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タスク 4 の分析と評価

3.7 比較実験結果の分析と評価

3.7.4 タスク 4 の分析と評価

動画のようなマルチメディア情報は,音声のみならず,映像情報も非常に重要であるた め,手書きまたはキーボードでメモを取る際に,映像情報を正確にメモすることができる かどうかを分析しなければならない.

タスク3と同様,タスク4で明らかにしなければならないパラメータは,入力したメモ の十分さと正確さ,及び解答の正答率の2つである.分析のため,まず被験者のメモと予 めビデオ試料から抽出した概念を比較し,どれぐらい被験者のメモの中に概念数が含まれ

ているかを分析し,手書きのメモとキーボードでのメモの間に,メモの十分さ・正確さに ついて差があるかどうかを明らかにする.次に,被験者の回答を分析し,手書きとキーボ ードの間に正答率の差があるかどうかを明らかにする.以下では,各パラメータに関する 分析と評価を述べる.

3.7.4.1 入力メモの正確さに関する分析

タスク3と同様,ビデオ試料から予め抽出した概要と,15名の被験者が入力したメモを 比較し,どれぐらい入力したメモの中に設定された概要が含まれているどうかを分析する.

分析した結果,表3.16に示すように手書きで入力したメモはキーボードで入力したメモ より平均的に含まれた概念数が22%程度多いという結果が得られた.t検定で調べた結果,

全体的にキーボードと手書きの間には,有意水準1%で有意差が認められた(t(14)=6.596,

p <0.001).また,15人の被験者の内,12名が手書きの方がキーボードより正答数が多か

ったという結果が得られた.

以上の結果から,メモの十分さ・正確さに関しては,タスク3と比較して,手書きの方 がはるかに評価が高かったという結果が得られた.キーボードでは映像情報に関するメモ をあまり取れないという問題点が大きく実験結果に影響すると考えられる.

表3.16 入力メモに含まれた平均概念数(タスク4)

手書き入力 キーボード入力 メモに含まれた

平均概念数 27.0 / 38 21.7 / 38 セッシ

ョン1

T-test t(14)=3.493, p <0.001

メモに含まれた

平均概念数 22.0 / 35 17.6 / 35 セッシ

ョン2

T-test t(14)=3.420, p <0.001

メモに含まれた

平均概念数 21.4 / 42 15.7 / 42 セッシ

ョン3

T-test t(14)=4.385, p <0.001

3.7.4.2 回答の正答率に関する分析

ここでは,回答の正答率について分析を行う.タスク4は3つのセッションから構成さ れており.各セッションの問題数はそれぞれ10問,15問と11問であり,被験者は15名 である.タスク3と同様の方法で正答数を集計し,結果を表3.17にまとめる.

回答の正答率の分析から,平均正答率は手書きの方がキーボードより 19.4%程度高 かったというが分かった.t検定を用いて調べた結果,全体的にキーボードと手書きの 間には,有意水準1%で有意差が認められた(t(14)=5.223, p <0.01).また,全体的に 15人の被験者の内,メモの十分さ・正確さの評価に関しては全員,正答率の評価に関 しては14名が手書きの評価がキーボードより高かったということも分かった.

以上の結果から,正答数に関しては,手書きの方がキーボードより正答数が多いと いう結果が得られた.特に映像から出題した問題に関しては,手書きとキーボードの 正答数の差が大きい傾向がみられた.この件に関しては,より詳しい分析が必要と考 えられる.

3.7.4.3 タスク4の結論

以上の結果から,メモの十分さ・正確さ,及び正答率の評価に関しては,全体的に手書 きの方がキーボードより評価が高かったということが分かった.また,タスク3と比較す ると,手書きに対する評価は,タスク 4 の方が高かったということが分かった.これは,

キーボードでは映像情報に関するメモが取りづらい点が原因になる可能性があると考えら れ,より詳しい分析が必要である.

表3.17 入力メモに含まれた平均正答数(タスク4)

手書き入力 キーボード入力 平均正答数 7.4 / 10 6.3 / 10 セッシ

ョン1

T-test t(14)=2.275, p <0.05

平均正答数 11.3 / 15 9.0 / 15 セッシ

ョン2

T-test t(14)=3.832, p <0.01

平均正答数 6.5 / 11 4.9 / 11 セッシ

ョン3

T-test t(14)=2.899, p <0.05