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倒産、上場廃止と持続の失敗

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  約の継続、(4)担保権消滅の制度化、(5)監督委員の配置による実効性の確保、などに主眼が置かれて   いる。中小企業等の再建と労働債権の確保が期待されている。

4. 破産法

  破産法は清算型の整理方法で、債務者は自ら支払い不能や債務超過を理由に破産の申し立てを裁判所   に行う。裁判所は破産原因があると認めると破産手続開始決定を出す。破産では裁判所が任命する破   産管財人のもとで資産の整理、債権者への分配が行われ、債権者は原則として個別の権利の行使が禁   止される。

5. 特別清算

  特別清算は清算型の整理方法で、解散後の株式会社につき、清算の遂行の支障または債務超過の疑が   ある場合に開始される裁判上の特別の清算手続である。申し立ては債権者、清算人または株主で、監   査役は認められていない。

6. 私的整理(内整理)を含むrその他」。ただし、同社では休業、廃業、解散、人員整理、手形ジャン   プなどは、単なる企業倒産関連現象として倒産に含めず、よって本研究でも、倒産からは除外してい   る。

 破綻も法的な定義がある用語ではないが、破綻には公的資金の投入が必要な状況が含ま れるから、より広い概念として使われている。例えばライブドアはいわゆる無借金会社で あり、上記の1から5には該当しないから倒産ではない。現実にライブドアという会社は 存続している。

 従って、債務者が債権者に弁済義務を履行できなくなることが倒産と考えられる。これ をリスク管理的論に述べれば、債務者と債権者との間の信用リスクが顕在化することが倒 産であるから、債務者がいないような企業において倒産はありえず、破綻しかない。

第2節上場廃止

 上場廃止とは証券取引所で公開した株式について、証券取引所が上場継続不適と判断し、

投資者保護の目的から株式公開取引を終了することをいう。上場廃止基準は各証券取引所 によって異なり、各証券取引所毎に決定される。しかし多くの場合、次のような場合がこ れに該当する。

1.

2.

3.

4.

上場契約違反

法人格消滅(合併を含む)

完全親会社設立(完全子会社化)

会社の倒産(経営破綻)

 また、上場企業が株式公開している企業が公開のメリットが小さくなったと判断し、自1 主的に株式上場廃止申請を行う場合もある。たとえば、複数の証券取引所で株式公開をし ている場合、ある一つの証券取引所での公開を取り止めたいとした場合、その証券取引所 に上場廃止申請を行うが、他の証券取引所では依然に公開を継続することもできる。

 また、自社株式を経営陣が買収する場合(MBO)、従業員が買収する場合(EBO)では、

市場流通の自社株式を買収し上場廃止することとなる。婦人服メーカーのrワールド」〜食 品メーカーの「ポッカコーポレーション」、外食業のすかいら一くやレックス・ホールディ ングス、青汁のキューサイなどがM:BOの例である33〉。

 東京証券取引所第1部で上場廃止例では、株式の大量保有およびその比率に関する有価 証券報告書への重大な虚偽記載による西武鉄道がある。東京証券取引所第2部市場での上 場廃止例は、架空増資の駿河屋や丸石ホールディングスなどがある.東証マザーズ市場の 上場廃止例では、有価証券報告書虚偽記載のライブドアとライブドアマーケティングの例 がある。同じ有価証券報告書虚偽記載であっても、目興コーディアルの場合には軽微と東 京証券取引所からされた結果、上場廃止措置にはならなかった。このように、上場廃止に は、各証券取引所の裁量の余地がある。

第3節 持続の失敗

 企業の持続可能な発展という場合のr持続(サステナビリティ)」には法的な定義はな い。5年、10年、20年とどのくらいの時間的間隔で、何に関して、誰にとっての持続可能 性なのか明確でない。っまり、地球環境に関する持続可能性もあれば34)、CSR企業の社会的 責任に関する場合と論者によって持続意味が異なる。企業経営では持続とは、倒産しない

ことと同様に混同される場合が少なくなく、本研究でも企業の持続に関する意味に用いる こととする。従って持続の失敗とは、断りのない限り倒産と同義として取り扱う。

 ただし、各企業には守るべき企業文化や役割があることはいうまでもない。これに反し、資本 の論理によって経営者が変わり、従業員を入れ替え、新規事業に注力するという経営者が 散見する。とりわけ投資ファンドによって上場企業を買収したいわゆる村上ファンド、ラ イブドア、あるいは闇勢力や仕手筋から投機の対象となったイトマン、丸石自転車、横須 賀メリヤスなどのように企業の維持発展が失敗している事例も少なくない。少なくともM

33)これらのMBOは、第1章での上場廃止の結果としては、「結果4」のカテゴリーとして取り扱ってい る。結果5は上場維持という拡大再生産が維持されたと見なし、結果3は消極的な理由での非上場化であ るから、MBOはその間に入るものと見なして結果4と取り扱っている。

34)持続可能性は、1987年に「国連環境と開発に関する委員会(通称:ブルントラント委員会)が出した 報告書『Our Co㎜onFuture(我々共通の未来〉』(邦訳:地球の未来を守るため)によって知られるように なった。ここでrSustainableDevelopment (以降持続可能な発展)」が人類の課題として提唱され、そこで

「SustainableDevelopmentとは、将来世代の二一ズに応える能力を損ねることなく現在世代の二一ズを満 たす発展」と定義された。

S C B(転換社債型新株予約権付社債35))のように株価の下落を見込んだ資金調達が必要な 状況で、持続可能な経営が可能かどうか疑わしい。

 このような場合も本来は倒産と同様に取り扱うべきであろうが、このように同質性の持 続が保たれない場合の判別は容易ではない。r実質的な破綻」、r企業の持続可能性」、rC S R」などとして研究は行われている。

 本研究においての問題点を指摘しておきたい。上場廃止にもならずに、新しい株主と経 営者のもとで上場が維持され、全く違った事業展開が行われる場合、法的には倒産でもな ければ破綻でもない。しかし、上記のような特定の場合によっては、企業は持続の失敗と 把握すべきであろう。多くの場合には、裏口上場、会社乗っ取り、仕手株銘柄、ハコもの 銘柄などとして知られている。

 この場合には、監査法人の財務諸表監査では問題が通常は発見できないと考えられるの で、各証券取引所は上場審査を徹底しすれば、持続の失敗に該当する事例は排除可能であ る。証券取引所は厳格なガバナンス体制を指導し、求めることにより解決できるものであ

る。

(本章は、『愛知工業大学研究報告』第42号B平成2007年所収の論文r倒産概念の整理と拡張」、を要約 したものである)

35)MS CB(転換価格修正条項付転換社債、movingstrikeconvertiblebond)は転換社債とは異なり、

転換価額を株価の変動に応じて上下に修正できる。

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