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大学発ベンチャーの現状と課題

ドキュメント内 open innovation表1-表4_1c (ページ 109-112)

産学連携の現状②

3.2.4 大学発ベンチャーの現状と課題

産学連携の1つのスタイルである大学発ベンチャーに、近年注目が集まっている。大学に潜在 する研究成果を掘り起こし、新規性の高い製品により、新市場の創出を目指す「イノベーションの 担い手」としての期待である。

大学発ベンチャーは、経済産業省により平成13年に示された「大学発ベンチャー1,000社計画」

以降、産学官による積極的な支援も背景に増加し、平成15年度末には大学発ベンチャー1,000 社計画を達成するに至った。産業競争力強化法の施策により2014年から国立大学によるベンチ ャーキャピタルへの出資が可能になり、大学発ベンチャーへの支援のさらなる展開が期待されて いる。

しかしながら、近年、大学発ベンチャーの新規設立数が頭打ちになっていることや、設立後に伸 び悩む大学発ベンチャーが少なくないことが指摘されている。具体的には図表3-28に見られると おり、平成27年度に行われた調査において大学発ベンチャーと確認された企業は1,773社であ り、平成20年度調査で確認された1,807社とほぼ同数に留まっていることがうかがえる。また、平 成27年度調査で新たに存在が把握できた大学発ベンチャー196社のうち、平成27年度の新設数 が52社、平成26年度調査後に閉鎖した数は172社となっている。

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図表3-27 企業における現在の業務で重要な専門分野とその分野における大学研究者数

3.2.4 大学発ベンチャーの現状と課題

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図表 3-28 大学発ベンチャーの総数の推移

出所: 経済産業省64

平成26年度調査では、これまで行われてきたベンチャーキャピタルによる大学発ベンチャーへ の支援が、大学発ベンチャーの成長に与えた影響を分析している。それによると、大学発ベンチャ ーの成長と相関が認められる施策のうち、ベンチャーキャピタルによる支援が十分には行われて いないものとして以下の6点が挙げられている。これら支援が今後拡充されることで大学発ベンチ ャーの設立や成長が促進されることが重要と考えられる。

図表 3-29 大学発ベンチャーの成長と相関が見られるがVCによる支援が十分でない施策

施策

1  海外の顧客候補先を探索する(海外における販路開拓)

2  自社製品と関連する技術を探索して適用し、製品開発を発展させる

3  自社の核となる技術を適用可能な応用先を複数探索し、事業範囲を拡大する 4  大学や共同研究先の関係者と交渉し、特許等の知財を活用できるようにする 5  製品の開発や販売を海外企業と業務提携して行う

6  製品に関する市場調査等を行い、それを反映した製品販売計画を策定する 出所: 経済産業省65

64 経済産業省 「平成27年度産業技術調査事業(大学発ベンチャーの成長要因施策に関する実態調 査)」

65 経済産業省 「平成26年度産業技術調査事業(大学発ベンチャーの成長要因を分析するための調 査)」

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図表 3-28 大学発ベンチャーの総数の推移

出所: 経済産業省64

平成26年度調査では、これまで行われてきたベンチャーキャピタルによる大学発ベンチャーへ の支援が、大学発ベンチャーの成長に与えた影響を分析している。それによると、大学発ベンチャ ーの成長と相関が認められる施策のうち、ベンチャーキャピタルによる支援が十分には行われて いないものとして以下の6点が挙げられている。これら支援が今後拡充されることで大学発ベンチ ャーの設立や成長が促進されることが重要と考えられる。

図表 3-29 大学発ベンチャーの成長と相関が見られるがVCによる支援が十分でない施策

施策

1  海外の顧客候補先を探索する(海外における販路開拓)

2  自社製品と関連する技術を探索して適用し、製品開発を発展させる

3  自社の核となる技術を適用可能な応用先を複数探索し、事業範囲を拡大する 4  大学や共同研究先の関係者と交渉し、特許等の知財を活用できるようにする 5  製品の開発や販売を海外企業と業務提携して行う

6  製品に関する市場調査等を行い、それを反映した製品販売計画を策定する 出所: 経済産業省65

64 経済産業省 「平成27年度産業技術調査事業(大学発ベンチャーの成長要因施策に関する実態調 査)」

65 経済産業省 「平成26年度産業技術調査事業(大学発ベンチャーの成長要因を分析するための調 査)」

図表3-28 大学発ベンチャーの総数の推移

図表3-29 大学発ベンチャーの成長と相関が見られるがVCによる支援が十分でない施策

また、平成27年度調査では、さらに上記の施策を23の「重要施策」として細分化し、大学発ベン チャーの成長度(従業員成長率、売上高成長率)との関係が改めて分析されている。その結果、

「ベンチャー企業の成長度と強い相関が見られる重要施策」として以下の11の施策が抽出され た。

これら11の施策はさらに、VC等の支援機関による支援を強化する必要がある施策、ベンチャ ー企業自身における施策の重要性の認識率を高める必要がある施策、ベンチャー企業自身にお ける施策の重要性の認識率を高めることに加えVC等の支援機関による支援を強化する必要が ある施策の3つに類型化された。

図表 3-30 大学発ベンチャーの成長度と強い相関が見られる重要施策

施策 区分

 資金面や事業面で、中心的に支援する資本提供者を確保する A

 市場の競争環境を認識するために競合調査等を実施し、製品を差別化する B-1

 当初に想定していた事業の周辺で、製品ラインナップを増やすために、コア技術 の応用先を複数探索する

B-1

 顧客・市場のニーズと製品を合致させるために、市場調査を実施し、事業に反 映させる

B-1

 業界の営業販売経験者を社外から調達、またはアドバイザーとして体制に加える B-1

 主力事業の最終的な「出口戦略」を策定する B-1

 経営人材を(共同設立者・幹部社員・アドバイザー等として)体制に加える B-2

 業界の研究開発経験者を社外から調達、またはアドバイザーとして体制に加える B-2

 海外の研究開発・生産業務提携先の探索・交渉・実行をする B-2

 外部の機関や個人のアドバイスを受けて、マーケティングプランを策定する B-2

 外部機関(VCや事業会社)から国内市場の販路開拓の支援を受ける B-2

※区分

A)ベンチャー企業における施策の重要性の認識率が高い B)ベンチャー企業における施策の重要性の認識率が低い

B-1)ベンチャー企業が施策の重要性を認識することとベンチャー企業の成長度に強い相 関が見られる

B-2)ベンチャー企業が施策の重要性を認識することとベンチャー企業の成長度に強い相 関が見られない

出所: 経済産業省66

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図表3-30 大学発ベンチャーの成長度と強い相関がみられる重要施策

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オープンイノベーションを創出するエコシステムの国際比較

世界のエコシステムの兆候

第1章で先述した欧州のオープンイノベーション2.0の動きに見られるように、近年イノベーション を創出するためのエコシステムの重要性が認識されている。実際に、既存企業、ベンチャー企 業、大学・研究機関、政府・公的機関が密に連携したエコシステムを形成している地域からは、多 くの起業家やベンチャー企業が生まれ、各組織が相互に連携し合うことで、他地域より活発にイノ ベーションが生み出されている現状がある。

世界のイノベーション動向に関しては、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization: WIPO)が「Global Innovation Index:GII」指標を策定している他、特にベンチャー 企業や起業家を創出しやすい環境を整備したエコシステム分析に関しては、世界経済フォーラム

「Entrepreneurial Ecosystems Around the Globe and Early-Stage Company Growth Dynamics」、およびベンチャー企業のベンチマーク調査等を実施しているCompassが「Global Startup Ecosystem Ranking」を発表している。

4.1.1 国別に見たイノベーションランキング

WIPOのGII指標に基づいた2015年の報告書「The Global Innovation Index 2015: Effective Innovation Policies for Development」では、世界141カ国についていかに効率的にイノベーショ ンを創出できる環境が整っているかという基準でランキングしている。以下は、上位20カ国の結果 と主要な動向である。

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