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危険感受性シート測定結果

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 123-135)

第 6 章 危険感受性シートによる安全教育

6.3 危険感受性シート測定結果

112

E、未教育群を N

として番号の前に付けた。安全教育対象は、現場代理人、職長、

作業員、SE89(社員及び

1

次~3次協力会社)であった。

113

図 6-5 危険感受性シート回答の様子

(2013年

9

30

日筆者撮影)

「立馬作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差(t(30)=1.97,p

>0.01)が認められなかった。「脚立作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目 測定では有意差(t(20)=6.02,p<0.01)が認められた(図

6-6

参照)。

6-6

「教育群」の「立馬作業」、「脚立作業」の指摘箇所数

出典:筆者作成

重要箇所の指摘数は、「立馬作業」は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差

(t(30)=1.97,p>0.01)が認められなかった。「脚立作業」の重要箇所は、第

1

回目 測定と第

2

回目測定では有意差(

t(30)

6.01,p

0.01

)が認められた(図

6-7

参照)。

114

図 6-7 「教育群」の「立馬作業」、「脚立作業」の重要箇所数 出典:筆者作成

「立馬作業」の指摘数は、教育後も大きな変化が見られなかったが、「感知バー の外れ」の個所は、ほとんどの人が指摘していた。「脚立作業」の「天板作業」も 同様であり、危険という認識がされていた。「安全帯のフック掛けの位置」と「脚 立の設置場所」の知識には、バラツキがあり危険個所として認識に差があることが 認められた。安全教育後では、危険個所として認識されるようになった。

「配線ラック内のチェック」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では「有 意差(t(20)=4.51,p<0.01)が認められた。「配線接続の作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差(t(30)=7.35,p<0.01)が認められた(図

6-8

参照)。

図 6-8 「教育群」の「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の指摘箇所数 出典:筆者作成

「配線ラック内のチェック」の重要箇所は、1 回目測定と

2

回目測定では有意差

115

(t(30)=3.38,p<0.01)が認められた。「配線接続の作業」の重要箇所は、第

1

回目 測定と第

2

回目測定では有意差(t(30)=2.75,p<0.05)が認められた(図

6-9

参照)。

図 6-9 「教育群」の「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の重要箇所数 出典:筆者作成

「配線ラック内のチェック」と「配線接続の作業」は教育効果が顕著に現れた。

「配線ラック内のチェック」では、片方の電源コンセントは危険箇所として指摘さ れたが、もう一つの電源コンセントは危険個所としての見落としが考えられた。危 険箇所としての見落としや認知不足が重なると、作業中のわずかな動作でも稼働中 の機器に触れてしまい、通信障害につながる恐れがあった。「配線接続の作業」は、

機器の電源コンセント部やケーブルの接続部への指摘は多かったが、もう

1

つの重 要指摘箇所についてはバラツキが見られた。

KY

活動で最も周知すべき内容」の自由記述では、「脚立作業」は第

1

回目、

2

回目測定ともに有効回答は

31

件(回答率:100%)であった。「配線接続の作 業」は第

1

回目、第

2

回目測定ともに有効回答は

31

件(回答率:100%)であっ た。表

6-3

に教育群の

KY

活動で周知すべき内容を示す。

116 表 6-3

KY

活動で周知すべき内容(教育群)

出典:筆者作成

「脚立作業」は、第

1

回目測定は「脚立天板での作業禁止」の記述であったが、

2

回目測定では、「脚立の支持方法」や「安全帯の位置」など、より安全な作業 方法の記述がされた。

6.3.2「未教育群」の測定結果

未教育群の有効回収数は

26

件であった。「男性」が

26

名(平均年齢

38.1±11.1

歳、平均経験年数

13.7±9.3

年)であった。表 6- 4に「未教育群」の有効回収数を 示す。

117 表 6-4 「未教育群」の有効回収数

地区 日時・場所 参加人数

西部 2013年6月14日 16時~16時30分

本社会議室

現場代理人4名、職長1名、作業員6名、SE 3名

東部 2013年9月10日 17時~18時30分

本社会議室

現場代理人1名、職長2名、作業員9名

注記

「未教育群」の参加者は26名(平均年齢38.1±11.1歳、平均経験年数13.7±9.3年)で ある。内訳は以下の通りである。

・現場代理人:5名(平均年齢40.2±8.2歳、平均経験年数19.2±8.3年)

・職長:3名(平均年齢36.7±5.8歳、平均経験年数14.3±3.8年)

・作業員:15名(平均年齢39.1±13.7歳、平均経験年数12.8±10.6年)

・SE:3名(平均年齢30.7±4.9歳、平均経験年数9.0±6.1年)

出典:筆者作成

「立馬作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差(

t(25)

1.54,p

>0.01)が認められなかった。「脚立作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測 定では、有意差(t(25)=1.89,p>0.01)が認められなかった(図

6-10

参照)。

「配線ラック内のチェック」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意 差(t(25)=1.81,p>0.01)が認められなかった。「配線接続の作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差(t(25)=1.0,p>0.01)が認められなかった(図

6-11

参照)。

6-10

「未教育群」の「立馬作業」、「脚立作業」の指摘箇所数

出典:筆者作成

118

図 6-11「未教育群」の「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の指摘 箇所数

出典:筆者作成

重要箇所については、「立馬作業」の第

1

回目測定と第

2

回目の測定では、有意 差(t(25)=1.0,p>0.01)が認められなかった。「脚立作業」の指摘数は、第

1

回目測 定と第

2

回目測定では、有意差(

t(25)

1.08,p

0.01

)が認められなかった(図

6-12

参照)。

図 6-12「未教育群」の「立馬作業」、「脚立作業」の重要箇所数 出典:筆者作成

「立馬作業」、「脚立作業」におけるそれぞれの指摘数について、第

1

回目測定と 第

2

回目測定を比較すると、指摘率に大きな変化が見られなかった。「立馬作業」

の「感知バーの外れ」の箇所、「脚立作業」の「天板作業」の箇所は、ほとんどの 人が危険箇所として認識していることが確認された。しかし、他の箇所について指 摘にバラツキが見られ、認識に差があることが確認された。

119

「配線ラック内のチェック」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意 差(t(25)=1.08,p>0.01)が認められなかった。「配線接続の作業」の指摘数は、第

1

回目測定と第

2

回目測定では有意差(t(25)=0.7,p>0.01)が認められなかった(図

6-13

参照)。

図 6-13 「未教育群」の「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の重要箇所数 出典:筆者作成

「配線ラック内のチェック」と「配線接続の作業」についても同様であり、第

1

回目と第

2

回目を比較すると、第

1

回目で見落とした箇所を第

2

回目で指摘した人 もいたが、指摘率には大きな変化は見られなかった。

「KY活動で最も周知すべき内容」の自由記述では、「脚立作業」は、第

1

回目測 定の有効回答は

25

件(回答率:

96.2%)

、第

2

回目測定の有効回答は

24

件(回答率:

92.3

%)であった。「配線接続の作業」は、第

1

回目測定の有効回答は

26

件(回答 率:100%)、第

2

回目測定の有効回答は

24

件(回答率:92.3%)であった。表

6-5

に未教育群の

KY

活動で周知すべき内容を示す。

「脚立作業」と「配線接続の作業」については、第

1

回目測定と第

2

回目測定で は同じ内容であった。自由記述結果についても、第

1

回目と第

2

回目の記述と同じ であり変化は見られなかった。

120

表 6-5

KY

活動で周知すべき内容(未教育群)

出典:筆者作成

6.3.3 「未教育群」と「教育群」の測定結果比較

未教育群と教育群の第

2

回目測定の結果を比較し、危険感受性シートによる安全 教育の有効性検証をおこなった。「立馬作業」において未教育群と教育群では、有 意差(t(55)=0.30,p>0.01)が認められなかった。「脚立作業」の指摘数は、未教育 群と教育群では有意差(t(55)=0.23,p>0.01)が認められなかった(図

6-14

参照)。

図 6-14「立馬作業」、「脚立作業」の指摘数比較

出典:筆者作成

121

「立馬作業」の重要箇所は、未教育群と教育群では有意差(t(55)=0.62,p>0.01)

が認められなかった。「脚立作業」の未教育群と教育群では有意差(t(55)=3.46,p<

0.01)が認められた(図 6-15

参照)。

図 6-15「立馬作業」、「脚立作業」の重要箇所指摘数比較 出典:筆者作成

「立馬作業」、「脚立作業」の指摘数は、教育後も大きな変化が見られず、両群に おいて危険箇所が認識されていると考えられた。しかし、「脚立作業」の重要箇所 については、安全教育後には、危険個所として認識されるようになった。

「配線ラック内のチェック」の指摘数は、未教育群と教育群では有意差(t(55)=

0.2,p<0.01)が認められた。

「配線接続の作業」の指摘数は、未教育群と教育群では

有意差(t(55)=0.2,p<0.01)が認められた(図

6-16

参照)。

図 6-16「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の指摘数比較 出典:筆者作成

122

「配線ラック内のチェック」の重要箇所指摘数は、未教育群と教育群では、有意 差(t(55)=0.28,p<0.01)が認められた。「配線接続の作業」の重要箇所指摘数は、

未教育群と教育群では有意差(t(55)=3.02,p<0.01)が認められた(図

6-17

参照)。

図 6-17「配線ラック内のチェック」、「配線接続の作業」の重要箇所指摘数比較 出典:筆者作成

「配線ラック内のチェック」と「配線接続の作業」は教育効果が顕著に現れた。

安全教育で安全知識を移転することで危険箇所として認識されるようになった。

6-6

に「教育群」と「教育群」の

KY

活動で周知すべき内容の比較を示す。

表 6-6

KY

活動で周知すべき内容(未教育群と教育群の比較)

出典:筆者作成

123

未教育群と教育群における経験年数の浅い作業員を比較すると、未教育群の記述 内容は少なく、教育群は「脚立の支持方法」、「機器接続状態の確認」、「ケーブルラ ベルの表示確認」など、より深く現場の状況を認識されるようになった。さらに、

経験年数が多い作業員は、安全教育によって「脚立の開き止めの確認」、「飛散防止 対策」、「機器のランプ状態」、「既存設備との接触」が記述されるようになった。過 去災害事例や各種基準を改めて確認することで危険個所が表出化された。

6.3.4 事故防止に関するアンケート調査結果

6-18

に「未教育群」のアンケート調査結果、図

6-19

に「教育群」のアンケー ト調査結果を示す。

図 6-18 事故防止に関する未教育群へのアンケート調査結果 出典:筆者作成

124

図 6-19 事故防止に関する教育群へのアンケート調査結果 出典:筆者作成

この調査結果によると「未教育群」、「教育群」ともに「作業前の

KY

活動」、「作 業手順書の周知徹底」、「作業員の適正配置」を上位に挙げており、現場の状況を認 知と危険を回避する経験知の表出化が最も有効であることが示唆された。その安全 知識を作業手順書で言語化し、KY 活動で共有することが事故防止に効果的と考え られる。

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