① 元の目標
第3節 授業分析の結果と考察
授業分析を行った結果,これまで行われてきたまちづくり学習にはどのような傾向や問 題点が見られるのかを考察する。
(1) 分析視点ごとの結果
それぞれの分析視点における結果を次ぺ一ジ以降に示す。
第皿章第3節
【表皿一3−1】分析視点①の結果 No 年 教科 .__
説
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2
小3 総合O
3
小3 総合i ,O 4
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小3 社会l O 8
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12 小3 社会
I O
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17 小4 社会 l O
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44 小56 社会 O,
45 小56 総合 ,o i
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47 中 社地 ◎ 1 48 中 社地 l l O
49 中 社公 、 ○
50 中 社公
l O
2
分析視点①
習得させる知識の質や学習内容の規定性が明確にな っていない記述的知識や,方向目標を示すだけの目標 記述の実践は37事例であった。そのため,活動中心の 学習となっている傾向が見られた。
また,【表皿一3−2】に示した授業のように,説明的 知識や分析的知識を記述している13事例のうち,11 事例が社会科であり,学年が上がるほどその割合は高
くなる傾向が見られた。
(筆者作成)
※ 説明的知識・分析的知識の実践には◎
第皿章第3節
【表皿一3−2】r単元の目標」が分析的知識で記述されている事例 No.38
単元名 高架工事の進む南武線(小6・社会)
授業者 小島康宏
出典 佐藤照雄雌諺rノ』燃轡轍鰹第12巻田教高出版センター、1㈱① 元の目標
分析的知言
市民の生活と南武線のっながりを調べることを通して,川崎市では市民の安全で快適な らしを実現しようと努力していることに気付かせる。
②取り上げるまちづくり
過去 i 現在 i 未来 自地域 i 他地域
問日広い土地を市民のために使っていくためには,どうしていくとよいだろうか。
③市民参画のまちづくりの要素
都市計画型 活性化型 コミュニティ型
行政型 仕i市民の生活の向上と
i安定のために南武線iの立体交差事業を進 5 iめている
しi操車場跡地の利用方 5
1法について協議して
iいる …
§8!iきき
要請型
仕1渋滞と事故を減らす 1iために立体交差化を i望んでいる
⁝:⁝;き
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単独型
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…④子どもの参画の要素
子どもの参画一 ■ 一 9 一 層 ロ ー 一 一 一 一 一 一 一 磨 一 一 曹 幽 一 曹 一 ■ 一 一 一4段階・子鋸嵯を認識した参画
操車場の跡地の利用方法について,市民の願いを基にしたものとして考える 動を行うことにより,未来のまちづくりについて提案を行っている。
⑤参画の資質(合理的意志決定)
i 高架工事を事例として市民の願いをかなえる:ための政治の働きについて学習し,それを基に』:して操車場跡地の利用計画について価値判断・1:未来予測を行っている。
知識習得 価値判断・未来予測 意志決定
考察
分析的知識として目標を記述することで,政治とまちや人々の生活とのつながりをっか ことができている。しかし,他地域における先進的なまちづくりの事例やこれまでのま づくりの経緯が組み込まれていないため,操車場跡地の利用計画についての子どもの考 が希望的観測になる恐れがある。また,市民参画のまちづくりの要素が少ないため,子 もの参画の視点も弱くなっている。(筆者作成)
第皿章第3節
【表皿一3−3】分析視点②の結果
No 年 教科
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小3 総合10: O i
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44 小56 社会
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147 中 社地
IO O O
48 中 社地
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49 中 社公 : 1 : 8
50 中 社公
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16 葡i⑳ 43 9 2 分析視点②
現在のまちづくりを取り上げている実践は 45事例であった。しかし,【表皿一3−4】に示 した授業のように,過去・現在・未来のすべて を取り上げている実践は3事例だけであった。
また,43事例で自地域を取り上げているが,【表 皿一3−5】に示した授業のように,他地域も合 わせて取り上げている実践は5事例だけであっ た。そして,過去・現在・未来・自地域・他地 域のまちづくりのすべて取り上げている実践は
なかった。
そのため,まちを総合的・批判的にとらえる ことができず,社会認識が十分に図られていな かった。また,現在のまちやこれからのまちづ くりのあり方について意志決定をさせても,子 どもの経験を基にした常識的・道徳的な考えに
とどまっていた。(筆者作成)
※ 過去・現在・未来共に組み込んでいる,自地域・他 地域共に組み込んでいる実践には◎
第皿章第3節
【表皿一3−4】過去・現在・未来のまちづくりを組み込んでいる事例
No.3 単元名 ぼくら西尾の町博士(小3・総合)
授業者
(不明) 出典 寺本潔・愛知県西尾小学校r総合学習・町づくり大作戦』明治図書2000① 元の目標
方向目標
地域の人たちの思いや願い,
をもち,
暮らしの様子を自分たちの手で探ることにより,地域に関 切に思う気持ちをもっことができるようにする。
②取り上げるまちづくり
過去 i 現在 i 未来 地tg i 他地域
問目昔からの伝統的なものや現在あるまちの特徴を生かしながら,これからの西尾のまちづくりを進めて いくにはどうしていくとよいか。
③市民参画のまちづくりの要素
都市計画型 活性化型 コミュニティ型
行政型 i
3︻ !3要請型
1⁝ :5
i8
単独型 仕i昔から残るものを大
… 切にしながら,住宅 1や商店街を形成して1いる
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協働型
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ビジネス型 i i 1
④子どもの参画の要素
子どもの参画
子どもたちが調べたことを地域に人々に発表する場面が設定されているが,れからのまちをどうしていきたいかという視点がないため,子どもの参画の も弱くなっている。
2段階・お飾り参画
⑤参画の資質(合理的意志決定)
: 昔と今のまちの様子を調べ,それを基にして::将来のまちはどうなるのかを予想させている。
しかし,組み込まれているまちづくりの要素が
少ないため,「〜がほしい」といった希望を出す,:だけにとどまっている。
知識習得 価値判断・未来予測 意志決定
考察
過去・現在のまちの様子を基に未来のまちがどうなっていくのかを未来予測させる学習 なっている。しかし,まちづくりの要素がほとんど組み込まれていないために,子ども 意志決定も単なる想像に終わってしまっている。(筆者作成)
第皿章第3節
【表皿一3−5】自地域・他地域のまちづくりを組み込んでいる事例 No,21
単元名 静岡県のまちづくり探検(小4・総合)
授業者 森竹高裕
出典 rTOSSまちづくり教育サイト」① 元の目標
方向目標
まち探検を通してまちの理解を深め,未来のまちをどうしたいかという願いを考え,提 案する。
②取り上げるまちづくり
過去 i 現在 i 未来 自地域 i 也地士9
問日将来のまちがどうなってほしいかを,他地域のまちづくりと比較したり参考にしたりして考える。
③市民参画のまちづくりの要素
都市計画型 活性化型 コミュニティ型
行政型 しi県内ではみんなが住
iみよいまちを目指す1ために合併を計画し:iている所がある
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要請型
監F⁝︸8 :1県内ではサッカーが 1卜i盛んなまちとしてア:ピールしているまち 3 iがある
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i利用できるコミュニアィ!道路の整備が進んでいる
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単独型
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:1:⁝1優しいバリアフリーの施 1 :設づくりを進めている
協働型
1:li8 :⁝旨:8i 里匡蹴灘薦会 1ドとしたまちづくりを進 l lめているビジネス型
⁝1
…
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④子どもの参画の要素
子どもの参画騨
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調べたことを基にこれからのまちづくりへの提案を,市役所の人を招いて行 ている。また,市役所の人とともにワークショップ形式でまちづくりに関す 活動を行い,子どもをまちづくりに参画させていこうとする視点が見られる。
5段階・意見提供のある参画
⑤参画の資質(合理的意志決定)
i これからのまちはどうなってほしいかといった価値判 断・未来予測を行い,それに関わる知識を探検によって習 得している・そのため・自分の問題意識に合った知識習得 価値判断・未来予測 意志決定
知識習得
考察
グループごとによる追究であるため,習得されるまちづくりの要素には質の差が出てい。それぞれが追究したまちづくりの要素を集約する場面が必要であった。しかし,他地 における先進的なまちづくりや,市民参画の要素が十分に組み込まれていて,参画の資 形成が保障されている。
(筆者作成)