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実践した「組織的知識創造活動」

ドキュメント内 2011年1月 有馬修二 内容梗概 (ページ 50-54)

第 1 章 序論

2.1 緒言

2.2.3 実践した「組織的知識創造活動」

(「場」を共有した四パーティ連携のクリエイティブ・ルーティング・ワーク活動)

「技術的課題と組織的課題」に対して,個人の能力に頼るのではなく「コミュニケーショ ンシステム事業の実践」と「組織知の構築」を同時に目指す「仕組みづくり」を狙うことと した.「組織的知識創造活動」における「場」の共有の発想を取り入れた「コミュニケーシ ョンシステム事業」の実践により「組織の知識・技術・経験の創造・伝達・継承のスパイラ ルが漸進的に上昇する仕組み」を構築した.

次に示す①~⑦の基本的な考え方を採用した.①「クリエイティブ・ルーティング・ワー ク活動」を事業運営の基本に置くこと.②事業活動の中に自律的に新しいことへ「挑戦し続 ける仕組み」を埋め込むこと.③当該製品の取り扱い活動を通じて,ビジネス全体の機能分 野(契約,調達,販売,設計,構築,保守,運用,・・・)を「俯瞰・経験」できること.

④「部品レベルから,システム,及びソリューション」までカバーすること.⑤ネットワー クのレイヤーを「レイヤー1からレイヤー7」までカバーすること.⑥「ハードウェアからソ フトウェア」までカバーすること.⑦取り扱う個々の商品を仮想的に組み合わせると,組織 全体では,システム及びネットワークを構成する全ての階層「コア部品・材料レベル」,「コ アシステムレベル」,及び「コアソリューションレベル」をカバーし,最先端コア技術に基 づく「システム及びネットワークのアーキテクチャ」全体を「俯瞰・経験」できること.即 ち,日常的な事業運営が,組織全体では「最先端技術に基づくシステム商品を発掘するクリ エイティブな環境」を維持することにつながるようにビジネス面及び技術面の両面から配慮 した.

最も力を入れて継続的に取り組んできたことは,「場」を共有した四つのパーティ連携の クリエイティブ・ルーティング・ワーク活動である.これは,各パーティが獲得する技術情 報・マーケティング情報・営業情報・課題情報を効果的に共有・討論する「場」をつくり,

連携して「知識創造型グローバル企業へのソリューション」を提供する活動である.四つの パーティである「主に海外の研究・開発・製造企業」,「主に日本のエンドユーザー企業」,「日 本の販売パートナーとしてのシステムインテグレータ企業」,「そして我々自身の組織が海外

ベンダーの総合一次販売代理店の立場で,各パーティをテクノロジ・インテグレータ」とし て有機的に結ぶ手法として,公開テクニカルセミナー(四つのパーティが随時参加する), 出張セミナー,小規模ハンズオンセミナー,有料トレーニングコース,販売パートナー企業 個別ミーティング(営業及び技術),開発ベンダー企業との個別ミーティング(営業及び技 術)等の積極活用よる「クリエイティブ・ルーティング・ワーク活動」体制を確立した.

そしてこれらの活動を技術革新の進展,ビジネス革新の進展にあわせて,新たな工夫を取 り入れつつ,繰り返し継続的に実行した.特に,「知識創造型グローバル企業のためのコミ ュニケーションシステム事業」として,「知識創造の場づくり」を情報共有・知識共有を促 進する各種システム,即ち,ネットワークコラボレーションツールも取扱商品として組み入 れたコミュニケーションシステム事業に取り組んだ.具体的には,「多地点音声会議システ ム」,「映像とデータが同時に共有できる多地点IPテレビ会議システム」,「Web会議システム」, 及び「音声&映像&メール&Web等を同時に取り扱うマルチチャンネル・コンタクトセンタ ーシステム」等を意識して商品化し,知識創造空間の充実をコミュニケーション技術面・ビ ジネス面の両面から取り組んだ.これは,コラボレーションツールとしてコミュニケーショ ンシステムを活用した「知識創造の場の共有によるクリエイティブ・ルーティング・ワーク 活動」に分類できるものであった[11].即ち,実践したコミュニケーションシステム事業は,

注力する技術分野として最も激しくイノベーションが生起しつづける個所を組織全体の「ビ ジネスターゲット」として設定した上で,「場」を共有した四パーティ連携の「クリエイテ ィブ・ルーチン・ワーク活動を中核とした組織的知識創造活動」を継続的に実践させるもの であった.

図2.3に,「場」を共有した四パーティ連携の「クリエイティブ・ルーティング・ワーク活 動」を示す.

2.3「場」を共有した四パーティ連携の「クリエイティブ・ルーティング・ワーク活動」

2.2.4 「組織的知識創造活動」の有効性

これまでの議論をまとめると,遭遇した「技術的課題と組織的課題」への対処として,個 人の能力に頼るのではなく「組織知」の構築によって解決を目指した.①「組織知の技術面」

から,最も激しくイノベーションが生起しつづける個所を組織全体の「ビジネスターゲット」

とするため,インターネット本格普及期における「新旧のトラヒック等が円滑に交流するた めの仕組みをコミュニケーションシステム商品」として提供する.②「組織知の運営面」か ら,人材が不連続に流動する「組織」及び知識・技術・経験の組織間伝達問題が生起する「組 織」に対し,「組織の知識・技術・経験を創造・伝達・継承」していく「仕組み」を構築す る.

これらの「技術的課題と組織的課題」に対して,同時に解決策を見出す為に,「組織的知 識創造活動」の「場」の共有の発想から「組織知」の構築を進めた.取り扱う商品として組 み入れたネットワークコラボレーションツールを活用した「コミュニケーションシステム事

業」の実践を通じて知識・技術・経験の創造・伝達・継承のスパイラルが漸進的に上昇する 仕組みを獲得した.

「場」を共有した四パーティが連携して取り組む「クリエイティブ・ルーティング・ワー ク活動」は,想像を超えた厳しい「組織的知識創造空間」となった.あらゆる問題は,サー ビス評価に直結する「技術処理問題」と経営評価に直結する「販売成果問題」のいずれかと して表面化した.これらの問題提起は日常的なルーティング・ワークの中に埋め込まれて他 のパーティのあらゆる階層から寄せられた.この中には,技術的課題として対処出来るもの,

組織的課題として対処出来るものに加えて,次世代の「新しいソリューションや技術開発」

及びその「新しいパートナー」の発掘・商品化等イノベーションの必要性を示唆するものが 含まれた.すなわちクリエイティブな活動に繋がる要素は,必然的に包含される.

この「組織的知識創造活動の仕組み」の中で長期間に渡って継続的に活動を続ければ,「参 加組織」は必然的に知識・技術・経験の創造・伝達・継承のスパイラルを漸進的・発展的に 上昇する仕組みの構成員として活動する.

図2.4に,「コミュニケーションシステム事業」の展開における知識創造スパイラルと事業 発展を示す.

2.4「コミュニケーションシステム事業」の展開における知識創造スパイラルと事業発展

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