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実験の考察

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第 5 章 原子力発電プラントの模擬的な環境にお ける ISSAR の評価実験けるISSARの評価実験

1. SCOPO

5.7 実験の考察

5.7.2 実験 B の考察

タブレットPCについて

タブレットPCは、タスク完遂時間、NASA-TLX、ユーザビリティテストの全てに おいて、他のインタフェースと較べて低い評価であった。

ユーザビリティテストの自由記述結果とインタビュー結果より、タブレットPCで最 も問題となったのは、その重さによる身体的な負荷の大きさであることが判明した。特 に高い位置のバルブを探す場合に、ディスプレイを持ち上げなければならないが、そ れが被験者に対して大きな負担となった。

3分程度のタスクで身体的負荷の影響がある以上、現場の長時間の作業にタブレット

PCを用いたISSARを導入するのは難しい。

また、タブレットペンを用いた操作インタフェースは、使用するためには両手が必 要であり、手作業を行う現場の作業にタブレットペン操作インタフェースを導入する のは問題があると考えられる。

携帯小型TVについて

携帯小型TVは、タスク完遂時間、NASA-TLX、ユーザビリティテストにおいて、他 のインタフェースと較べて高い評価であった。

ユーザビリティテストの自由記述結果とインタビュー結果より、軽くて、持ち運びや すいこと、扱いやすいことが携帯小型TVの長所として多数挙げられた。短所は特に無 いという意見が多かったが、背中に伸びるコードが邪魔になったという感想や、手が塞 がるのでその分、実際の作業では使いづらくなるのではないか、という意見があった。

今回は携帯小型TVPDAの代替品として比較実験を行った。PDAは携帯小型TV と同様に実験Bの結果、ハンドヘルド型ISSARには、PDAサイズのディスプレイが 適していると言える。

ウェアラブル型ISSARとハンドヘルド型ISSARの比較について

SCOPOと携帯小型TVではタスク完遂時間に有意差は無かったが、NASA-TLX

ユーザビリティテストなどの主観指標では、携帯小型TVの方が高い評価であった。イ ンタビューの中で「最も効果的に作業を行えたと思うISSARインタフェースは何か」

という質問をしたが、その結果、被験者12人中8人が携帯小型TVが良いと回答し、4

人がSCOPOが良いと回答した。

今回の実験は細かい手作業をタスクに入れていないが、両手を使わなければならな いタスクの場合には、ハンドヘルド型デバイスでは、一旦どこかにデバイスを置くか 収納して作業を行わなければならず、作業効率が低下すると予想される。今後、両手を

使わなければならないようなタスクを対象に評価実験を行い、ウェアラブル型ISSAR とハンドヘルド型ISSARの比較を行う必要がある。

5.7.3 実験全体の考察

ARを用いたバルブ探索支援システムについて

本研究での全ての実験において、作業指示書を用いた作業は、タスクの学習効果を測 るために実施するという位置づけであり、常に実験の最初と最後に順番が固定されてい たためインタフェースの順序効果の影響が結果から排除されておらず、単純にISSAR ンタフェースを用いた他の作業と比較することはできないが、ISSARの有効性を調べる ための参考データとして作業指示書を用いた作業のタスク完遂時間を見ると、SCOPO や携帯小型TVを用いた作業とあまり差は無い。

しかし、実際の系統隔離作業では作業員プラントはプラント内部の地図は携帯せず、

経験を頼りに作業を行っている。熟練していない作業者が系統隔離作業を行う場合に、

経験の不足を補完するシステムとして、効果があると考えられる。

RFIDを用いたバルブ確認支援システムについて

今回の原子力発電プラントの模擬的な環境におけるISSARの評価実験では、全ての 被験者の全てのタスクにおいて、エラー回数はゼロとなった。これは主にRFIDを用 いたバルブ確認支援システムが有効に機能した為であると考えられる。

RFIDを用いたバルブ確認支援システムでは、被験者が間違ったバルブに対してRFID リーダを近づけた場合、警告音を発して間違いを被験者に知らせる。

今回の実験では、全ての被験者が、バルブを断定する前に必ずこの機能を利用して いた。RFIDタグをリーダで読み取る動作も、全ての被験者が問題なく利用することが できていたため、バルブ確認支援システムは系統隔離作業でのヒューマンエラーを低 減させるのに有効であると考えられる。

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