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安全管理者による検討会

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 107-112)

第 5 章 危険感受性シートの作成

5.2 危険感受性シート作成の概要

5.2.1 安全管理者による検討会

安全管理者

4

名(平均年齢

55.5±6.9

歳、平均経験年数

32.5±8.5

年)が作業現 場の巡廻時に撮影した写真(不安全状態や不安全行動の再現を含む)245 枚を持 ち寄った。それらをノート

PC

からプロジェクターを使ってスクリーンに映しな がら、「ケーブル損傷・抜け」、「誤接続・誤接触」、「転落・転倒」につながる恐 れがある写真

11

枚を選んだ。

次に写真を拡大し模造紙に貼って危険個所の協議をおこなった。そして、危険 感受性シートに用いる写真

4

枚を選んだ(図

5-1

参照)。人的事故につながる恐 れがある写真は

2

枚、設備損傷事故につながる恐れがある写真は

2

枚であった。

図 5-1 危険感受性シートに用いる「危険場面」

出典:筆者作成

なお、人的事故につながる恐れがある場面を英文字の

A

とし、設備損傷事故に つながる恐れがある場面を

B

とした。

以下は、第

1

回検討会での議事録からの意見を引用する。下線部は重要な箇所 である。

A-1.「立馬作業」場面

・MM氏(施設部安全管理者:年齢

52

歳、経験年数

28

年)

97

この作業は、立馬の感知バー87が外れている。作業に集中していると感知バ ーの外れに気づかず転倒することがある。立馬作業や脚立作業では、ヘルメ ットのあご紐をしっかりと締めないといけない。過去に作業員が一人で火報 器(地下駐車場)の取付けを脚立作業でおこない、作業中にバランスを崩し て脚立から転落したという事例がある。その際に、ヘルメットが外れ、床に 頭を強く打って重体になった。ヘルメットのあご紐をしっかり締めておらず に転落時にヘルメットが外れた。

・OK氏(安全管理部長:年齢

61

歳、経験年数

37

年)

立馬の上に不要なビニール袋がある。作業に集中しているとビニール袋に足 を滑らせて転落することがある。作業前に不要物がないかの点検が必要であ る。

A-2.

「脚立作業」場面

・MM氏(施設部安全管理者:年齢

52

歳、経験年数

28

年)

脚立の足の部分に養生のビニールシートが下だと滑ることがある。

・OK氏(安全管理部長:年齢

61

歳、経験年数

37

年)

作業個所が高いと脚立の天板に立つことがある。そして、体のバランスを崩 して転落することがある。作業に応じた脚立の選定が大事である。

・KM氏(施設部安全管理者:年齢

61

歳、経験年数

42

年)

作業条件に合った脚立の選定が大事である。

・KS氏(情報通信工事部門安全管理者:年齢

47

歳、経験年数

23

年)

脚立作業の際に、ヘルメットの構造や作業前の点検の仕方などの正しい知識 を教える必要があると思う。

87 作業者の体に触れることで墜落・転落の危険を伝える安全装置である。

98

B-1.「配線ラック内のチェック」の場面

・KS氏(情報通信工事部門安全管理者:年齢

47

歳、経験年数

23

年)

データセンターやマシンルームの配線ラックは稼働中の機器が多い。ケーブ ル配線作業では、配線ラック内に引き込むことが多い。調査中に機器に接続 されているケーブルに体に触れて通信障害を引き起こした事例がある。

B-2.

「配線接続の作業」場面

・OK氏(安全管理部長:年齢

61

歳、経験年数

37

年)

配線ラック内の作業は、注意していても既存の電源ケーブルが引っ掛かり、

電源コンセントが抜けることがある。

・MM氏(施設部安全管理者:年齢

52

歳、経験年数

28

年)

配線ラック内で危ない箇所の作業には、お客さんに立ち会ってもらった方が いい。

・KM氏(M社安全管理者:年齢

61

歳、経験年数

42

年)

配線ラック内は稼働中の機器が多いので、どこを注意すればよいかを教える 必要があるのではないか。

・OK氏(安全管理部長:年齢

61

歳、経験年数

37

年)

稼働中の機器が多いリスクの高い作業環境下では、

2

人で作業をおこなうこ とが必要である。

・KM氏(M社安全管理者:年齢

61

歳、経験年数

42

年)

データセンターやマシンルームは、オフィスや学校と比べて作業環境が異な るので危険に対する感性を養う必要がある。

・KM氏(M社安全管理者:年齢

61

歳、経験年数

42

年)

過去に作業経験が浅い作業員が間違って稼働中のケーブルを切断した事例 がある。彼は、マシンルームの改修作業で、「全ての設備を撤去する」と職

99

長に聞かされた。そのため、ケーブルも全部撤去するものだと勘違いし、残 す通信ケーブルも切断してしまった。職長も「まさか、このケーブルは撤去 しないだろう」と思い、危険予知(KY)時に詳細な指示をしなかった。作 業前に、どこが危険のポイントかを教える必要があると思う。

・KS氏(情報通信工事部門安全管理者:年齢

47

歳、経験年数

23

年)

配線ラック内では、捕縛していないケーブルがある。間違って引っ張ること があるので、危険に対する感度が大事である。

この検討会では、安全管理者の経験知を表出化することができた。安全管理者 は、過去の体験から現場の危険箇所を察知して、瞬時に各種の作業用具における 使用基準や作業ルールと照合させて危険回避策を話す傾向があった。

「立馬作業」の場面では、7つの危険箇所が指摘され、そのうち

1

つが最も危 険であると指摘された。

・ヘルメットのあご紐が緩いと転落した場合に、ヘルメットが外れて頭を打つ 恐れがある。

・作業に集中していると感知バーの外れに気づかず転倒する恐れがある。

(重要箇所)。

・安全靴が

JIS

規格認定製品でないと衝撃に弱い恐れがある。高齢者はノンス リップの靴が良い。

・滑り止めを確認する。作業に集中しているときに気づかず転落する恐れがあ る。

・開き止めがしっかり止まっていないと、作業中に立馬が開く恐れがある。

・作業台に部材(ビニール)があると、作業中に滑って転落する恐れがある。

・安全帯が腰から上の位置でないと転落した場合に安全帯の効果が低い。

「脚立作業」の場面では、6つの危険箇所が指摘され、そのうち

2

つが最も危 険であると指摘された。

100

・天板作業は、脚立から転落する恐れがある(重要箇所)。

・ベニア板の上だと脚立が不安定になることがある。

・脚立の下に養生シートがあると降りるときに足が絡まり、転倒すること恐れ がある。

・一人の作業員が脚立を押さえないと脚立が不安定になる。

・残材が散乱していると作業中につまずく恐れがある。

・安全帯のフックを掛ける位置が低いと転落した場合に安全帯の効果が低い

(重要箇所)。

「配線ラック内のチェック」の場面では、6 つの危険箇所が指摘され、そのう ち

4

つが最も危険であると指摘された。

・配線ラックの左の電源コンセントに触れると電源コンセントが外れ、機器が 停止する恐れがある(重要箇所)。

・配線ラックの右の電源コンセントに触れると電源コンセントが外れ、機器が 停止する恐れがある(重要箇所)。

・機器の電源部分を引掛けると電源コンセントが外れて、機器が停止する恐れ がある(重要箇所)。

・機器に接続されているケーブルを引掛けてしまうと、通信障害が発生する恐 れがある(重要箇所)。

・機器の上に不要な部材があると作業がしづらい。

・ケーブルの引出口を整理しないと、他のケーブルと接触しまう恐れがある。

「配線接続の作業」の写真では、7つの危険箇所が指摘され、そのうち

3

つが 最も危険であると指摘された。

・作業中に機器の接続部分に触れるとケーブルが抜けて、機器が停止する恐れ がある(重要箇所)。

・通信ケーブルの誤切断・誤接続は、システム障害につながる恐れがある。

(重要箇所)

101

・作業中に電源コンセントに触れると電源コンセントが外れて、機器が停止す る恐れがある(重要箇所)。

・OAタップの手が触れると他設備の電源コンセントが外れて、抜ける恐れが ある。

・電源ケーブルが結束されていないので誤接触する恐れがある。

・配線ラック内の整線は、繊細なので保護手袋を使うと指の感覚が鈍くなるこ とがあり、接続状態が分かりにくい。

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 107-112)