• 検索結果がありません。

国際収支表におけるIT 化の影響 1 3

第3章 電子商取引を支える技術的、商業的、社会的なインフラ 表1 電子商取引: 主な政策的課題

10.  国際収支表におけるIT 化の影響 1 3

は減少傾向にある。 

 

(b)  「著作権使用料」の支払増加 

国内で使用されるコンピュータの外国製ソフトウェアへの依存度が高まるにつれ、ソフトウェ ア関連を中心に著作権使用料の支払が増加傾向にある。 

 

  研究会では、以上の報告に関して、次のような議論があった。

・ ゲーム機用ソフトの輸出は、DVD や CD-ROM の形で輸出され る場合は財貨、現地でコピー

(ライセンス生産)される場合は著作権使用料に計上される。実際には後者が多いものと思わ れる。ただし、親会社が利益を回収する方法はまちまちである。著作権使用料でなく配当金

(投資収益)の形で送金する可能性も、税制面では不利になるだろうが、ないとは言えない。

・ 以上の議論は輸入、PC用ソフトについても同様である。こうした国際取引の把握は、IT に限ら ず、難しいところがある。

・ ネット上で20 万円超の買い物をした場合の二重計上の問題については、現状では心配する 必要はないだろう。個人輸入は規模が小さく、これから急増するとも思えない。購入額が3万円 以下のものが 6〜7割という調査結果もある。また、企業がクレジットカードを使う例はあまりなく、

銀行送金はきちんと把握できる。

11.既存の統計データによる IT 化の実態把握の例

本節では、IT化の実態を把握するために今後どのような統計データを整備すべきかについて考 察する準備として、既存の統計データを用いて我が国の家計部門、企業部門、政府部門における IT化の実態と2001年の特徴的な動きを概観する(電子商取引、セキュリティ、ディジタル・ディバイ ド等の問題も重要であるが、ここでは省略する)。

(家計部門のIT化)

まず家計部門におけるIT 化の動向をみてみよう。2000年における世帯における情報機器の保 有率をみると(総務省「通信利用動向調査」)、携帯電話が75.4%、パソコンが50.5%、ファクシミリが

40.4%、携帯情報端末が 10.3%等となっている(世帯数は 4708 万世帯)。パソコン、ファクシミリは

1996年と比べて約 2倍程度以上の伸びを示しているが、それ以上に急速に伸びているのは携帯 電話であり、1996年の24.9%から4年間で保有率が3倍に高まった。特に、携 帯電話のうちネット 対応型のものは1999年に登場して翌年には26.7%へと急激に成長している。また、携帯情報端末 も、まだ保有比率自体は低いものの、4年間で3倍以上に高まっている。2000年における二人以上 の世帯の1世帯あたりの消費支出総額に対する情報関連支出の構成比を見ると(家計調査)、パソ コン・ワープロは0.4%、電話通信料は2.4%となっており、いずれも4年前の0.3%、1.9%から上昇し ている。同様に2000 年の単身世帯についてみると、パソコン・ワープロは 1.1%、電話通信料は

3.1%となっている。

世帯におけるインターネットの利用割合は(総務省「生活の情報化調査」)、1996 年の3.3%から

2000年には34.0%へと急速に上昇している。接続端末別の構成比を見ると、パソコンで利用してい

る人が3723万人、79.1%、携帯電話(PHSを含む)・携帯情報端末で利用している人が2440万人、

51.8%、ゲーム機・テレビからから利用している人が138万人、2.9%、パソコンと携帯電話等の両方

で利用している人が1482万人、31.5%となっている。2001年12月末の速報データによれば、携帯 電話によるインターネットの利用者数は 4850 万人と大幅に増加している(総務省ホームページ)。 インターネットの利用頻度(2000年、総務省「生活の情報化調査」)をみると、パソコン、携帯電話の いずれかの端末で利用している人のうち、2593 万人はほぼ毎日、1312万人は週に数回程度利用 している。インターネットの用途(総務省「通信利用動向調査」2001年2月実施)としては、「特定の 相手とのメールの送受信」、「趣味や旅行などの身近な情報の入手」、「ビジネス情報・資料の入

手」が 50%以上と多い。将来、自宅で受けたい情報通信サービスとしては、「画面を通じて医師に

相談や診察」、「行政サービスや公的施設の予約」、「ビデオ・オン・デマンド」、「銀行や郵便局の残 高照会・振込み」、「画面を通じて趣味や教養講座に参加」が上位にあがっている。また、インター ネット利用者が情報入手の際に最もよく利用する手段(総務省「生活の情報化調査」)としては、レ ジャー・観光、商品・製品、娯楽、仕事関係でインターネットがテレビ・ラジオ、新聞、書籍等を上回 っている。

自宅のパソコンからインターネットを利用するときの回線は、2000年にはアナログ回線が50.2%、

ISDNダイヤルアップ等が34.0%、ISDN常時接続が7.4%となっており、ブロードバンド回線は4.6%

にすぎなかった(同上)が、2001 年以降、急速に普及し始めた。特に ADSL(非対称ディジタル加 入者線)の利用料金が劇的に低下したことから、DSL(ディジタル加入斜線)の加入者数が2000年 12月の10万人から2001年12月には152万人へと、1年で10倍以上に増加している(総務省

「DSL普及状況公開ページ」等)。また、CATVの利用も2000 年12月末の63万人から2001年 12月末の130万人へと2倍以上に増加している14。2001年3月にはFTTH(光ケーブル)のサー ビスも首都圏で始まり、携帯電話によるブロードバンド・サービスも2001年10月から始まった。

(企業部門のIT化)

次に、企業部門におけるIT化の動向をみてみよう。まずIT生産産業をみると、情報通信産業の 実質国内総生産(以下は、総務省「ITの経済分析に関する調査」による推計)は1995年から1999 年にかけて年率8.5%増加し(米国は95年から98年にかけて同11.9%増)、GDPに対する構成比

は 8.5%から11.4%へと約 3%ポイント上昇した。その中でも、電気通信が年率19.4%と高い伸びを

示している。情報通信産業の名目粗付加価値は1999年に49.0兆円と、名目GDPの9.4%を占め ている。最大の部門は情報関連サービスで12.0兆円だが、電気通信が10.5兆円へと急増している。

情報通信産業の雇用者数は1990年から95年にかけて減少したが、99年には393万人へと増加

14 同月のダイヤルアップ接続の利用者数1974万人からDSLとCATVの合計の構成比を推定す

ると、12.5%になるが、2000年の数字とはベースが異なる。

した。民間 IT 投資(情報通信ネットワークに接続可能な電子装置及びコンピュータ用ソフトウェア)

は1999年に18.3兆円と95年の1.5倍に増加した。内訳は電子計算機が41.9%、電気通信機器

が25.4%、ソフトウェアが32.7%となっている。民間設備投資全体に占める構成比は22.8%で95年

の16.6%から上昇傾向にあり、実質GDPに対する比率も3.5%で、95年の2.4%から毎年高まって

いる。民間IT資本ストックは1999年に40.0兆円と95年の1.6倍に増加した。内訳は電子計算機 が38.2%、電気通信機器が31.4%、ソフトウェアが30.4%となっている。民間資本ストックに対する構

成比は3.8%と、95年の2.7%から着実に上昇している。業種別の事業所数、従業員数、生産額・売

上高等の細かいデータは、総務省「事業所・企業統計調査」、経済産業省「工業統計調査」、同

「生産動態統計調査、同「特定サービス産業実態調査」等で概ね把握されているが、在庫につい ては電子計算機、半導体部品、電子交換機、デジタル伝送装置、携帯電話等の重要なIT品目の データが得られない。

なお、OECD “Measuring the ICT Sector”によると、1997年における我が国のICT関連産業の付 加価値は全体で25.1兆円、うち製造業が15.0兆円、通信業が7.0兆円、その他サービス業が3.1 兆円となっている。上 記の推計と比べるとかなり差があるが、IT の範囲の違い、基礎データ・推計 方法、年次の違いが影響しているものと思われる。

企業におけるIT の利用をみると、2000 年における企業のパソコン等の保有台数(経済産業省

「情報処理実態調査」)は、1企業当たり830台で、従業員1人当たり0.69台となっており、4年前と 比べてそれぞれ2.3倍、2.4倍に増加した。1企業当たりのLAN機器の保有台数をみると、サーバ ーは43.2台、ルーターは31.9台で、4年前と比べてそれぞれ2.4倍、2.9倍に伸びた。1企業当た りの IT 関連諸経費の支出は、2000 年において 10.6 億円にのぼり、これは対年間事業収入比

1.16%に相当する。内訳の構成比はリース料、減価償却費等のハードウェア関連費用が33%、ソフ

トウェア関連費用が18%、サービス関連費用が16%、通信関連費用が5%、人件費が17%等となっ ている。このほかに、情報処理部門の要員数・派遣要員数、電子メールのID数、部門 LAN・基幹 LAN・企業間ネットワークの保有、LAN上で運用している業務の状況、ソフトウェアの開発形態、ア ウトソーシングの利用状況等についても調査されているが、詳細は省く。

インターネットの利用割合(総務省「通信利用動向調査」)は、企業で1996年の50.4%から200

年には 95.8%、事業所で同じく5.8%から44.8%へと急速に上昇している。これを事業所の規模別

に見ると、100人以上の事業所では80.5%、逆に30人未満の事業所では40.7%と規模別の傾向が はっきりしている。従業員100人以上の企業におけるインターネットの利用率は 89.3%にのぼる。1 企業あたり自社コンピュータ・システムに接続されている通信回線数は(経済産業省「情報処理実 態調査」)、交換サービスが 47.5、専用サービスのうち一般専用線が18.9、高速ディジタル回線が

12.1、私設回線が4.7となっているが、近年の傾向としては一般専用線と私設回線が減少し、交換

サービスと高速ディジタル回線が増加している。

(電子政府化の動向)

電子政府化は、基本計画に基づいて推進され、ベンチマークの統計データでチェックが行われ