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微細組織観察による圧延材の再結晶挙動の検討

第 2 章 Pb-Ca-Sn 合金の機械的性質に及ぼす Ba 添加の影響

4.4 微細組織観察による圧延材の再結晶挙動の検討

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以 上の よ うに 、C21合金 の 533 K 溶体 化 処理 材 に 168 hr の自 然時 効処 理 を施 し た試 料 の TEM 観 察結 果か ら、 結 晶粒 内 に微 細な 析出 物 が均 一 に分 散し て存 在 して いる こと が 分か っ た。また 、553 K 溶体 化処 理材 に 168 hr の 自然 時効 処理 を 施し た 試料 から は 、析 出 物に よる 転位 の ピン 止 め効 果や 自然 時 効処 理 によ り析 出し た と考 えら れる 準 安定 相 また は転 位の 形 成が 観 察さ れた。一 方、C7’合 金の 溶体 化処 理 まま 材で は母 相 格子 と 整合 した 析出 物 が生 成 し、 その 歪に よ るバ タ フラ イ型 のコ ン トラ スト が観 察 され た 。こ れは 析出 初 期の 状 態を 観察 した と 考え ら れる 。

以 上よ り 、C21 合 金は Ba 系 の 微細 な析 出物 が均 一 に分 散 し転 位の 運動 を 妨げ る 典型 的な 分 散強 化 型合 金で あり 、 この 分 散強 化に より 優 れた 機 械的 特性 を示 す こと が明 らか と なっ た 。

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る 。そ こで 、本 項で は 、C21合 金に 圧延 を 加 えた 際の 組 織変 化 を電 子顕 微鏡 に より 詳細 に検 討 した 。

4.4.1 圧 延 試 料

試 料は 、圧延 され た C21合 金を 使 用し た。圧延 は室 温 で行 い、圧 下率 は 0,20,40,60 及 び 90 %と し た 。 ま た 、 機 械 的性 質 に 及 ぼ す 圧 延 の 影響 を 調 べ る た め に 、 試料 に 373 Kで 0〜720 ks の時効 処理 を 施し た 後、 引張 試験 を 行い 、 破断 した 試験 片 のク ロ ス ヘ ッ ド に よ る つ か み 部 と 破 断 部 を 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 (SEM) に よ り 観 察 し た 。 更に 、圧延 材 から 薄膜 試料 を作 製 し 、TEM に より 微細 組 織の 変 化を 詳細 に調 査 した 。

4.4.2 圧 延 に よ る 微 細 組 織 の 変 化

圧 延を 施 すこ と によ り強 度が 低 下す る こと が明 らか と なっ た が、 この 原因 を 調査 する ため に 微細 組 織観 察を 行っ た 。ま ず 、圧 延ま ま材 と 720 ks時 効材 の圧 下 率 0、 40、90 %の引 張試 験 後の 試験 片 表面 を SEMによ り観 察 した 。図 4.14は 、圧 延 まま 材の 引張 試 験片 の クロ スヘ ッド に よる つ かみ 部と 破断 部 の SEM 写真で ある 。 圧下 率 0 %(鋳 造 まま 材) のつ かみ 部 から は 鋳造 組織 が見 ら れ、 破 断部 から は引 張 方向 に変 形し た 鋳造 組 織が 確認 でき る 。圧下 率 40 %では 、つか み部 で は圧 延組 織 、破断 部か らは 一 部に 微 細な 結晶 粒が 観 察さ れ た 。更に 、圧 下 率 90 %に おい て 、つか み部 では 全面 に 微細 な 結晶 粒が 見ら れ 、破 断 部で はつ かみ 部 と比 較 して 、更 に微 細 な結 晶粒 が確 認 され た 。こ れら の微 細 な結 晶 粒に 関し て、 つ かみ 部 にお いて は引 張 変形 によ るひ ず み導 入 がな いこ とか ら 、強 圧 延に よっ て形 成 され た 動的 再結 晶組 織 であ り、 破断 部 では 強 圧延 に引 張変 形 が加 わ った こと によ る 動的 再 結晶 組織 であ る と考 え ら れ る 。つ ま り 、 光 学 顕 微 鏡 観察 で 確 認 さ れ た 繊 維 状の 組 織 ( 図 3.7) は 、 圧 延 組織 では な く、 こ れら の微 細な 動 的再 結 晶粒 であ ると 考 えら れ る。

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図 4.14 圧延 まま 材 の SEM観 察 写真

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次 に、 図 4.15 に373 K, 720 ks の時 効処 理を 施し た 試験 片 の SEM写真 を 示す 。 図 4.15よ り 、圧下 率 0 %(鋳 造 材 )で は圧 延ま ま材 と 同様 に 、つ かみ 部か ら は鋳 造 組織 、破 断 部で は 引張 方向 に変 形 した 鋳 造組 織が 確認 さ れ、 時 効処 理を 施し た こと によ る組 織 の変 化 は観 察さ れな か った 。圧 下 率 40 %では、つか み 部か らは 圧 延組 織 が見 られ 、 一部 に それ とは 異な る 結晶 粒 が形 成さ れて い るの が 確認 でき 、破 断 部か らも 同様 な 結晶 粒 が観 察さ れた 。圧 下 率 90 %では、つ か み部 か ら は粗 大化 し た結 晶 粒が 見ら れ 、破 断 部で はつ かみ 部 と比 較 して 微細 な結 晶 粒が 確 認さ れた 。こ れ らの 結晶 粒は 、 つか み 部で は圧 延に よ って 形 成さ れた 動的 再 結晶 組 織が 時効 処理 に より 結晶 粒成 長 を起 こ し、 更に 圧延 組 織の 静 的再 結晶 も引 き 起こ し てい るも のと 考 えら れる 。ま た 、破 断 部で は、 つか み 部で 見 られ た再 結晶 組 織に 引 張変 形が 加え ら れた ため 結晶 粒 が微 細 にな った 動的 再 結晶 組 織で ある と推 定 でき る 。以 上の よう に 、高 い圧 下率 で 圧延 を 行う こと によ り 動的 再 結晶 組織 が形 成 され る こと が明 らか と なり 、 また 、時 効 処理 を 施す こと によ り 結晶 粒 成長 や圧 延組 織 の静 的 再結 晶も 引き 起 こし て強 度が 低 下す る と考 えら れる 。

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図 4.15 圧延+時 効処 理材 の SEM観察 写真

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この 動的 再 結晶 に つい て、 さら に 詳し く 調査 する ため に TEM によ る微 細組 織 観 察を 行っ た 。図 4.16 は、 圧下 率 0 %(鋳 造ま ま材 )の TEM 写 真で ある 。図 4.16 より 、明 瞭 な結 晶 粒界 が確 認さ れ 、結 晶 粒内 には わず か に析 出 物が 見ら れる が 、転 位は 観察 さ れな か った 。

図4.16 鋳造 まま 材 の TEM 観察 写 真

図4.17 は 、圧下 率 40 %の圧延 まま 材 の TEM 写真 であ る 。図 4.17 よ り、中 央部 に結 晶粒 界 が見 ら れ、 結晶 粒内 に は絡 み 合う 転位 で形 成 され た サブ グレ イン や 孤立 した 転位 が 多数 観 察さ れる。特 に写 真中 の A とB の 領域 で は結 晶 粒界 付近 に 転位 が セル 組織 を 形成 し てい るこ とが 確 認さ れ 、C の領 域で は セル 組 織の 内部 にさ ら に微 細な セル 組 織が 形 成さ れて いる の が観 察 され た。 しか し 、析 出 物は 観察 され な かっ た。

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図4.17 圧下 率 40 %圧延 まま 材 の TEM 観 察写 真

更に 、 図 4.18 に 、圧 下 率 90 %の圧延 ま ま 材 の TEM 写 真 と同 視 野の 制限 視 野回 折像 を示 す 。 図 4.18 の TEM 写真 か ら微 細 な結 晶粒 と 同時 に 、100~200 nm の粗 大な 析出 物 と思 わ れる 像が 観察 さ れる 。 また 、制 限視 野 回折 像 も微 細な 結晶 粒 を示 すリ ング 状 の回 折 像と は別 に、 ス ポッ ト 状の 回折 像が 観 察さ れ る。 この こと か ら、

圧下 率 90 %圧延 まま 材は 動的 再 結晶 と 同時 に 、粗 大な 析 出物 が 生 成す る過 時 効状 態 にあ り、 強 度が 低 下し たと 考え ら れる 。 なお 、結 晶粒 内 から 転 位は 確認 でき な かっ た。

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図4.18 圧下 率 90 %圧延 まま 材 の TEM 観 察写 真

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