第 1 章 序論
6.4 情報通信産業界が主導する「ネットワーク型産業知」構成法 .1 情報通信産業界の特徴と新しい可能性
6.4.4 情報通信産業界の「母体産業界化」の提案
図6.10「産業知」と「産業知」 の連結・統合
信産業界企業とユーザ企業の関係は,これまでの「単なる繋ぐ」という役割関係を超えて,
ユーザ企業の課題を共有し解決策を協創する関係へと進化させることが出来る.
②「個人知」,「組織知」,及び「ネットワーク型社会知」の連結・統合において,複数個 人システムai、複数企業システムbj,及び社会システムcの「知の連結・統合のネットワー ク基本モデル」の適用では,「価値あるモノxi」=「個人知ai」,「価値あるモノyj」=「企業 組織知bj」,「価値あるモノz」=「ネットワーク型社会知c」と置き換えた.三者は,統合 技術により「新しい価値あるモノFZ,SZ」=「ネットワーク型社会知FC,SC(当該地域社 会における全ての個人及び企業に対し地域ディジタルビジネス活動全体・地域ディジタル社 会活動全体を俯瞰できる環境を与える)」を獲得する.
そこで,特定の企業組織知bn=情報通信産業界組織知bnに対応させて「知の連結・統合 のネットワーク基本モデル」を適用する.これにより,情報通信産業界と地域社会の関係は,
これまでの「単なる繋ぐ」という役割関係を超えて,自身の「情報通信産業界組織知bn」と
「ネットワーク型社会知FC,SC」と組み合わせて,情報通信産業界は自らをビジネス連携 の中核に位置付けて,「仮想的に垂直統合・水平統合型産業界」としての情報通信産業界経 営が可能となる.併せて情報通信産業界として当該地域社会を「仮想的に垂直統合・水平統 合型地域社会」としての地域社会経営を支援できる.
③更に,②に「ネットワーク型組織知」を組み合わせて「知の連結・統合のネットワーク 基本モデル」を適用する.幅広い業界分野の知識・技術・経験の豊富で体系的な個人知を持 つにもかかわらず既存のビジネス社会から切り離されたシニア世代を再度仮想的に組織化 させることができる.これにより,情報通信産業界とビジネス世界の関係は,これまでの単 なる繋ぐという役割関係を超えて,情報通信産業界は自らを新しいビジネス世界創造の中核 に位置付けて,「ネットワーク型組織知を共有した一つの巨大な仮想企業を強大な垂直統 合・水平統合型グローバル企業」としての経営を支援できる.
④「産業知」と「産業知」の連結・統合において,「産業分野ei」と「産業分野ej」の「知 の連結・統合のネットワーク基本モデル」の適用では,「価値あるモノxi」=「産業知ei」,
「価値あるモノyi」=「産業知ej」と置き換えた.「産業知ei」 及び「産業知ej」は,連結 技術により,「成長・発展した産業知Ei」及び「成長・発展した産業知Ej」へ変化した.両 者は,統合技術により「新しい価値あるモノZ」=「新産業知Fij(新産業の産業ビジョン,
産業戦略,産業マーケット,新産業構造の各階層を支える「研究開発成果」,及び当該技術 の研究・開発・生産・運用・維持改善のサイクル,知識・技術・経験として共有し中核とな
る人材に関する「人材流動・人材結合」)を獲得した.
ところで,情報通信産業界は,もともと全ての産業界・産業分野を対象にまた全ての産業 界間を対象に,これからの持続的な「価値創造・価値獲得」競争においてビジネス連携の鍵 となる「多段階多階層バリューチェーンEi,Ej,Fij」をネットワーク構成して繋げていく立 場にある.即ち,全ての産業界・産業分野が抱える課題及び産業界・産業分野の全ての組み 合わせが抱える課題を理解できる立場にある.その課題の多くを「多段階多階層バリューチ
ェーンEi,Ej,Fij」の組替えのきめ細かさ,組替えの高速化,組替え時の付加価値化等で迅
速に解決できる可能性がある.即ち,「仮想的に垂直統合・水平統合型グローバル産業界・
産業分野」の実現を支援する役割を持っている.
そこで,産業知ei=情報通信産業界産業知ei,産業知ej=ユーザ業界産業知ejに対応さ せて「知の連結・統合のネットワーク基本モデル」を適用する.これにより,連結技術によ り,産業知ejのエッセンスを取り入れた「成長・発展した情報通信産業界産業知Ei」を獲得 することに加えて,統合技術により,自ら情報通信産業界の強みと当該産業界の強みを兼ね 備えた「新産業知Fij」を獲得することができる.
前項で記述した,情報通信産業界自身が巨大な「設備産業」,「サービス産業」,及び「ソ リューション産業」であることを踏まえて,①~④の新たな可能性を考慮すれば,従前の「情 報通信産業界」に加えて,情報通信産業界自身に「産業知」と「産業知」の連結・統合を適 用して,他の産業界と連結・統合を繰り返して次々に新しい産業分野を生み出していく「母 体産業界」に生まれ変わり,産業界連結型・産業界統合型「新産業分野創造社会システム産 業」に取り組みことが可能となる.
図6.11に,情報通信産業界が主導する「新産業分野創造」を示す.
図6.11 情報通信産業界が主導する「新産業分野創造」