第 4 章 タイヤ表面温度を考慮したタイヤモデルの構築 91
5.6 拡張 Neo-FIALA モデルの検証
Fig. 5.27 Calculation of longitudinal force Fx, lateral force Fyand SAT Mzunder combined slip with camber angle condition using Neo-FIALA tire model
Table 5.11 Parameters of base model [Tire size: 205/55R16 89V, Inflation pressure:
230kPa, Velocity: 80km/h]
Symbol Unit Value
Cy kN/m3 9.23x104
Cz kN/m3 7.96x104 ϵ 1/kNm 2.18x10−2 Gmy kNm/rad 3.68x10−1 Gmz kNm/rad 1.16x101
Table 5.12 Parameters of base model [Tire size: 205/55R16 89V, Inflation pressure:
230kPa, Velocity: 80km/h]
Symbol Unit Value
Fz:2.2kN Fz:4.0kN Fz:5.7kN
l m 0.0824 0.1164 0.1467
w m 0.1612 0.1612 0.1612
h m 0.3048 0.2971 0.2898
n - 3.509 4.000 5.353
q - 0.073 0.315 0.722
Ky kN 46.03 91.10 140.96
Cγ kN 1.899 5.352 10.724
µs - 1.561 1.609 2.291
µd - 1.016 0.942 0.705
Fig. 5.28 Compare lateral force with base model and measured results
5.29に示す.ベースモデルと計測結果を比較すると,横力に関してはほぼ計測値と同 じ結果が得られている.SATに関しては,スリップ角の大きな領域でモデルと計測結 果の誤差が大きくなる傾向がみられる.これはタイヤ表面温度の影響を少なくするた めに比較的早い速度でスリップ角をつける計測条件にしているために,タイヤの慣性 モーメントの影響で計測器系に発生するトルクがデータに載っていることから生じる 誤差も含まれいるからと考えられる.
次に,本研究の目的である,解析モデルから導き出されたキャンバ角の影響を実験 結果と比較する.図5.30および図5.31が横力に関する計算結果および実験結果を,図 5.32と 図5.33がSATに関する結果である.
この結果を見ると,以下のことがわかる.
Fig. 5.29 Compare SAT with base model and measured results
Fig. 5.30 Compare lateral force with calculation results and measured data [Camber angle:
4deg]
Fig. 5.31 Compare lateral force with calculation results and measured data [Camber angle:
-4deg]
Fig. 5.32 Compare SAT with calculation results and measured data [Camber angle: 4deg]
Fig. 5.33 Compare SAT with calculation results and measured data [Camber angle: -4deg]
1. Neo-FIALA横力モデルについては,キャンバ角が正の領域ではスリップ角
が正の領域で,キャンバ角が負の領域ではスリップ角が負の領域でそれぞれ モデルの一致度が悪くなる
2. 同モデルで低荷重域と高荷重域を比較すると,低荷重域での実験結果との一 致度が高荷重域に比較して悪い
3. Neo-FIALA SATモデルにおいてもNeo-FIALA横力モデルと同様の傾向が見
られる
これらの問題点に関して考察を行うと,次のようなことが考えられる.
低荷重域での実験結果とモデルとの差が大きくなっている原因の一つには,低荷重 域で接地圧分布に偏在がでている可能性が考えられる.特に低荷重域では接地面が台 形から三角形に変化しやすいことから,これによる偏在が起きている可能性が高い.
また,スリップ角の大きな領域では,キャンバ角がつくことによるタイヤ接地面の 変形や接地圧偏在が当初想定していたものより大きくなっていると考えられ,その結 果がモデルと実験結果との不一致を生んでいると考えられる.
以上のことより,モデルの精度を高めるためには,低荷重域での接地圧分布並びに スリップ角が大きくキャンバ角がついた状態での接地圧分布について計測して検証す る必要がある.
実際の車両運動解析を想定すると,旋回外輪での特性が車両運動に大きく寄与して いる.また,車両の動きから考えるとスリップ角が正の領域ではキャンバ角が正にな る状況が多い(3章参照)ため,今回得られた結果で高荷重域に於けるキャンバ角変化 に伴う横力変化の影響が異なる点について,接地圧分布の偏在がどのようになってい るかを検証する必要があると思われる.