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「国からの指示はなかった。」と説明

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

① 技術委員会で「国からの指示はなかった。」と説明することについて、ど の範囲に確認したのか。また、役員のどこまで了解を得ていたのか。

●東京電力HD調査

●東京電力HD調査結果

「国からの指示」については、福島事故検証課題別ディスカッション課題4(メルトダウン等の情 報発信の在り方)第2回2、第6回3で資料を配付した上で説明を行った:

 東電事故調査報告書、政府事故調査報告書、国会事故調査報告書の内容を確認した上で、事故 当時の広報関係者10数名へ聞き取りを実施した。国から指示があったという「うわさ」を聞い た者はいたが、根拠や時期がはっきりせず、国からの指示があったという事実は確認できなか ったと判断した。福島事故検証課題別ディスカッション課題4(メルトダウン等の情報発信の 在り方)第2回で提出した資料『メルトダウンの公表に至る経緯について』については、原子 力・立地本部長が了解していた。

 福島事故検証課題別ディスカッション課題4(メルトダウン等の情報発信の在り方)第6回で 提出した資料『平成27年度第2回技術委員会 資料No.1-6『メルトダウンの公表』に対する回 答』については、国(官邸、経済産業省または原子力安全・保安院)からの指示を受ける可能 性があった清水社長、小森常務に確認した。本確認については、原子力・立地本部長が了解し ていた。

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

② 武藤副社長及び耳打ちしている社員に対して、これまでにメルトダウン の公表に関するヒアリング調査を行っていたのか。「国からの指示はな かった」と説明することについて、確認したのか。

●東京電力HD調査

●東京電力HD調査結果

これまでの新潟県技術委員会対応では、武藤副社長や、武藤副社長に耳打ちした広報担当社員に対 して、メルトダウンの公表に関する聞き取り調査を行っていない。

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

③ 技術委員会で「国からの指示はなかった。」と説明していることを、社内 のどの範囲で共有されているのか。

●東京電力HD調査

●アンケート調査

(問12)

●東京電力HD調査結果

新潟県技術委員会や福島事故検証課題別ディスカッションに対する、東京電力社内の事務局(原子 力設備管理部安全調査グループ)は、新潟県技術委員会や福島事故検証課題別ディスカッションの 開催後に、社内関係者(原子力・立地本部長、柏崎刈羽原子力発電所長、原子力設備管理部長、原子 力運営管理部長、立地地域部長、渉外・広報ユニット ソーシャル・コミュニケーション室室長、各 福島事故検証課題別ディスカッションの回答作成に携わった社員など、50~60名)へ議論状況に関 するメモをメールで共有していた。

●アンケート調査結果4(問12)

東京電力 HD が新潟県技術委員会に対して、「炉心溶融(メルトダウン)」という言葉を使用しない ことについて、「国からの指示や社内での指示があったという事実は確認できなかった」と回答して

2 配付資料は以下URLに掲載<http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356848080085.html>

3 配付資料は以下URLに掲載<http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356848081972.html>

4 アンケート調査結果の詳細については、添付4を参照

添付3-10

いたことを知っていた者は、現在、東京電力 HD 原子力部門等に所属している社員4074 名中 588 名(14.4%)であった。

新潟県技術委員会は本社中心で対応していたため、本社での認知度は各発電所などでの認知度と比 較して高かった。

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

④ 技術委員会の「国からの指示はなかったのか」という質問に対する調査 について、調査内容、範囲を誰が判断し行っていたのか。

●東京電力HD調査

●東京電力HD調査結果

福島事故検証課題別ディスカッション課題4(メルトダウン等の情報発信の在り方)の責任部署(渉 外・広報ユニット ソーシャル・コミュニケーション室)が調査内容、範囲を判断していた。

なお、新潟県技術委員会 福島事故検証課題別ディスカッションに対する業務の流れについては図

2.を、東京電力の体制については表1.と表2.を参照。

図2. 「福島事故検証課題別ディスカッション」に対する業務の流れ

表1. 「新潟県技術委員会」に対する東京電力の体制

内容 責任部署(説明/資料作成) 事務局(新潟県との調整等)

福島第一事故検証結果の確認/まとめ

柏崎刈羽の安全対策

原子力設備管理部 原子力運営管理部

原子力設備管理部 安全調査グループ

新潟県技術委員会は、平成2510月から「福島事故検証課題別ディスカッション」を開催

東京電力は、これまでに取りまとめた事故調査報告書にとどまらず、質問に応じた再調査・追加 調査も行ったうえで、これまで約600問の検証質問に回答

東電の事故検証結果を説明

担当委員及び新潟県事務局 の質問・意見

会合での東電回答

東電事務局から責任部署へ 質問事項に対する回答作成を依頼

責任部署で質問事項に対する 再調査・追加調査

責任部署で質問事項に対する 回答作成

東電事務局・責任部署で 回答の内容確認 事故検証を踏まえた課題の抽出

※再調査・追加調査の例

各種事故調の調査・

確認

聞き取り及び記録類に よる調査・事実認定

マニュアル類の調査・

確認

設備図書の調査・確認

新たな解析の実施

海外運用調査

添付3-11

表2. 「福島事故検証課題別ディスカッション」に対する東京電力の体制

内容 責任部署(説明/資料作成) 事務局(新潟県との調整等)

1.地震動による重要機器の影響 原子力設備管理部

原子力設備管理部 安全調査グループ 2.海水注入等の重大事故の意思決定 原子力運営管理部

3.東京電力の事故対応マネジメント 原子力運営管理部 4.メルトダウン等の情報発信の在り方 渉外・広報ユニット

ソーシャル・コミュニケーション室

5.高線量下の作業 原子力運営管理部

6.シビアアクシデント対策 原子力設備管理部

【参考】東京電力ホールディングス 主な組織図(平成29年4月時点)

※ 渉外・広報ユニットと原子力改革ユニットを兼ねる 持株会社

東京電力ホールディングス

燃料・火力発電事業会社 東京電力フュエル&パワー

一般送配電事業会社 東京電力パワーグリッド

小売電気事業会社 東京電力エナジーパートナー 原子力・立地本部

新潟本部

原子力改革ユニット 福島本部

渉外・広報ユニット

福島第一廃炉推進カンパニー 福島第二原子力発電所 柏崎刈羽原子力発電所

福島第一原子力発電所 東通原子力発電所

青森事務所

ソーシャル・コミュニケーション室 原子力安全・統括部 立地地域部

原子力運営管理部 原子力設備管理部 原子燃料サイクル部 原子力人材育成センター 原子力資材調達センター

添付3-12

Ⅱ メルトダウンの定義について

1 原子力災害対策マニュアル

(1)

事故当時に原災法に基づく対応は適切に行われていたのか。

原災法に基づいて通報などの対応を行っていれば、原子力災害対策マニュアルは当然参照すべき ものであり、定義に気がつかないことはありえない。15条事象が通報されていないことは原災法 に違反しているのではないか。

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

① 通報を担当していた班は原子力災害対策マニュアルに基づき対応した のか。

●第三者検証委員会 検証結果報告書P18

本件事故に関する通報・報告は、発電班からの情報を技術班でチェックし、その上で情報班で書面化

(判断の容易な事象については、技術班でのチェックを経ないで情報班が直接に書面化)し、発電所 長の了解を経て、通報班による通報が行われた。書面化するに際しては、15条該当の有無の判断を するためには、当然のことながら、原災マニュアルの記載を確認しなければならなかったはずであ る。

確かに、敷地境界の放射線量の異常上昇の該当の有無の判断などは、原災マニュアルの記載を確認 するまでもないが、原子炉の状況についての判断は、原災マニュアルの記載に照らして検討しなけ れば判断できない事項であるから、通報等の中心的役割を果たした要員の全員が原災マニュアルの 記載を参照していたとまでは断定できないが、同人らの判断は、原災マニュアルに拠ったものと判 断し得る。

●第三者検証委員会 検証結果報告書P33

当第三者検証委員会は、本件事故当時に福島第一原発に勤務していた緊急時対策班の要員らから徹 底したヒアリングを行った。通報等の中心的役割を果たした要員らの中には、原災マニュアルを見 ていなかった旨述べる者もいるが、他方において、原災マニュアルを参照する必要がある要員は、正 確な報告を適切に行うために、原災マニュアルに則って通報業務を行っていたとの趣旨の説明をし ている者もいる。

●第三者検証委員会 検証結果報告書P34

上記会話がなされている事実は、本件事故時に、福島第一原発の緊急時対策班の要員が、同マニュア ルの内容を確認していたことを示す事実に他ならない。

●第三者検証委員会 検証結果報告書P35

当第三者検証委員会としては、本件事故後、福島第一原発の緊急時対策班の要員らが、同マニュアル を確認しながら、通報等の業務に当たっていたものと認定した。

技術委員会が第三者検証委員会に検証を要請した事項 調査方法

② 通報を担当していた班の事故当時の活動状況はどのようになっていた のか。

③ 通報文は誰がどのような手順で作成し、どのように通報していたのか。

通報の体制はどのようになっていたのか。

●第三者検証委員会 検証結果報告書P18

本件事故に関する通報・報告は、発電班からの情報を技術班でチェックし、その上で情報班で書面化

(判断の容易な事象については、技術班でのチェックを経ないで情報班が直接に書面化)し、発電所 長の了解を経て、通報班による通報が行われた。(中略)本来通報文の作成担当は情報班のはずであ ったが、技術的チェックが必要な事案では、技術班で資料が作成されることもあったため、通報文作 成の責任者が誰となるのか、福島第一原発の内部処理にやや混乱が生じていた可能性も否定できな い。