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第 3 章 生体内肝臓構造模擬モデルによる肝細胞アンモニア代謝機能の変化

3.3 実験結果

3.3.1 培養モデルの細胞数と細胞画像

肝臓構造模擬モデル(Fig. 3-1d)における,肝細胞,星細胞,内皮細胞の画像 をFig. 3-4に示す.なお画像の取得には倒立顕微鏡(ECLIPSE TE2000-S, NIKON, Japan)を用いた.内皮細胞と肝細胞の間にコラーゲンゲルを挟むことでそれぞ れの細胞が積層していた.またコラーゲンゲル中の星細胞は十分に増殖してい た.このことから肝組織様構造が構築できたと考えられる.

また各培養モデルにおける細胞の数をTable 3-1に示す.細胞数はImageJを用 いて画像内に存在する細胞を測定した.撮影した画像の面積(400 µm × 500 µm)

と培養している部分の面積(20 mm × 36 mm)の比を計算し,実験に使用した 細胞の数を求めた.この結果から,各モデルにおいて細胞数に差は生じていな いことが分かった.

0.66

0.46 0.34

0.54 0.57

0.17 0.87 0.21

100µm

100µm 100µm

Table 3-1 各培養モデルにおける細胞数

(a) (b)

(c)

Fig. 3-4 肝臓構造模擬モデルにおける各層の細胞画像

(a) 肝細胞

(b)星細胞

( c ) 内皮細胞

39

3.3.2 静置培養におけるアンモニア代謝量

肝臓構造模擬モデルおよび各比較対象モデルにおける静置培養時のアンモニ ア代謝量をFig. 3-5に示す.肝臓構造模擬モデルと肝細胞・星細胞モデルが肝細 胞のみモデルより顕著に高いアンモニア代謝量を示した.一方で肝細胞・内皮 細胞のモデルはアンモニア代謝量向上が見られなかった.

Fig. 3-5 静置培養におけるアンモニア代謝量 HC :肝細胞のみモデル

HC+HSC:肝細胞と星細胞のモデル HC+EC:肝細胞と内皮細胞のモデル HC + HSC + EC :肝臓構造模擬モデル

* P < 0.05:versus HC

† P < 0.05:versus HC+EC

3.3.3 せん断応力負荷におけるアンモニア代謝量

生体内の肝臓を模擬したせん断応力(0.6 Pa)負荷時の肝臓構造模擬モデルお よび各比較対象モデルにおけるアンモニア代謝量をFig. 3-6に示す.せん断応力 負荷時における全てのモデルで静置培養より高いアンモニア代謝量を示した

(*p < 0.05).肝臓構造模擬モデル,肝細胞・星細胞のモデル,肝細胞・内皮細 胞のモデルは肝細胞のみモデルより高いアンモニア代謝量であり(†p < 0.05), 肝細胞のみモデル<肝細胞・内皮細胞のモデル<肝細胞・星細胞のモデル<肝 臓構造模擬モデル,の順に代謝量が高かった.ただし,肝臓構造模擬モデルの アンモニア代謝量は肝細胞と星細胞のモデルにおける代謝量と同じであった.

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Fig. 3-6 せん断応力負荷時におけるアンモニア代謝量 白:静置培養 黒:せん断応力負荷

HC:肝細胞のみモデル

HC+HSC:肝細胞と星細胞のモデル HC+EC:肝細胞と内皮細胞のモデル HC+HSC+EC:肝臓構造模擬モデル

* P < 0.05:versus each static model

† P < 0.05:versus HC under shear stress

3.3.4 せん断応力負荷時における一酸化窒素産生量

せん断応力負荷時の各モデルにおけるNO産生量をFig. 3-7に示す.全てのモ デルでNO産生量が見られ,各モデルにおけるNO濃度は,肝細胞のみモデル<

肝細胞と星細胞のモデル<肝細胞と内皮細胞モデル<肝臓構造模擬モデル,の 順に高い値を示した.特に内皮細胞が存在するモデルではコントロール(静置 培養における肝細胞のみモデル)の8倍多いNO産生量となった.

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Fig. 3-7 各モデルにおける NO 産生量

白:静置培養 黒:せん断応力負荷 HC :肝細胞のみモデル

HC + HSC :肝細胞と星細胞のモデル HC + EC :肝細胞と内皮細胞のモデル HC + HSC + EC :肝臓構造模擬モデル

* P < 0.05 : versus HC in static model

† P < 0.05 : versus HC under shear stress

3.3.5 一酸化窒素産生阻害剤によるアンモニア代謝量の変化

せん断応力負荷時における各モデルに,細胞のNO産生阻害剤であるL-NAME を投与し,アンモニア代謝量の変化を測定した(Fig. 3-8).肝細胞のみモデルで は NO 産生阻害が代謝量に与える影響はなかった.一方で,肝細胞と内皮細胞 のモデルではL-NAMEによりアンモニア代謝量が37%減少し,肝細胞のみモデ ルと同じ代謝量となった.肝細胞と星細胞のモデルと肝臓構造模擬モデルでは 17%減少し,肝細胞のみモデルより高いアンモニア代謝量を示した.

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Fig. 3-8 NO 産生阻害時におけるアンモニア代謝量

白:L-NAME なし 黒:L—NAME あり HC:肝細胞のみモデル

HC+HSC:肝細胞と星細胞のモデル HC+EC:肝細胞と内皮細胞のモデル HC+HSC+EC:肝臓構造模擬モデル

* P < 0.05:versus each model in static model

† P < 0.05:versus HC under shear stress

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