3. 諸外国におけるバイオ燃料を取り巻く動向の基礎調査
3.3 国際的な動向調査(IPCC、GBEP 等)
約を締結させることを義務付けている。違反した場合、生産者に対しては罰金が科せられる。
流通業者に対する具体的な規制は以下の通り。
前年のガソリン供給量の90%×現状の混合義務率に相当するエタノール量について1 年以上の長期契約を締結する、又は毎月末に翌月のガソリン供給に必要なエタノール 量(供給予定量×混合率)を確保していることを立証することが必要。
いずれも達成できない場合、ANPはPetrobrasに対し、当該流通業者に対するガソ リン販売を差し止める。
なお、ブラジルでは大小合わせて 150 以上の流通業者が存在し、流通業者は Petrobras からガソリンを購入、又は輸入により調達し、販売業者(ガソリンスタンド)に販売する。
Petrobrasの子会社も一流通業者であり、公平な競争のためにPetrobrasの流通業者へのガ ソリン販売価格は政府により規制されている。
在庫保持義務については、サトウキビの収穫時期が4~5月頃から始まることから、一般 的に3~4月が最も供給量が小さくなるため、3月1日時点において生産者は前年4月から の生産量の8%、流通業者は15日分の在庫を保持する必要がある。
会合 参加国・団体 主な議題 GBEPセミナー
「持続可能な バイオエネルギー」
(2012/6/18)
リオデジャネイロ
(ブラジル)
アルゼンチン、デンマーク、インドネ シア、オランダ、ガーナ、ブラジル、
米国、OAS、IDB、UN基金、他
•持続不可能な従来型のバイオエネルギ ーから持続可能・近代的なバイオエネル ギーへの転換を促すため、GBEP が開 発した24のインジケーターや各国にお けるバイオエネルギー政策、キャパビ ル・プログラムを紹介
第2回キャパビル・ワ ーキンググループ
(WGCB)
(2012/6/19)
リオデジャネイロ
(ブラジル)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、ガ ーナ、イタリア、日本、オランダ、パ ラグアイ、スーダン、米国、ECOWAS、
EUBIA、IDB、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
インドネシア、ベトナム、OAS
•2012年3月開催の「ECOWAS地域バ イオエネルギーフォーラム」に基づき、
西アフリカ諸国の持続可能なバイオエ ネルギー計画策定に有用な資源アセス メントと地図を整備
•異なる地域や環境においてGBEP持続 可能インジケーターを検証
•キャパビルおよびトレーニングを目的 としたスタディ・ツアーを提案
第13回運営委員会
(20126/19)
リオデジャネイロ
(ブラジル)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、ガ ーナ、イタリア、日本、オランダ、パ ラグアイ、スーダン、米国、ECOWAS、
EUBIA、IDB、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
インドネシア、ベトナム、OAS
•GBEP 持続可能インジケーターに関す る報告
•第2回キャパビルWG報告
•会計報告
•G8、G20サミット報告
アクティビティ・
グループ1
「ECOWAS 地域バイオエネルギー
フォーラム」
(2012/11/13-14)
ローマ(イタリア)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、フランス、
ドイツ、ガーナ、イタリア、日本、オ ランダ、パラグアイ、米国、ECOWAS、
FAO、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
エジプト、ガンビア、インドネシア、
ベトナム、IREA、OAS、PANGEA、
世銀
•ECOWAS諸国からの現状報告
•バイオマス資源アセスメントの必要性 を確認
•バイオマス資源を正確に把握するため に必要なツールの紹介
アクティビティ・
グループ2
「GBEP インジケーター」
(2012/11/15)
ローマ(イタリア)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、フランス、
ドイツ、ガーナ、イタリア、日本、オ ランダ、パラグアイ、スペイン、米国、
ECOWAS、FAO、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
エジプト、ガンビア、インドネシア、
ベトナム、OAS、世銀
各国からのGBEPインジケーターの検証 報告
•途上国における継続的なモニタリン グの限界(ガーナ)
•土地使用権問題(インドネシア)
•利害関係者との調整問題(コロンビ ア)
民間セクターも含めた導入の必要性
会合 参加国・団体 主な議題
アクティビティ・
グループ3
「スタディ・ツアー」
(201211/15)
ローマ(イタリア)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、フランス、
ドイツ、ガーナ、イタリア、日本、オ ランダ、パラグアイ、スペイン、米国、
ECOWAS、FAO、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
エジプト、ガンビア、インドネシア、
ベトナム、IRENA、OAS、PANGEA、
世銀
2013年3月のスタディ・ツアー開催に先 立ち、ブラジルの専門家およびFAOが、
バイオエネルギーの現状、環境的側面
(GHG排出量)、社会的側面(土地所有、
食料保障問題)、家族経営農業と地域開 発、経済的側面等の情報を参加者と共有。
第3回キャパビル・ワ ーキンググループ
(WGCB)
(2012/11/16)
ローマ(イタリア)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、ガ ーナ、イタリア、日本、オランダ、パ ラグアイ、スーダン、米国、ECOWAS、
EUBIA、IDB、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
インドネシア、ベトナム、OAS
•西アフリカの持続可能なバイオエネル ギー計画策定に有用な資源評価と地図 作成(ECOWASフォーラムの報告)
•ガーナ、ドイツ、インドネシア、コロン ビアにおけるGBEPインジケーターの パイロット・テスト報告、「ディスカッ ション・フォーラム」および「データ・
プラットフォーム」の進展報告
•FAO、UNEP、UN基金によるバイオマ スエネルギーのスコープ整備
•IRENAによる世界の再生可能エネルギ ー技術情報整備
第14回運営委員会
(2012/11/16)
ローマ(イタリア)
(GBEPパートナー)
アルゼンチン、ブラジル、フランス、
ドイツ、ガーナ、イタリア、日本、オ ランダ、パラグアイ、スペイン、スウ ェーデン、スイス、米国、ECOWAS、
FAO、UN基金、UNEP
(オブザーバー)
デンマーク、エジプト、ガンビア、イ ンドネシア、ベトナム、IRENA、OAS
•第3回キャパビルWG報告
•他の国際機関とのコミュニケーション の強化
キャパビル スタディ・ツアー
(2013/3/18~23)
ブラジリア
(ブラジル)
(参加予定国)
ブラジル、米国、インドネシア、コロ ンビア、ガーナ、ベトナム、ウルグア イ、他
•2012年11月15日開催のアクティビテ ィ・グループ3「スタディ・ツアー」の 会合結果に基づき、ブラジリアにて短期 のトレーニングを実施
•バイオディーゼルおよびバイオエタノ ール工場も訪問
3.3.3 欧州標準化委員会(CEN)
CEN/TC 383としてバイオマス燃料の持続可能性基準を検討中であり、4つの基準が策定
される予定である。このうち、2012年8月に用語を定義した基準(EN16214-1)および生 物多様性と環境保全に関する基準(EN16214-3)が策定され、2013年1月にLCAによる GHG排出算定方法を定めた基準(EN16214-4)が策定された。
用語を定義した基準(EN16214-1)では、85の用語の定義が定められている。生物多様 性と環境保全に関する基準(EN16214-3)では、EU指令でバイオ燃料原料の栽培用に利用
することが禁止されている原生林、自然保護区域、生物多様性の高い自然草地、生物多様性 の高い非自然草地、炭素ストックの高い土地、湿地のうち、自然保護区域、生物多様性の高 い非自然草地、湿地での栽培を回避するための確認手順が定められている。一例として、「生 物多様性の高い非自然草地」か否かを判定するためには、生息している主要な種に対する影 響調査や、収穫方法(手摘みか機械か等)が与える影響に関する科学的文献等を用いること が示されている。GHG排出算定方法を定めた基準(EN16214-4)では、EU指令と同様の LCA算定のための計算式が示されている。
今後、2013年末にCoC(Chain of Custody, サプライチェーンの意)やマスバランスを 含む適合性評価について定めた基準(EN16214-2)が策定される予定である。
3.3.4 国際標準化機構(ISO)
ISO/TC 248としてバイオエネルギーの持続可能性基準を検討中であり、2014年4月の
基準策定が目指されている。TC 248はブラジル、ドイツが議長を務め、31カ国が参加して いる。日本は他の11カ国とともに傍聴国の立場を取っている。
なお、現時点では委員会におけるコメント/投票結果要約の回付段階(下表の 30.60)で あるが、検討成果は公表されていない。
表 3-18 ISOの審議段階コード