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尿路感染の危険因子を診断する検査

ドキュメント内 Save Your Kidney Japanes (ページ 119-123)

小児の尿路感染症

2. 尿路感染の危険因子を診断する検査

潜在的な異常を検出するための画像検査:腎臓と膀胱 の超音波検査、腹部 X 線、排泄時膀胱尿道造影(VCUG)、

腹部 CT、腹部 MRI、静脈性尿路造影(IVU)

腎臓の瘢痕化を調べる検査:DMSA の腎スキャンが最適 である。DMSA(ジメルカプトコハク酸)スキャンは尿 路感染から 3−6 ヶ月後に施行することが望ましい。

膀胱機能を評価する尿流動態の検査。

排泄時膀胱尿道造影とは?施行時期と方法は?

排泄時膀胱尿道造影(VCUG)(以前は MCU)は尿路感染 した小児や膀胱尿管逆流(VUR)の小児の診断のために

非常に重要な X 線検査である。

VCUG は膀胱と尿路の解剖学的異常を検出し、膀胱尿管 逆流の診断と重症度(grade 分類)の判定に最も標準的 な検査である。

VCUG は尿路感染初発後の 2 歳未満の小児では全例に施 行されるべき検査である。

VCUG は通常、尿路感染と診断してから最初の週に治療 を行ってから施行されるべきである。

この検査は通常、抗菌薬投与下で清潔操作の下、カテ ーテルより膀胱内に造影剤(X 線画像で描出される液体 を含んだ放射線不透過のヨード)を注入し、充満させ て行う。

X 線画像は排尿前と排尿時に間隔を置いて撮影する。こ の検査により膀胱と尿路の形態や機能が包括的に理解 できる。

VCUG は膀胱尿管逆流の、尿が膀胱から尿管を通じて腎 臓へ逆流するのを検出することができる。VCUG は男児 の後部尿道弁を検出するのにも必要不可欠な検査であ る。

尿路感染の予防

1. 飲水を多く摂る。これにより尿が希釈され、膀胱や尿 路から細菌が排泄されやすくなるため。

尿路感染の危険因子を診断するために最も重要な検査 は、超音波検査、

VCUG

IVU

である

小児の尿路感染では

VCUG

は膀胱尿管逆流や後部尿道 弁を検出するための最も信頼性のある

X

線検査である

218. 腎臓を守るために 第 23 章 小児の尿路感染症 219.

2. 2−3 時間毎に排尿する。長い期間、膀胱内に尿を留めて おくと細菌が増殖しやすくなるため。

3. 外陰部の清潔を保つ。排便後は(後ろから前ではなく) 前から後ろへと紙で拭くようにする。このしつけは肛 門部の細菌が尿路へと広がらないようにするためであ る。

4. 外陰部に便が長く接触するのを避けるために頻回にお むつを変える。

5. 窮屈な下着やナイロン性の下着は避け、通気性の良い 綿の下着だけを着るようにする。

6. 泡風呂は避ける。

7. 割礼を受けていない男児は包皮をよく洗う。

8. VUR と診断された小児は残尿をなくすため 2、3 度排尿 する。

9. 長期にわたる低用量の抗生物質の連日投与は、慢性的 に尿路感染を繰り返す小児に対し予防治療として勧め られる。

尿路感染の治療 主な治療

尿路感染と診断された全ての小児に対し予防治療が為 されるべきである。

十分な水分摂取を心がけるようにし、重症の場合は点 滴治療を行う。

熱に対する治療を行う。

十分に感染がコントロールされたかを確認するため、

治療後の尿検査は重要である。定期的な尿検査のフォ ローは全ての小児に対して再発がないか確認するため に必要不可欠である。

尿路感染と診断された全ての小児に対し超音波検査や その他の適切な検査が施行されるべきである。

特殊な治療

小児の場合、腎臓の成長から守るため抗生剤投与は躊 躇するべきではない。

細菌の同定と適切に抗生物質を選択するため、尿培養 検査は治療開始前に施行する。

小児がもし病気にかかり、高熱、嘔吐、強い側腹部痛 を認め、薬を経口的に内服できないときには、入院し て経静脈的な抗生剤の投与が必要となる。尿路感染症 を伴う新生児や乳児は投薬と手当てが必要である。

経口での抗生剤の投与は、3 から 6 カ月以上の小児で、

嘔吐がなく経口で薬を飲める際に可能となる。

医師によって指示された抗菌剤の内服を徹底すること が重要である。例え小児には尿路感染症の症状が全くな 尿路感染と診断された小児に対する不適切な治療や治

療の遅れは腎障害を引き起こすことがあり危険である

原因菌の同定と適切な抗生剤使用のため、初期治療を開 始する前に尿培養が必要である

220. 腎臓を守るために 第 23 章 小児の尿路感染症 221.

かったとしても、医師に処方された量を全て内服しなけ ればならない。

尿路感染症の再発

再発性や症候性の尿路感染の小児には、原因検索のために、

超音波検査、排尿時膀胱尿道撮影、時には腎シンチグラム などが必要となります。尿路感染症再発に対して治療可能 な重要な原因としては、膀胱尿管逆流症、後部尿道弁、腎 結石の 3 つがあります。その原因によっては、予防処置や 予防的な長期抗生剤投与後にそれぞれに特定の治療が行 われます。小児の外科的な治療の中には、腎臓内科と泌尿 器科が協力して行われるものもあります。

後部尿道弁

後部尿道弁(PUV)は男児に起こる尿道の先天的な異常で あり、男児の下部尿路閉塞の最も多い原因です。

基本的な問題とその重要性:尿道内における組織のひだが 後部尿道弁において、不完全あるいは間欠的に正常な尿流 を妨げます。尿流の障害が尿道を通して、膀胱への逆流を 引き起こします。徐々に膀胱は大きくなり、その筋組織は 非常に厚くなります。

内圧が上昇し腫大した膀胱は、腎臓や尿管への逆流圧を高 め、その結果、尿管や腎臓が拡張します。その拡張がすぐ に診断され、治療がなされなければ、慢性腎臓病(CKD)

へと移行します。長期的には、後部尿道弁の小児の約 25

~30%は末期腎不全(ESKD)を患います。このことから、

後部尿道弁は乳児や小児の罹患や死亡の重要な原因とな ります。

症状:後部尿道弁の共通した症状は、尿流の減弱、尿の滴 下、排尿困難、寝小便、膀胱尿路感染症による下腹部の膨 満感などです。

診断:生前生後の超音波は後部尿道弁の診断の最初の手掛 かりとなります。しかし、確定診断には排尿時膀胱尿道撮 影が必要であり、出生後すぐに行われます。

治療:外科(泌尿器専門医)と腎臓の専門家(腎臓専門医)が 協力して後部尿道弁を治療します。

症状改善のためにまず行う治療としては、膀胱に管を入れ て(多くは経尿道、時には腹壁を介して直接―恥骨上カテ ーテル)、持続的に尿を吸引することです。同時に感染症、

貧血、腎不全などの支持療法、そして低栄養、体液や電解 質異常などの補正が全身状態の改善へとつながります。

後部尿道弁の根治的治療は支持療法に続く、外科的な治療 になります。泌尿器専門医により内視鏡を用いて尿道弁を 取り除くことです。また尿路感染症、成長障害、電解質異 常、貧血、高血圧、慢性腎臓病のリスクがあるため、腎臓 専門医により定期的な経過を観察する必要があります。

後部尿道弁は男児の下部尿路閉塞を引き起こし、ただち に治療しないと慢性腎臓病に移行する

膀胱尿路逆流症は尿路感染症を患う小児に非常に多く、

高血圧や慢性腎臓病のリスクとなる

222. 腎臓を守るために 第 23 章 小児の尿路感染症 223.

重症膀胱尿管逆流症や抗菌薬による加療が効果不十分であっ た症例では、外科的手術や内視鏡的治療が行われる

224. 腎臓を守るために 第 23 章 小児の尿路感染症 225.

膀胱尿管逆流症(VUR)

膀胱尿管逆流症は、膀胱から尿管へ逆流することです。

なぜ膀胱尿管逆流症について知ることが重要なのでしょ うか?

膀胱尿管逆流症は発熱などの尿路感染症を患う小児の 30-40%に存在します。膀胱尿管逆流症の小児の多くは腎の 障害や瘢痕化を引き起こす可能性があります。長期の腎瘢 痕は高血圧、若い女性の妊娠中毒症、慢性腎臓病、そして ついには末期腎不全の原因となりえます。膀胱尿路逆流症 は膀胱尿路逆流症をもつ家族において多くみられ、特に女 児に頻繁に影響を及ぼします。

膀胱尿路逆流症とは?なぜ起きるのでしょうか?

膀胱尿路逆流症は膀胱から尿管に、時には腎臓まで異常な 逆流が起きた状態であり、これは片側にも両側にも起こり ます。

腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱へ通常は 1 方向に、

尿管から膀胱へ流れます。

排尿中や膀胱が尿で満たされている際、膀胱と尿管の間の 弁は尿の逆流防止の役割があります。膀胱尿路逆流症はこ の弁の仕組みが欠損していることが原因になります。

膀胱から尿管と腎臓への尿の逆流の基準に基づいて、膀胱

尿 路 逆 流 症 の 程 度 が 軽 度 か ら 重 度 ま で 分 類 さ れ ま す (GradeⅠからⅤ)。

て閉塞や機能不全によってよく起こるものです。

起こります。それは尿路感染症に伴い、膀胱や尿道におい れた時点で存在します。続発性のものはいずれの年齢にも られます。原発性の膀胱尿路逆流症がもっとも多く、生ま 膀胱尿路逆流症には 2 種類あり、原発性と続発性とに分け 膀胱尿路逆流症の原因は?

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