上記の大会の関連施策は、第1の2(2)アのとおり、各府省等の判断で政府の取組状 況報告に記載されたものであることから、大会の円滑な準備及び運営又は大会終了 後のレガシーの創出に関連する全ての事業を挙げているものではない。この理由と しては、各府省等が実施する多岐にわたる分野の全ての事業の内容について、実施 内容が大会にどの程度関連するかを各府省等において一律に把握することが難しく、
また、大会の関連施策の具体的な定義を策定することが困難であることが挙げられ る。このため、各府省等が実施する施策の内容が大会に関連するか否かの判断は各 府省等によるものとなっている。
なお、各府省等において大会の関連施策として整理していない事業であっても、
国庫補助金等の交付先である東京都、都外自治体等が実施する大会の関連施策の財 源としてその一部が活用され、事実上大会の円滑な準備及び運営又は大会終了後の レガシーの創出に資する取組に対して財政支援を行っている事業もある((4)を参 照)。
イ オリパラ関係予算の執行状況
第1の2(2)エのとおり、各府省等が実施する大会の関連施策のうち、大会の運営又 は大会の開催機運の醸成や成功に直接資するものであり、大会招致を前提に、新た に又は追加的に講ずる施策であると各府省等が判断した施策については、事業の効 果、費用の管理等について他の施策と区分することで各府省等においてオリパラ基 本方針に基づく施策の実効性を担保して、その進行管理に資するよう、28年度当初 予算からオリパラ関係予算として整理されている。一方、オリパラ関係予算の決算 額については各府省等において取りまとめられていないことから、会計検査院が各 府省等に対して28、29両年度のオリパラ関係予算の執行状況について調書の提出を 求めて、その内容を集計した結果を示すと図表4-2のとおりである。28、29両年度の オリパラ関係予算として整理された32事業に係るオリパラ事務局への登録額846億余 円に対して、支出額は788億余円となっている(事業ごとの登録額及び支出額につい ては別図表2参照)。
図表4-2 オリパラ関係予算の執行状況(平成28、29両年度)
(単位:百万円)
注(1) 「支出額」「翌年度繰越額」「前年度繰越額」及び「差額」は、関係府省等から提出された大会の関連施策に係る調 書を基に会計検査院が集計したものである。また、「登録額」は、内閣官房が公表している「2020年東京オリンピック
・パラリンピック競技大会関係予算」から転記したものである。
注(2) 「事業数」はオリパラ関係予算として登録された数であるが、平成28年度から29年度へ繰り越された事業も一部含ま れている。そのため、大会の関連施策としての事業数とは一致しないものがある。
注(3) 「登録額」は予算決定時点のものであるため、執行段階で追加の支出の必要が生じ流用等によって対応したことによ り、「登録額」を「支出額」が上回っているものがある。
注(4) 「差額」には、平成28年度は「登録額」から「支出額」及び「翌年度繰越額」を差し引いた額、29年度は「登録額」
と「前年度繰越額」を合算した額から「支出額」及び「翌年度繰越額」を差し引いた額を計上しており、決算上の不用 額とは異なる。
注(5) 「事業数」の計は純計である。
(2) 「大会の円滑な準備及び運営」に資する大会の関連施策の状況
「大会の円滑な準備及び運営」に資する大会の関連施策は、図表5-1のとおり、復興 庁を除く13府省等において25年度から29年度までに8分野の45施策に係る計148事業が 実施されており、その支出額は計5879億余円となっている。オリパラ基本方針におけ る8分野ごとにその支出額をみると、「暑さ対策・環境問題への配慮」に係る大会の関 連施策の2321億余円が最も多く、次に多いのが「アスリート、観客等の円滑な輸送及 び外国人受入れのための対策」に係る大会の関連施策の1628億余円となっている(施 策及び事業ごとの概要並びに支出額については別図表1参照)。
区分
内閣 1 875 533 - 341 1 576 - 495 - 80 1 1,451 1,029 421
内閣府(警察庁)3 13 25 - ▲ 11 0 - - - - - 3 13 25 ▲ 11 総務省 0 - - - - 2 439 - 193 199 46 2 439 193 46 文部科学省 13 31,708 30,127 1,044 536 14 49,757 1,044 46,320 4,330 152 16 81,465 76,447 688 厚生労働省 2 75 49 - 24 2 85 - 55 - 29 3 160 104 54 農林水産省 1 17 8 - 8 1 15 - 5 - 10 1 32 13 18 国土交通省 1 162 160 - 1 1 809 - 725 - 83 1 971 886 84 環境省 4 87 63 - 23 4 70 - 55 - 14 5 157 118 37 計 25 32,937 30,967 1,044 924 25 51,751 1,044 47,851 4,529 416 32 84,688 78,819 1,341 府省等名
事業数 事業数
事業数 登録額 支出額 翌年度繰越額 差額 登録額 前年度繰越額 支出額 翌年度繰越額 差額 差額
平成28年度 29年度
登録額 支出額
計
図表5-1 「大会の円滑な準備及び運営」に資する大会の関連施策の支出額(平成25年度~
29年度)
(単位:百万円)
注(1) 「事業数」は、平成29年度までに支出額がある事業のみを計上しており、事業ごとの支出額を算出することが困難で あるなどの事業を含む。
注(2) 「支出額」には、事業ごとの支出額を算出することが困難であるなどの事業に係る額は含んでいない。当該事業しか ない場合、支出額の欄には(※)を付している。
注(3) 「支出額」には、各府省等が大会の関連施策として整理している事業を独立行政法人が運営費交付金等を財源として 実施する場合における支出額を含む。なお、文部科学省が東京都へ交付したパラリンピック交付金(300億円)につい ては、全額を計上している。
注(4) 「大会の円滑な準備及び運営」に資する大会の関連施策は主な取組内容等により区分したものであり、事業によって はその取組内容に他の分野に該当する内容を含むものもある。
そして、8分野ごとにその実施状況等をみると、次のとおりである。
ア 「セキュリティの万全と安全安心の確保」に係る大会の関連施策の実施状況 29年度までに実施された「セキュリティの万全と安全安心の確保」に係る大会の 関連施策は、内閣等の8府省等が実施した「未然防止のための水際対策及び情報収集
・分析機能の強化」等の10施策に係る計43事業であり、図表5-2のとおり、25年度か ら29年度までの支出額は計185億余円となっている。このうち、国土交通省が88億余 円(185億余円の47.6%)、厚生労働省が64億余円(同34.6%)となっていて、その 多くを占めている(施策及び事業ごとの概要並びに支出額については別図表1参照)。
事業数
事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 事業数 支出額 (合計に占める割合)
内閣 5 698 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 5 698 (0.1%) 内閣府 17 540 1 3 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 18 544 (0.0%) 復興庁 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - -総務省 3 439 6 1,864 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 1 193 10 2,497 (0.4%) 法務省 3 968 7 5,247 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 10 6,215 (1.0%) 外務省 1 635 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 8 1,776 0 - 9 2,411 (0.4%) 財務省 1 (※) - 1 (※) - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 1 (※) - 3 (※) - -文部科学省 0 - 0 - 0 - 13 59,323 2 1,007 1 74,401 8 4,815 1 30,000 25 169,548 (28.8%) 厚生労働省 7 6,416 3 508 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 1 80 11 7,004 (1.1%) 農林水産省 0 - 2 13 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 2 13 (0.0%) 経済産業省 0 - 2 1,128 10 179,370 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 12 180,499 (30.7%) 国土交通省 6 8,813 11 154,087 3 37,540 0 - 0 - 0 - 0 - 1 305 21 200,746 (34.1%) 環境省 0 - 0 - 16 15,261 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 16 15,261 (2.5%) 防衛省 0 - 0 - 0 - 3 2,220 0 - 0 - 0 - 3 251 6 2,472 (0.4%) 合計 43 18,511 33 162,852 29 232,173 16 61,544 2 1,007 1 74,401 16 6,591 8 30,830 148 587,913 (100.0%)
府省等名
分野
その他(9施策)
教育・国際貢献等に よるオリンピック・パラ リンピックムーブメント の普及、ボランティア 等の機運醸成(4施 策)
新国立競技場の 整備(1施策)
アンチ・ドーピン グ対策の体制整 備(1施策)
メダル獲得へ向 けた競技力の強 化(4施策)
暑さ対策・環境問 題への配慮(3施 策)
アスリート、観客 等の円滑な輸送 及び外国人受入 れのための対策
(13施策)
セキュリティの万 全と安全安心の 確保(10施策)
計
支出額
図表5-2 「セキュリティの万全と安全安心の確保」に係る大会の関連施策の支出額(平成
25年度~29年度)
(単位:百万円)
注(1) 「事業数」は、平成29年度までに支出額がある事業のみを計上しており、事業ごとの支出額を算出することが困難で あるなどの事業を含む。
注(2) 「支出額」には、事業ごとの支出額を算出することが困難であるなどの事業に係る額は含んでいない。当該事業しか ない場合、支出額の欄には(※)を付している。
注(3) 「セキュリティの万全と安全安心の確保」に係る大会の関連施策は主な取組内容等により区分したものであり、事業 によってはその取組内容に他の分野に該当する内容を含むものもある。
立候補ファイルによれば、政府は大会の安全とセキュリティを確保するために必 要な全ての措置を講ずることができるよう、閣僚級が会長を務める協議会を設立し て、大会のセキュリティに関わる高度な大綱方針・戦略を策定するとともに、大会 の警備に関与する政府のセキュリティ機関相互の業務調整を行うこと、テロ等の重 大事件や大規模な自然災害といった国家的緊急事態発生時の危機管理対応を行うこ ととされている。上記に基づき、図表5-3のとおり、内閣総理大臣を本部長とするオ リパラ推進本部、関係府省等の所管する事務を調整する2020年東京オリンピック・
パラリンピック競技大会関係府省庁連絡会議の下に、内閣官房を事務局として、関 係府省等で構成する「セキュリティ幹事会」を設置して関係府省等が所管する事務 の調整を行っており、さらに、同幹事会の下に「テロ等警備対策ワーキングチー ム」(28年11月までテロ対策ワーキングチーム)及び「サイバーセキュリティワー キングチーム」を設置し、この体制に基づいてセキュリティ対策を推進している。
(合計に占める割合)
内閣 5 - - 43 475 179 698 (3.7%) 内閣府 17 97 69 36 284 52 540 (2.9%) 総務省 3 57 57 104 110 108 439 (2.3%) 法務省 3 5 8 197 707 49 968 (5.2%) 外務省 1 - - 46 245 343 635 (3.4%) 財務省 1 (※) - (※) - (※) - (※) - (※) - (※) - -厚生労働省 7 1,478 1,401 1,253 901 1,381 6,416 (34.6%) 国土交通省 6 11 678 1,724 2,906 3,492 8,813 (47.6%)
合計 43 1,651 2,215 3,406 5,631 5,607 18,511 (100.0%)
事業数
計府省等名 平成25年度 26年度 27年度 28年度 29年度