多角形の内部にあ

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