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学生生活への配慮

ドキュメント内 はじめに (ページ 84-98)

目標:本学は中央区築地にあって、中央区保健所、聖路加国際病院および予防医療センターなどヘル スサービスの提供を担う地区に位置している。このような環境の中で学生がより充実したキャ ンパスライフを送ることができるよう配慮を施す必要がある。特に経済的な問題、心身の健康、

ハラスメント、就職・進学等の将来の問題、課外活動の充実などの問題は学生生活の質に影響 を与える大きな要因であり、これらの現状を把握し、適切な対応をしていかなければならない。

本学は、これらのさまざまな学生生活に関する課題に対応してきた組織体制のあり方を改め て点検し、より適切に対応するためのシステムへと変化することをめざしている。特に学生部 を中心に、教員、健康管理室保健師ならびに校医、奨学金等担当事務部門である学生課、そし て学生諸委員会との有機的な連携をさらに推進し、学生生活の充実を実現することを達成すべ き目標としている。

1)学生への経済的支援

【現状の説明】

本学の奨学金制度は、学内奨学金と学外奨学金(日本学生支援機構、地方公共団体、民間団体による 奨学金)に大別される。奨学生の選考においては、各奨学金制度の趣旨に応じ、規程に則って、経済的 必要性、学業成績、および就学目的などが考慮される。多様な奨学金制度を紹介し、学生の状況に合 った経済的支援が受けられるように配慮している。2006年度に本学で取り扱った奨学金は、学部では 21種類、大学院では14種類である。採用は学部8種類、大学院5種類である。そのほかに大学院生の 場合、個人で申請する奨学金が数種類ある。

奨学金を受けている学生は、学部生346名中128名(37%)、大学院生130名中58名(45%)である。

そのうち主な奨学金は、日本学生支援機構の奨学金で一種および二種あわせて、学部生77名(学部生 の22%)、大学院生34名(院生の26%)である。次に多いのが本学独自の奨学金制度である聖路加看護 学園貸与奨学金で、学部生23名(7%)、大学院生18名(14%)である。2002年度に緊急採用を設けて いるが、昨年度の申請はない。

日本学生支援機構は、2005年度の学部生への年間支給総額は51,018,000円であったが、奨学金を必 要とするほとんどの学生が希望している。高校での予約を事前に得てくる学生も毎年いる。本学の場 合、2年次以上の採用内示数の少ないところに学士編入生が20名以上入学してくるのでかなり厳しい。

しかし、今年は第二種の追加募集(残存適格者)があったため、昨年度より採用者数は増加した。

給付の奨学金は5種類あり、いずれも本学学生に支給したいという団体からのものである。

岡村育英会は2005年度より学部2~4年(学士編入3~4年)を対象に支給を開始し、4名採用さ れた。また、2006年度は採用枠が8名に増え、支給金額も増額してもらっている。

学生への奨学金説明は、毎年4月に奨学金説明会を実施し、申請の前に奨学金についてその趣旨を 理解させるとともに、個々の奨学金の特徴や申請条件および書類の書式など応募にあたっての詳細な 説明をしている。また、それ以降に募集のある奨学金制度に関しては、随時奨学金専用掲示板にて募 集告知を行い、個別に相談を受けている。

奨学金業務は学生課職員が担当している。大学にもたらされた奨学金に関する情報はすべて掲示さ れ、学生への周知徹底を図っている。選考は、奨学生選考委員会で規程に則って推薦順位を決定し行 っている。2006年度奨学生選考委員会は、学長・学部長・学生部主任・教務部主任の4名で構成され、

学生課にて選考用学内資料を作成している。

12月には、主な奨学金ごとに返還についての説明会を実施している。特に日本学生支援機構は卒業 生の返還金が後輩の奨学金として循環運用されていること、また、後輩への内示数に反映されること を説明している。

【点検・評価】

日本学生支援機構奨学規程の一部改正に伴う本学の奨学規程の見直しが行われ、選考がより適切に、

よりシステマティックになされるようになったことは評価できる。

日本学生支援機構は、応募の状況をみると、無利子の第一種が不採用であった場合、有利子の第二 種を希望する学生が増えている。これらの学生は、勉学を続けるための経済的な支援の必要性が高い と考えられる。また、聖路加看護学園奨学金は、2年次以上が対象であるが、今年度は応募者の半数 が2年次に編入した学士をもつ学生であり、こうした学生に必要とされていることがわかる。

今年度は、学生から「奨学金の種類は理解できたが、どの奨学金を申し込んだらよいか」という相 談が多く、相談内容を担当職員が聞き、その内容・状況によって奨学金の申請種類について学生個々 にアドバイスを行った。特に、給付の奨学金は毎年関心が高く、相談件数が多い。

本学ホームページ改定を機に、奨学金募集の周知のため、従来の内容に加え地方公共団体なども掲 載し、また、学部生・大学院生対象の奨学金を分けることで、学生や受験生にとって理解しやすいペ ージへ変更したことは評価できる。

本学の奨学生の選考の特徴は、学園貸与奨学金の奨学生募集時期がすべての奨学金の申請後に行わ れていることにある。これにより、他奨学金に採用されなかった学生に申請してもらうことができる ため、経済的な援助を必要とする学生にとって重要な奨学金制度となっている。

ただし、本学園の奨学金は貸与を受けた期間の3倍の期間内に返還することとなっており、貸与を 受けた学生は最長9年間で月額10,000円を返還することになっている。学生にとっては返還しやすい システムになっているが、大学側にとっては奨学金の回収が長期にわたるため進学などで延滞になる 卒業生も発生している。返還期間については今後検討の必要がある。

【将来の改善・改革に向けた方策】

2007年度より学園に学部生対象の新たな奨学金制度が追加される。今後は、学生の経済状況におい てさまざまなケースが発生すると考えられるため、個々のニーズに合う新たな奨学金の情報収集に努 め、学生への周知徹底を図る。

日本学生支援機構については、その予約採用は内示数に関係しないので必要があれば高校在学中に 申請し、採用を受けてくることを呼びかけていきたい。また、有利子貸与の内示数が増加傾向にある。

今後、無利子貸与の内示数を増加させるため、卒業後遅滞なく返還するよう4年生の卒業時に開催す る奨学金返還説明会で引き続き指導していくとともに、4月の奨学金募集説明会でも返還の意義を十 分理解してもらえるよう告知していく。

表1 2006年度の学部奨学金受給状況 (小計下欄は全学部生に占める割合)

日本学生支援機構 学年

一種 二種 小計

東京都看護師 等修学資金

聖路加看護学 園貸与奨学金

その他奨学

金 計

4 9 10 19 1 3 5 28 学編4 1 2 3 0 6 2 11 3 7 11 18 0 5 10 33 学編3 0 0 0 2 3 0 5 2 5 11 16 1 3 2 22 学編2 1 0 1 0 3 1 5

1 7 13 20 2 2 24

30 47 77 6 23 22 128

小計

(%) 9 14 22 2 7 6 37

2006年度の大学院奨学金受給状況 (小計下欄は全大学院生に占める割合)

日本学生支援機構 学年

一種 二種 小計

東京都看護師 等修学資金

聖路加看護学 園貸与奨学金

その他奨学

金 計

博3 5 1 6 3 0 9 博2 4 0 4 1 0 5 博1 3 0 3 3 0 6 修2 8 2 10 2 4 1 17 修1 6 5 11 2 7 1 21

26 8 34 4 18 2 58

小計

(%) 20 6 26 4 14 2 45

2)生活相談等

【現状の説明】

(1) 健康管理

休養室を備えた健康管理室を設け、専任の保健師と学校医が中心となり、学生部の教職員や各学年 の学生保健委員の協力を得て、健康診断、応急処置、健康相談、医療機関への紹介などを行っている。

特に看護を専門として学ぶ学生にとって、自分自身で自己の健康管理ができるようになることを重視 している。

2003~2005年度は満足度の高い健康管理室の実現を目指した。特にメンタルヘルスサポートの充実 化を図り、①健康相談予約制の導入、②校医、提携カウンセラーや他機関との連携の確保、③近隣の 精神科医、心療内科医との連携システム化に重点をおいた。また、2005年度は4月より施行された個 人情報保護法にともなって作成された本学の規程に基づき、学生のプライバシーの保護に配慮しなが ら、速やかに必要な情報伝達を行う方策を検討した。

入学時には保健師が個別面接を行い、入学時の不安と生活面および身体面の問題の相談にあたって いる。また、学生が自分の健康状態をよく理解し、自分で健康を管理し、より健康的な生活を自ら作

り上げていくための手段として、健康手帳を配布している。

定期健康診断は、4~6月に行い、各学年の空き時間を利用して、聖路加国際病院予防医療センタ ーと連携しながら進めている。学生保健委員は、掲示物の作成と場の設定に協力している。健診項目 は、学校保健法と結核予防法に基づいている(表2)。内科健診は、毎年、該当対象学生全員が受診し ている。

a)健康管理室の利用

健康管理室の利用は、2003年~2005年であまり変化がなく、新学期の始まる4~7月と実習が始ま る10月に多くなっている(図1)。最も多く利用する学生数は年度によって異なる。主訴は、風邪・胃・

腹痛、月経痛である。また、受診する者は、内科がもっとも多く、ついで皮膚科、眼科、産婦人科の 順である。

健康管理室利用者の約半数は相談のみで、内容は精神面が最も多く、次いで身体面、学業面、そし て人間関係の順である。1・2年生の利用件数が多い。上級生では、精神面の相談で特定の者が何度 も来室している。カウンセリングが必要な学生には、健康管理室が窓口になって初回のみ予約をとり、

大学提携の無料の臨床心理相談室を紹介している。

年度/月 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

2003 67 65 125 130 7 3 147 62 43 49 31 21

2004 110 72 61 85 4 16 91 32 28 38 21 8

2005 63 95 58 72 8 15 60 52 32 30 35 18

0 20 40 60 80 100 120 140 160

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

2003年 2004年 2005年

図1 健康管理室月別利用状況

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