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安全率について

ドキュメント内 Ⅶ 有限要素法解析のための破壊力学の基礎 (ページ 196-200)

12. 構造強度設計

12.7 安全率について

ごとに条件が異なっている。従って、各種規格・基準で取り扱われているものの、取り扱い方 が必ずしも統一しているわけではない。多くの場合、腐食しろを考慮することにより設計する ことを原則とする。腐食しろは次式で定義される。

腐食しろ(mm)=年間侵食度(mm/年)×耐用年数(年)

設計時に、設計板厚に腐食しろを加算することにより、安全裕度を確保する。年間侵食度は求 まっていない場合も多く、経験値による場合も少なくない。従って、腐食しろの設定は上式よ り、さらに余肉を加えた値をとることも多い。

腐食しろについては、多くの規格で規定されており、例えば国内規格の代表的なものとして

「圧力容器の規格」(JIS B8243)の例を表12-1に示す。JIS B8243の特徴は、一般的な腐食し ろの基準が示されていることである。表12-1に、基準を示す。4グレードからなり、経験的事 実によってグレードの適用がはかられるようになっている。

表12-1腐食しろの基準 グ レ ー

ド 項目

1 2 3 4

腐食の度合 侵食されない 侵食はわずかであ る

侵食される かなり侵食され る 腐食の速さ

mm/年 <0.05 0.05~0.13 0.13~0.25 >0.25

腐食しろ 0 1mm以上 2mm以上 3mm以上

なく、図12-34のように確率密度関数を用いて表現される。

ばらつき表現の一般化のために図 12-34のような確率密度関数が用いられる。確率密度関数 では、変数の発生確率が面積で表現される。例えば、図中の斜線部の面積は、強度の存在する 確率を示している。この場合、強度のばらつきを考慮してもなおかつ安全となるように、許容 応力を決定する。このため、ばらつきを代表する値(平均値など)に対して、十分小さな値と なるよう、安全率を用いて次のように決定する。

安全率 許容応力

=

代表値

ここで、代表値と許容値が離れているほど、安全に対して余裕があることになり、この差異 のことを安全裕度と呼ぶ。

図12-33 強度のヒストグラム

図12-34 許容応力の考え方

強度 度数

10 20 30 40

0

強度 確率密度

0.1 0.2

0

確率密度関数

許容値 代表値

安全裕度

参考資料 モールの応力円

二次元応力場に対応するモールの応力円の使い方を説明する。モールの応力円では、垂直応 力を右向き、せん断応力を下向き正としたグラフ上に、図1のように、●

( σ

x

, τ

xy

)

と○

( σ

y

, − τ

xy

)

を直径の両端とする円を描く。

σ

x

, τ

xyの面をθだけ回転した面の応力

σ

θ

, τ

θは、図1のように、

( σ

x

, τ

xy

)

より、2θ回転した□

( σ

θ

, τ

θ

)

の値より求めることが出来る。

σ

y

, − τ

xyを求める際は、

せん断応力の符号が逆になるので注意すること。

図1 モールの応力円

座標変換を行った際の垂直応力の最大値と最小値はσ軸(x軸)との交点により求まる。すなわ ち、図2のように第一、第二主応力(σ1、σ2)が求まる。同様に、最大せん断応力(τmax)は円 の半径r=(σ12)/2により求まる。

図2 モールの応力円(主応力の求め方)

また、逆に、モールの応力円からθ軸との交点により、σ1とσ2が、τ軸の最大値からτmaxが容 易に求まることがわかる。

) , ( σ

θ

τ

θ



 

 +

0 2 ,

2

1 σ

σ

2

2

1 σ

σ −

= r

σ

1

σ

2

σ

τ

必ずτθの符号逆!

) , ( σ

θ

τ

θ

θ

2

σ

τ

) , ( σ

x

τ

xy

)

, ( σ

y

− τ

xy

σ

y

σ

x

τ

xy σθ

τ

θ

x’

y

θ

θ

(例1)x方向の単純引張りの応力場は、45°傾けた座標系ではどう表現されるか?

座標系を反時計回りに 45°傾けると、応力は

 

 

→ −

 

 

5 . 0 5 . 0

5 . 0 5 . 0 0

0 0

1 の変換となる。135°

傾けると

 

 

→ 

 

 

5 . 0 5 . 0

5 . 0 5 . 0 0

0 0

1

の変換となる。

(例2)単純せん断(τxy=1)のとき、σ1とその方向を求めよ。

 

 

→ −

 

 

1 0

0 1 0

1 1

0

σ1=1(x面から45°)、σ2=-1 (x面から 135°)

(例3) σxy=1のときのモールの応力円を作成せよ。

°

=90 2

θ

σ

τ

) 1 , 0 ( ) , ( σ

x

τ

xy

=

) 1 , 0 ( ) ,

( σ

y

− τ

xy

= −

=

1

τ

xy

y x’

θ=45°

θ

=

1

τ

xy

°

=90 2

θ

σ

τ

) 5 . 0 , 5 . 0 ( ) ,

( σ

x

τ

xy

= −

) 5 . 0 , 5 . 0 ( ) ,

( σ

y

− τ

xy

=

=

1

σ

x

y’ x’

θ=45°

45°

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