3.6 比較実験について
3.6.2 実験環境及び改善点について
予備実験の結果より,タスク1及びタスク2で使用したUIに関しては,問題がなかっ たという結果が得られたため,本実験では予備実験と同様のものを使用した(図3.3と3.4).
しかし,タスク3及びタスク4のUIに関しては,いくつか問題があるという結果が得ら れたため,改善を行った.具体的な内容は,以下に述べる.
• 手書き入力の場合,ペンでスクロールバーを操作するのは困難であるため,手書きの
Note Window には,柔軟性のあるページビューの方が最適であることが分かった.
そこで,予め4つのページを準備し,それぞれのページを表示させるためには,スク ロールバーではなく,図3.11に示すようにUIの下部にある4つのボタンでページ切
り替えを行う(ペンでタップすることにより,選択されたページが表示される).ペ ージ操作ボタンをUIの下部に置いた理由は,まず,ページの下の部分まで入力され たら,素早く次のページに移動できるように,距離の近いUIの下の部分にボタンを 置いた.次に,問題を解く際に,メモを参照しながら行うため,メモが手で隠れない ようにボタンをUIの下の部分に置いた.
• もう一つの問題点は,キーボードのNote Windowにダイヤグラムを描くためのツー ルがないことであった.そのため,図 3.12 に示されるように,一般的によく使われ ているダイヤグラムツール(箱,楕円,矢印,括弧など)をNote Windowの上部に 提供した.
入力デバイスとしては,タスク1及び2ではSharp社製のタブレットPC(Muramasa,
12.1インチ,解像度1024×768 )を採用した.被験者はタブレットPCと一体型になっ ているキーボードを用いて入力し,手書き入力の場合は直接タブレットPCの画面上に付 属のペンを用いてメモを入力した.タスク3及び4に関しては,3つのウィンドウ(Media,
Q&A,及びNote Window)が同時に表示できるように,解像度の大きいWacom社製の
液晶ペンタブレット(Cintiq 1800,18インチ,解像度1280×1024)を採用した.被験者 はキーボードでメモを入力する場合,液晶ペンタブレットを単にディスプレイとして使用 し,パソコンの標準QWERTY配列キーボード及びマウスでメモを入力した.一方,手書 きの場合は,直接液晶ペンタブレット上に付属のペンを用いてメモを入力した.本実験で は,被験者全員が同じ条件になるように,全員が同じ実験機器を使用するようにした.
START Q&A
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Note Window Q&A Window
Media Window
図3.11 改善されたタスク3と4のUI
(手書き入力:スクリーン上の配置と同様)
また,キーボードによる日本語入力には,ローマ字入力方式及びカナ入力方式がある.
被験者が使い慣れない方式を強制的に使わせると,入力速度に関する評価に影響があると 考えられる.そのため,本実験では被験者が使い慣れた方に自由に選べるようにした.
更に,入力ミスが生じたときに用いた訂正方法についても入力速度の評価などを影響す る可能性があると考えられる.キーボードによる入力ミスの訂正方法に関しては,被験者 に任せ,使い慣れた方法で訂正を行うように指示した.例えば,DeleteキーやBackspace キーを利用したり,矢印キーやマウスを使ってカーソルを移動したりする方法がある.但 し,入力文章が短いタスク1及び2では,カーソル移動時のマウス使用はデバイスの切り 替えに時間がかかるため,マウスを使用しなかった.一方,長い文書入力となるタスク 3 及び4では,効率性を考え,マウスの使用が許可される.手書き入力による訂正方法に関 しては,次のように設定した.紙とペンを用いてメモする際には,素早く記録できるよう に訂正に消しゴムや修正ペンなどは使わずに,線を引いたり,近くに書き足したりするの が基本的なやり方である.本実験も,同様に手書き入力の UI には消しゴム機能を提供せ ず,入力ミスが生じた場合同じ方法で訂正をするように指示した.訂正方法に関しては,
実験前に指示をし,練習時間にも実行してもらった.
最後に,日本語仮名漢字変換システムに関しては,Microsoft IME 2002を用いた.被験 者全員に同じ変換候補が提示されるように設定しないと,被験者間の結果の偏りが生じる 可能性があるため,本実験では実験中に仮名漢字変換の学習ツールを無効にした.
Note Window Q&A Window
Media Window
図3.12 改善されたタスク3と4のUI
(キーボード入力:スクリーン上の配置と同様)