1. 連合軍は1943年7月にイタリア軍を制圧した.
2. 文部省によれば,平成10に幼稚園数はやく1万5千園で,少々減少.
3. 国際オリンピック委員会.
4. 物流商品コードでは,細い黒を0,太い黒を1として,2進数で表現する.
5. CISCはRISCにくらべての演算の命令が複雑である.
6. 通信と放送衛星に分ける.
7. 19世紀半ばになると,帝国主義は自由貿易帝国主義に変容する.
8. 植民地と植民地主義.
9. IPv6は32ビットから128ビットへ拡張を行うもの.
10. 黒沢明監督はアカデミー賞外国語映画賞を獲得.
図3.6 タスク1の実験試料の例(予備実験)
A)○×問題のサンプル:
1. 日中戦争のきっかけは,盧溝橋事件です.
(○ or × - ×であれば,本当の答えを書きなさい)
2. 日本に来た連合国最高司令官はマッカーサーです.
(○ or × - ×であれば,本当の答えを書きなさい)
3. 東京大学の紛争のときに,全てのバリケードを撤去するのに,3日間がかかりました.
(○ or × - ×であれば,本当の答えを書きなさい)
4. マッカーサー最高司令官は東京湾に上陸しました.
(○ or × - ×であれば,本当の答えを書きなさい)
5. 日中戦争のときの日本軍の残虐行為を日本人が知ったのは,戦後でした.
(○ or × - ×であれば,本当の答えを書きなさい)
B)筆記問題のサンプル
1. NHKがテレビの本放送を始めた当時,テレビの価格は大卒初任給の何倍以上ですか?
2. 日中戦争のときに,日本軍が南京を占領したのは,何月ですか?
3. 東京大学の紛争は,いつ起こりましたか?
4. マッカーサーが来日したのはいつですか?
5. 北京郊外の盧溝橋で日中両軍が衝突したのは,何年何月ですか?
6. 東京大学の紛争のときに,逮捕された学生活動家の数は,何人ですか?
7. 1945年9月2日に,東京湾に停泊したアメリカ戦艦の名前は何ですか?
8. NHKがテレビの本放送を始めたのはいつですか?
9. 日中戦争のときに,日本軍が上海を占領したのは,何月ですか?
10. 東京大学の紛争のときに,学生はどこにたてこもりましたか?
図3.7 タスク4の問題集の例(予備実験)
表2 予備実験の実験機材
コンピュータ Dell Precision360(CPU:Pentium 4 3GHz)
OS Microsoft Windows XP
入力デバイス
手描き入力:
― Wacom社製液晶 ペンタブレットCintiq1800
― 解像度1280×1024
キーボード:標準のQWERTY配列キーボード
3.5.2 予備実験の結果
3.5.2.1 予備実験の様子
予備実験の被験者は,21歳から30歳までの大学院生5名である.予備実験の実験様子
を図3.8(タスク1),図3.9(タスク2),及び図3.10(タスク4)に示す.全てのタスク
は設定された時間内に終了することができたことを確認した.また,全てのタスクを終了 するまで必要な時間は,3時間程度だった.
図3.8 タスク1の様子
図3.9 タスク2の様子
図3.10 タスク4の様子
3.5.2.2 実験手法の妥当性評価
ここでは,実験中に観察した問題点,及びインタビューセッションで指摘された問題点 について以下にまとめる.
• タスク 1 では,「第2次世界大戦の日本」のように,漢字がたくさん含まれる文を数 多く用いたため,手書きの場合ストローク*7数が多くなり,妥当性のある実験結果が 得られなかった.漢字,ひらがな,カタカナ,数字,及び記号の比率に注意する必要 がある.更に,手書きの場合,実験結果はどれぐらい丁寧に書くかによって変化する ので,実験前に被験者にこのことについて指示しなければならないことが分かった.
• 予備実験では,Microsoft IME 2002漢字変換機能の学習ツールを無効にせず,実験 を行ったため,仮名漢字変換の問題点の一つである同音異義語選択操作が少なくなり,
このままではこの問題についての分析ができなくなる可能性があると分かった.
• タスク2では,一般常識の文や被験者が得意と思われる分野(情報処理関係)の文を 数多く使用したため,実験結果が選択された文によって左右され,妥当性のある実験 結果が得られない可能性が高いことが分かった.その理由は,文の内容を既に知って いるか,または文の内容が覚えやすいためである.既に記憶された文の場合は,新し い文を表示しても既に記憶された文が再現されてしまい,その結果,前に記憶した文 と同じ内容が書かれた.そのため,提示文の分野の選択に注意が必要である.
• タスク3と4では,実験は各被験者にランダムに行われたが,極端に難しい問題があ ると判明した.特に,今回出された問題の中で,世界史についての問題が極端に難し く,一方日本史についての問題が簡単であったことがアンケートから分かった.その ため,極端に難しいまたは簡単な問題は出題しないように注意しなければならない.
• タスク4では,ビデオを流すためのメディアウィンドウはメモウィンドウの隣に置か れた.手書きの場合,ビデオを見ながらメモを取ったが,キーボード入力の場合,入 力する際にキーボードに注目し,ビデオ(映像)をほとんど見なかったというキーボ ード入力特有の問題点が報告された.しかし,今回の実験ではタスク4(ビデオ―音 声+映像)で出題した問題はほとんどが音声情報から作られたので,この問題点に関 する結果がほとんど得られなかった.そのため,問題は音声情報のみならず,映像情 報からも出題しなければならない.
• タスク3と4に用いたメモウィンドウは,スクロールバーを用いて入力スペースを増 やしたり,隠れている部分を表示させたりする.そのため,手書きの場合は,ペン入 力デバイスを用いてスクロールバーを操作しなければならない.Mackenzie ら [Mackenzie1991]の研究で報告されたように,ペン入力デバイスでスクロールバーの ような細かい部分を操作するのは困難である.そのため,手書きで入力する際に,入 力スペースを増やすためにスクロールバーを操作しなければならないので,非常に時
*7 1画として入力された筆跡情報のこと
間がかかり,そのため重要な内容をメモできなかったケースが多く見られた.また,
問題を解く際にも,スクロールバーを用いて隠れている部分を表示させなければなら ないため,時間がかかったと報告された.そのため,手書き入力のメモウィンドウに は,スクロールバーを使ってはいけないということが分かった.
• また,キーボード入力のメモウィンドウには,ダイヤグラムを描くためのツールが準 備されていない.手書きでは,自由にダイヤグラムを描けるが,キーボードではテキ ストしか入力できないので,比較という点では妥当ではないと報告された.そのため,
キーボードのメモウィンドウにも,ダイヤグラムを描くためのツールを準備しなけれ ばならないということが分かった.
3.5.3 予備実験の結論
5 名の被験者による予備実験を行い,実験の観察とインタビューより,実験の手順,使
用したUI,実験試料などに以下のような問題点が明らかになった.
1. 文を書き写す際に,手書きの場合漢字が多くなるとストローク数も多くなり,時間 がかかってしまう.そのため,漢字,ひらがな,カタカナ,数字,記号の比率に 注意が必要である.
2. どれぐらい丁寧に書く必要があるかは,手書きの書く時間に影響するため,実験前 に指示する必要がある.
3. 同音異義語選択操作の問題点を十分に分析できるように,タスク中に Microsoft
IME 2002漢字変換機能の学習ツールを無効にしなければならない.
4. 文を記憶する際に,内容が一般常識または得意な分野であれば,覚えやすい,また は内容が既に記憶されている恐れがあるので,妥当な結果が得られない.提示文 の分野の選択に注意が必要である.
5. キーボード入力の場合,手書きの場合とは異なって被験者はほとんどメディアウィ ンドウを見ていない.妥当な結果を得るために,質問は音声情報のみならず,映 像情報からも出題すべきである.
6. 極端に難しいまたはやさしい問題は評価に影響するので,このような問題は出題し ないように注意すべきである.
7. ペンでスクロールバーを操作するのは困難であるため,手書きのメモウィンドウに は,ページボタンのような柔軟性のあるページ操作方法を提供する必要がある.
8. 手書きと平等に比較するためには,キーボードのメモウィンドウにも,ダイヤグラ ムを描くためのツールを準備しなければならない.