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その他の拘束条件とタイヤモデルとの関係

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第 3 章 実車実験結果を用いた横力タイヤ特性モデルの構築 61

3.4 計測したデータに基づく Magic Formula 横力タイヤモデルの構築

3.4.3 その他の拘束条件とタイヤモデルとの関係

今回モデルの同定に使っている実験データは,実路走行時の車両で計測しているこ とから,スリップ角やキャンバ角の絶対的な0点とそのときの横力の値が計測器の誤 差の影響で正確に決められない可能性が高い.このような状況においてタイヤ横力モ デルを考えると,以下の仮定を拘束条件として用いる.

-20 -10 0 10 20 -3

-2 -1 0 1 2 3

Slip Angle(deg)

Fz=3(kN) Fz=6(kN) Fz=9(kN)

L a te ra l F o rce (kN )

Fig. 3.12 The identified results with constraint conditions of Eqs. (3.10) and (3.11) (γ = 0[deg])

a17= 0 where γ =0 (3.12)

Sh =Sv =0 where γ =0 (3.13)

この条件は,キャンバ角が0[deg]の時に横力が0[N]となり,かつキャンバ角が0[deg]

の時にはモデルが原点対称となる事を意味している.この拘束条件を加えた同定結果 を図3.13に示す.

この図を見ると,モデルの形状は横力タイヤモデルの一般的な特性を満足している ものの,モデルの最大横力/上下荷重値(µmax)が乾燥路面上の実験値に比べてかなり 低くなっている.

これは,図3.14に示すように横力の最大値がキャンバ角の影響を大きく受けている ためである.この点に関しては後ほど考察する.

この同定結果に対してキャンバ角の影響を修正するため,ShおよびSvに関する拘束 条件を,室内試験機で過去に得られた実験データをもとに類推して加えることとする.

|Sh/γ|=0.1(deg) (3.14)

-20 -10 0 10 20 -4

-3 -2 -1 0 1 2 3 4

Slip Angle(deg)

L a te ra l F o rce (kN )

Fz=3(kN) Fz=6(kN) Fz=9(kN)

Fig. 3.13 The identified results with constraint conditions of Eqs. (3.10), (3.11), (3.12), and (3.13) (γ =0[deg])

-20 -10 0 10 20

-5 0 5

Slip Angle(deg) L a te ra l F o rce (kN )

γ=-4(deg)γ

= 0(deg) γ= 4(deg) Fz = 7 [kN]

2.5

-2.5

Fig. 3.14 The identified results with constraint conditions of Eqs. (3.10), (3.11), (3.12), and (3.13) (Fz= 7[kN])

|Sv/γ|<25Fz(N·deg) (3.15) さらに,キャンバ角が0[deg]の時に“Peak factor”と呼ばれる大文字パラメータDが 最大値をとるように,以下の条件を加える.

a15 >0 (3.16)

これらの拘束条件式(3.10)〜(3.16)をすべて加えた同定結果を図3.15と図3.16に示す.

-20 -10 0 10 20

-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8

Slip Angle(deg) L a te ra l F o rce (kN )

Fz=3(kN)Fz=6(kN)

Fz=9(kN) γ = 0 [deg]

Fig. 3.15 The identified results with all constraint conditions (γ= 0[deg])

また,計測点と計測時のタイヤへの入力条件を今回求めたモデルに当てはめたとき の出力結果(横力)の比較結果も図3.17に示す.

図3.15と図3.16を図3.13と図3.14で比較すると,µmaxが乾燥路面相当の路面摩擦 係数に近い値となっており,かつキャンバ角の変化によるモデルの変化も室内試験で 通常得られる結果とさほど差がないことから,求めた結果は妥当なものと推測される.

さらに,図3.17でわかるように,計測点と計算結果との誤差も小さく,モデルの精度 の通常のシミュレーションでは問題ない大きさとなっていることがわかる.

これらの結果から,実路走行時の車両で計測したデータからMagic Formula横力タ イヤモデルの係数を求めるという目的は,得られたモデルの形状や計測点とモデル出 力の誤差の値などから達成できたと考えられる.

-20 -10 0 10 20 -6

-4 -2 0 2 4 6

Slip Angle(deg)

γ=-4(deg) γ= 0(deg) γ= 4(deg) Fz = 7 [kN]

L a te ra l F o rce (kN )

Fig. 3.16 The identified results with all constraint conditions (Fz=7[kN])

-20 -10 0 10 20

-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8

Slip Angle(deg)

L a te ra l F o rce (kN )

Error = 227.8849 Sigma = 211.3483

Measured Data Identified Data

Fig. 3.17 The comparison between the measured data and the identified results

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