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建設不動産業における企 業の持続可能性の検証

ドキュメント内 Relevance between company's  (ページ 158-162)

要約:

本章は、企業の持続可能性を、建設不動産業におけるデータベースを用いて検証する。

(1)概要

 上場するためには監査法人も必要だし、そのためのコンサルも必要である。上場審査料、

目論見書および監査報酬など外部に支払う株式公開コストが最低5,000万円、この他にも 仕事量の増加により従業員を2人から5人ほど増やさなければならない場合が多い。目本 版SOX法の導入により監査法人やコンサルヘの支払いが増えるから、上場準備コストは 少なくとも1億円は掛かるとされる。

 上場維持のためにも、証券取引所や監査法人への支払いなどで、中堅企業でも年間1億 円近くは必要となる。そこまで払って上場する意味があるのだろうか。

 上場のメリット、デメリットは既に多く語られている。今回、筆者が特に加えたいのは、

第1に上場すれば合併や子会社化などの企業再編への対応が容易になることである。普段 から監査も受け、ガバナンスもあるから、いつでも会社は売れる状態にあるという長所で ある。再編にあっても、会社には目々の値段が付いている。だからこそ、悪くとも再編で 生き残れるチャンスが50%はあるということである。

 2番目のメリットは、オーナー株主にとって会社倒産リスクから我が身を守れるという ことである。まさにオーナー財産の倒産隔離である。非上場会社のオーナー社長の場合、

銀行は必ずと言っていいほどオーナーに債務保証を求める。この棘が抜けずに廃業出来な い会社が世間には山ほどある。他方、上場企業では最悪の倒産となっても、個人財産は倒 産しても守り切れる可能性がある(反対に経理などで余計な事をすると、厄介なことにな

る)。

(2)倒産時における株主の保護

 実際はどうなってきたのか、早速、紹介したい。戦後の1949年以来の全ての上場廃止と なった建設会社および不動産会社を調べた。古い記録は会社四季報DVD版に依拠し、デ

一タは直近の決算資料とした。

 1969年までの上場廃止事例を概観しよう(図表2)。この約21年間の上場廃止は14件 と非常に少ない。この頃は、上場とは優良企業の代名詞のような時代だった。さらに、14 件の内訳は倒産5件、合併3件、非上場事例3件、不詳3件である。上場廃止になっても、

企業が実質的に存続する事例は合併3件と非上場3件で合計6件であり、存続会社は倒産 会社よりも多いことに注目したい。

 ここで「倒産」の意味は東京商工リサーチでの定義を採用し、っまり法的な破産、和議 あるいは民事再生、手形交換所における銀行取引停止処分等をいうこととした。

 2000年以降、上場廃止事例は図表1の通り153社である。この期間の上場廃止件数を年 別に要約したのが図表1である。合計欄により、『1996年11月以降の金融ビッグバン導入 以来、上場廃止数が増えていることが分かる。それも2001年4月から2006年9月の小泉 首相就任以降、一段と増えていることが窺える。

 内訳は上場廃止は137件で、うち倒産に至ったのは66件であり、合併が64件、MB O が資料2である。目本土建の1件、非上場化で継続が6件である。つまり、上場廃止にな ったとしても倒産は約半数しかない。環境は最悪と思われる2000年から2008年までで倒 産したのは50社で、年平均6.25社である。これは多いのか、少ないのか。現在、上場し ている建設会社は160社以上、またリートを除く不動産会社は70社以上あり、これらは他 が淘汰された後の生存企業である。従って年間6.25社は増えようがないし、そもそも仮に 6.25社としても36.8社につき年間1社が犠牲となるという構図で、非上場会社を見回して 比較しても格段に長寿であると思われる。

通常考えられる企業上場の様々なメリットに加え、①土壇場になっても上場企業は企業 再編に対応可能、②オーナーには個人財産の倒産隔離という2大長所があるから、年間維 持費の1億円は経済的と言えよう。

図表9.1 上場廃止の要約

 識    N

撫灘 N 倒産 諜鑓揚 灘蛮3@

}  ,

欝i猟 懸諜

1970

1

1987

1

1991

1

1992

1

1994

1

1995

1

1996 1

1997

5 5

1998

2 1 3

1999

2 1 1 4

翻轍 莚9

2000

1 1 2

2001

2 3 5

2002 11

8

垂9

2003

5

10 垂5

2004

5 4 9

2005

3 2

10 塗5

2006

6 6

2007

1 1

14 16

2008 22

2 1 2

2累

2009

4

顕聾灘 琶8 蟄8

総謙 66 垂3簗

図表9.21967年までの上場廃止事例

No 餐業箔 市揚 結果          鵯、摘要

1 1951

東亜道路工業(旧・ビチュマ ルス道路工業)

東証 非上場

証取委からの上場銘柄整理通告。1961年、東証2 部上場

2 1951 今里土地 大証 不詳

3 1951 東亜港湾工業 東証 非上場

資本金不足。1957年、再上場。1973年から東亜 建設工業に商号変更

4 1952

国際不動産(1954年から国

際航業)

東証 非上場

証取委からの上場銘柄整理通告。1961年東証2 部に再上場

5 1952 復興建築助成 東証 不詳 証取委からの上場銘柄整理通告

6 1953 陽和不動産 東証 合併 三菱地所、関東不動産、洋和不動産が3社合併

.7 1953 関東不動産 東証 合併 三菱地所、関東不動産、洋和不動産が3社合併

8 1956 東急不動産 東証 合併 東急不動産(非上場)に合併

9 1963 目発工業 名2 不詳 額面変更から経理問題発覚 10

1963 高野建設 東2 倒産

銀行取引停止、会社更生法。1971年、前田建設 として再上場

11 1963 目本不動産 東2 倒産 銀行取引停止

12 1965 大阪土木工業 東2 倒産 銀行取引停止。粉飾決算発覚。会社更生法

13 1967 新田建設 東2 鍵産 銀行取引停止。破産宣告

14 1968 岡組 大2 綱産 和議

資料9.32000年から現在までの全上場廃止事例(151事例)

 勲 x盗業 従業員 資蒸 鍵株霊 監i査法 叢揚 i負猿       試摘要      ,

N  ㌔     毫 蜷簗 億閑

   べ

x・

1970 朝目土地 ・ 758 21 東和産業 東2

M

三井不動産に合併。船橋ヘルスセンター

興業 の閉鎖

1987 島藤(しま 352 12 戸田建設 東2

M

三菱銀行・戸田建設のテコ入れ。戸田建

とう)建設        1設に合併

工業

1991 MARUKO 617 7. 金沢正二 トーマ

JQ

2,858 税制改正による節税商品の不振。会社更

(旧・マル 生法。2004年、インボイスの子会社化、

コー〉 インボイスRMとして営業していたが、

2007年、ドーガン・アドバイザーズが全 株式取得。

1992 ロイヤル 127 28 ロイヤル航 北野久

JQ

190 マンション建設やゴルフ場開発。和議

建設 義・黒

田利通

1994 新目本国 76 19 個人 依田

JQ

42 破産

土工業

1996 積水ハウ 295 32 42.4%積水 大2

M

積水ハウスに合併

ス木造 ハウス

1995 辰村組 402 10 18.1%荏原 東2

M

南海建設に対等合併。南海辰村建設に

1997 五十鈴建 67 34.5%阪本慶 太陽 大2 624 破産・和議・更生又は整理

40 信、10.2%フ

レンド商事

東海興業 1,540 3 目本都市総 明和 東1 5,llO 会社更生法・

合開発

多田建設 814 9 多田一族 林正三 東1 1,714 会社更生法

郎等

大都工業 897 9 小川一族 加藤須 東1 1,592 会社更生法

賀雄等

日東ライ 948 4 47.4%セブン セン

JQ

692 目東興業からの代金遅延。和議申請。目

.フ オーシヤン、 東興業に合併。1999年から和議中の日東

19.7%松浦 興業も。1997年に民事再生法

星1

1998 興国ハウ 518 13 なし 新宿 東2

M

丸吉に合併。ジャパン建材に ジング(合

板、マンシ ヨン建設)

浅川組 457 7 なし 朝目 大1 603 破産・和議・更生又は整理

モリショ 117 18 森一族 トーマ

JQ

161 破産

1999 目本国土 2,108 11 なし 明治 東1 4,067 不動産投資失敗。会社更生法

開発

森永開発 40 15 森永製菓 トーマ

JQ M

森永製菓に合併

(エンゼ

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