第 4 章 ヒヤリ・ハットとヒューマンエラーの関係分析
4.2 情報通信工事部門におけるヒヤリ・ハット分析
4.2.3 ヒヤリ・ハット活動に関するアンケート調査
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としては、「危険に遭遇する機会が少ない」、「経験知が豊富なため自分でヒヤリ・
ハットと認識しない」などが考えられた。このグループは、作業現場で経験の浅い 作業員に指示することが多いため、グループ
3
と比べ作業中に危険を体験していな いと考えられた。過去の経験から危険を回避する知識を有しており、経験知の過信 からヒヤリ・ハットと認識されていないこともあった。しかし、高齢者になると加 齢に伴う心身機能の変化から、個人によって大きく差があり、経験知を過信しない ように心身機能に関する安全教育の必要があった。79
表 4-6 アンケート回答者の経験年数
出典:筆者作成
「ヒヤリ・ハットの効果の有無」は、63名(93%)が「効果あり」と回答し、「効 果なし」が
1
名(1.4%)、無回答が4
名(5.6%)であった。「ヒヤリ・ハット活動が 事故防止に役立つ理由」の回答は、53件であった。表4-7
に自由記述式回答を整理 した。「事前対策」は19
件、「危険認識」は14
件、「危険予想」は20
件であった。表 4-7 ヒヤリ・ハット活動が事故防止に役立つ理由
出典:筆者作成
80
「事前対策」では、作業員が自分の体験知を文字に書くことで自己学習機能が働 くと考えられた。「危険認識」では、作業員が現場の危険情報を共有・活用するこ とで危険を回避する知識が創造されていた。「危険予測」では、作業員がヒヤリ・
ハットから現場の危険個所を認知し、危険を回避する対策を考えて安全行動に移し ていることが考えられた。しかし、「事故が起こる場合、複合的な要素が積み重な って起こるケースが多いため細かくヒヤリ・ハットの原因を検証していく必要があ る(
ID
番号20
)」という意見があった。事故発生には複数の要因が存在しており、ヒューマンエラーにつながる分析も必要であることが示唆された。
表
4-8
に示すように「ヒヤリ・ハット活動が事故防止に役立たない理由」の回答 は19
件であった。「マンネリ化」は3
件、「意識の違い」は11
件、「情報の共有化」は
5
件であった。表 4-8 ヒヤリ・ハット活動が事故防止に役立たない理由
出典:筆者作成
「マンネリ化」や「情報の共有化」では、ヒヤリ・ハットの活用に課題があり、
ヒヤリ・ハット情報を活かす仕組みの検討が挙げられた。「意識の違い」では、ヒ ヤリ・ハットから危険に対する捉え方は個人によって異なるという意見があり、危
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険回避には各自の経験と知識が影響されると考えられた。危険の捉え方は個人ごと で異なるため、ヒヤリ・ハットを活用した取り組みの課題が挙げられた。さらに、
ヒューマンエラーにつながる要素の視点からも新たに検討が必要であることが示 唆された。