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実市場と PP モデルの市場の対応

2 Price Percolation Model

2.3 実市場と PP モデルの市場の対応

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ときは、実現難易度

v

iは、1に近い値である。逆に、その電子機器の基本機能に関しては、

0の近い値となる。

2.2.3.2 最大実現難易度Pの変動

最大実現難易度Pは、例えば、マクロ経済環境の景気変動や電子機器の市場拡大のよう な市場動向等のビジネス環境の変化とともに変動する。景気拡大期には、電子機器メーカ ーは、多くの消費者が高機能・高価格の完成品を購入すると期待する。そして研究・開発 に、より多くの投資をする。そのため景気拡大期には、Pが高まる。逆に景気後退期には、

電子機器メーカーは、販売の不振を予想し、完成品の機能の改良よりも、コスト・価格の 削減を優先する。そのため、Pは小さくなる。陳腐化した電子機器は、通常安価である。

そのため電子機器メーカーは、機能の追求より価格を抑えることに重点を置き、過剰な機 能を取り除こうとする。その結果、Pは小さくなる。P=1は、電子機器メーカーが、電子 機器の機能に関するすべての顧客の要求を満足することができたことにより、潜在需要の すべてが顕在化したことを意味する。

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が浸透して行く余地のある市場である。新市場は、その時点での製品価格水準では消費可 能な所得水準にはない、あるいはインフラの整備がなされておらずそれらの機器が使用で きないが、将来は製品の価格ダウンや所得の向上、インフラ整備が達成され消費の可能性 がある市場である。

さらに既存市場は、すでに需要の現れている「顕在市場」と、顕在化する見込みのある

「潜在市場」に分けることができる。また、すべての新製品がそうであるように、普及の 飽和には時間がかかるため、既存市場には、飽和するまで顕在市場と潜在市場が並存して いる。

一方機器の供給サイドからの視点では、「既存機器」と「新機器」の見方ができる。既 存機器は現在生産、販売されている機器であり、新機器とは、例えば1980年当時における 携帯電話のような現時点ではまったく形になっておらず、将来生まれる機器のことである。

上記の分類において、既存機器の新市場と新機器は現時点では存在しない市場であるか ら、「見えない市場」ととらえることができる。一方、既存機器の既存市場は「見える市場」

と捉えられる。以上で定義した市場構成要素から汎用電子部品の全市場をとらえると、全 市場は見える市場と見えない市場の和で与えられるため

見えない市場 潜在市場

顕在市場

全市場   

(5)

と表すことができる。[図9参照]

2.3.2 モデルの市場構造

PPモデルでは、次の2つのパラメータ、格子サイズLLと最大実現難易度Pを導入した。

この2つのパラメータから出発し、簡単な操作でいくつかの変数を導出する。また同時に、

それらの変数に意味付けを行う。

PPモデルは、サイズLLの正方格子である。この定義から

N L

L  

(6)

なる

N

は正方格子の総格子点数であり、2.2で導入した金額で捉えた総潜在需要

N

である。

市場の視点では、「総潜在市場」と呼べる。

次に、最大実現難易度Pに(6)式で与えられた

N

を乗じて得られる値を

n

とする。

n N

P  

(7)

最大実現難易度Pの定義から、

n

は顕在化した需要で、市場の視点では、売買が成立した 市場であり顕在化した市場ととらえることができるので「顕在市場」と呼べる。

次式で与えられる

m

は、総潜在需要から顕在化した需要を引いた残りの潜在需要で、い つでも顕在化する可能性がある「潜在市場」と考えられる。

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Nnm  (8) 以上で導出した変数を用いると、最大実現難易度:Pは(9)式で与えられる。

N

Pn (9)

(9)式は、顕在市場と総潜在市場の比であるから潜在需要の顕在化率と考えることができる。

そこで以降、最大実現難易度Pを「顕在化確率」と呼ぶことにする。

以上で変数

n

m

N

を定義した。さらにここで、総潜在市場

N

の量的変化を把握で きるよう、

N

の外に未知なる市場として「見えない市場」

UN

を定義する。ここで導入し た見えない市場とは、ある時点では存在しないため、だれにも見えない市場のことである。

ここでは、

N

が拡大し

N   N

となると、見えない市場

UN

UN   N

と変化するととら

えることにする。またここで見えない市場を導入したことで、総潜在市場

N

は「見える市

図 9 PPモデルの市場構造

図 10 実市場とモデルの対応 顕在市場 潜在市場

n m

全 市 場    総潜在市場 N    

(既存市場)

新市場

         

UN

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場」と位置付けることが可能になる。そしてこれら諸変数の関係を集合論的に表すと図9 になる。

本節で定義した記号nmNUNを用いると、電子部品の全市場を与える(5)式は、

UN m n  

 全市場

となる24。以上により、現実の市場構造とPPモデルのパラメータから導出された変数が構 成する市場構造を、1 対 1 対応させることができた。これにより、顕在市場、潜在市場、

見える市場等の実際の市場構成要素の挙動を、本モデルにおいて操作するパラメータ

n

m

N

の操作に変換することができるようになった。2.3.1 の議論を整理し、本項で導入 した

n

m

UN

とを対応したものが図10である。