表 15現住宅の満足度(上段)と、建築年数との相関性(下段)
間取 延 床 安 全 通 風 雰 囲 気 近 隣 総 合 滋 賀 度 数 570 570 570 570 570 570 570
有意擁率 .六** ‑** ー会合* 会. ー***
平 均 値 3.7 3.9 *3.7 3.7 3.6 3.9 3.8 日 本 都 度 数 833 833 830 836 825 824 831
市 有意確率 ‑*** ー** .大* *大
平 均 値 3.6 3.7 大3.7 3.9 3.8 3.8 3.9 米 国 度 数 293 293 291 291 293 293 296
有意確率 犬ー *
平 均 値 3.9 3.9 4.2 4.0 4.2 4.3 4.1 満足度は最高を5、最低を1として5段階で質問した値である。
*印l士満足度と、建築年数のスヒ7マシの1)開立相関係数の算定による有意確率を表す。*⑪色村10/0,出
< o .
sも。‑1
換の関係、を示す。合 計(289) ,.‑‑
‑ ̲ . ̲ . . ̲ ‑
句ー~.71以 上(58) 61 ‑ (43) 回 51‑(46) 5長 41 ‑ (40) 31 ‑(27) 21 ‑(22) 11‑(33) 10年 以 内 (20) 合 計(440) 41‑(4) 31‑(67) 時 21‑(99)
田 11‑(188) 10年 以 内 (82)
) 内 の 数 字 は 母 数0% 20% 40% 60% 80% 100%
図8 建築年数別愛着度(I次調査は省く)
ところで、各種変数と愛着度の順位相聞を表した前出表 13において、大半の変数は日 本の方が米国よりも相関が高いが、居住年数と、建築年数は逆であった。そこで次に、建 築年数と愛着の関係を求めた(図 8)。図の建築年数 30年に着目すると、日本は 30年 以 下でも強し、愛着を示すが、米国は 30年以下では愛着が極めて弱く、 31年以上との聞に格 差がある。変数を置き換えて、愛着の度合い別に平均建築年数をとると(表16)、日本は建 築年数の影響が少ないが、米国は強い愛着とそれ以外の問で格差が生じる。米国では日本 住宅の平均寿命とされる 30年程度の住宅は評価されないことがわかる。
建 築 年 数 と 愛 着 に 注 目 し て 、 さ ら に 愛 着 別 、 住 宅 の 種 類 別 に 平 均 建 築 年 数 を 算 出 し た (表 17)。表によると、両国とも愛着が強いほど平均建築年数が長い段階的関係がある。 とはいえ、カテゴリ一間の建築年数の差は日米で異なる。米国は最も愛着が強い段階と次
可EA
円 ︒
の少し愛着がある段階の差が大きく(合計欄で 9.8年)、かっ最も強い段階と、愛着がな い段階の差が 12.6年ある。しかし日本では最も強い段階と、次の段階の差が小さく、愛 着がない段階とも 4.9年の差しかなく、両者の相闘が弱いのである。
次に、閉じ表の現住宅の種類に着目する。米国はどの住宅においても最も強い愛着があ る住宅の建築年数は長く、特に中古や相続におけるその建築年数は 60年以上に達する。 一方、日本は新築、建替では米固と同様に愛着がある方が建築年数が長いが、中古だけは 愛着が強いほど建築年数が短いという逆
の関係がみられた(日本は新築で 0.
0%
米国は新築、中古で0.5%水準の有意差が認めら れた)。表 16愛 着 の 度 合 い 別 平 均 建 築 年 数 単 位 : 年 大 阪 大 津 昨 計
強 く あ る
2
l.6 18.3 19.6
少 し あ る23.1 16
.1 17.8
無 い14
.8 14.6 14.7
表17現住宅の愛着度別平均建築年数日 本 都 市
強くある 少しある 無い 新築 186 :20.9
137
:1 7
.2 8 : 12
.4 建替43
:2
l.8 24
:1 5 . 1
3 :13.0
中古1 0 : 2 2 . 9 24
:.24.32
:26.5 相続2 : 3 2 . 0
合計
241
~1 9 . 6 185
:17.81 3
~1 4 . 7
6.将 来 指 向
(1 )予測耐周年数の決め手になる将来指向 1)将来指向
L A D M
米 国 計60.3 44.5
54.4 54.5 36.244.8
54.4 34.64
1.8
単 位 : 左 度 数 、 右 年 数 米 国
強くある 少しある 無い
24 : 2 8 . 7 25
:1 6 . 9
3 :13.3 2
:1 7 . 0
3 :1 2 . 0
1 :1 5 . 0 96
:6
l.3 82 : 5 4 . 5 1 8
:48.01 : 8 3 . 0
, l22
:54.41 1 0
~44 . 8 22
:4 l.8
表 18は現住宅の種類別の将来指向である。米国は改造と、転居指向が強い。日本は永 住指向と、建替指向が強く米固とは全く異質である。特に建替指向は日本都市、滋賀を問 わず、日本の特徴である。一方、日本の転居指向は米国に比べると準に少なく、中古で目 立つ程度である。
ところで、改造指向は他の将来指向と重複回答がみられるが、日本はほとんど永住指向 とだけ重複し、転居前の住宅を改造する指向は弱い。しかし米国の改造指向は全指向と重 複し、転居指向者の 75.4%、永住指向者の 68.5%を占めた。永住と同様に転居する住宅も 改造するのである。ただし、米国でも建て替え前の住宅に対する改造指向は弱く、日米共 に廃棄する建物を改造する指向はない。
図 9 によると、日本は過去に建て替えた住宅でもまた建替指向があることを示してい る。本文中、過去の更新状況について既述した箇所で、 20年前に新築した住宅が建て替 えられることを指摘したが、将来においても新築した住宅の更新指向が認められた。
‑62‑
現住宅の種類別将来指向(多重回答)
転居 建 替 永住 改 造 未 定 合 計
滋 賀 新築
7 . 1 7 3 . 8 1 9 . 0 1 2
.4。 1 2 6 1 0 0 . 0
再築
3
.48 4 . 7 1 1 . 9 9 . 9 。 2 3 6 1 0 0 . 0
中古1 5
.44 6 . 2 3 8 . 5 3 5 . 7 。 1 3 1 0 0 . 0
相 続
4 . 5 6 2
.43 2 . 3 2 8 . 6 0 . 8 1 3 3 1 0 0 . 0
合計
4 . 9 7 5 . 2 1 9 . 7 1 6 . 1 0 . 2 5 0 8 1 0 0 . 0
都市郊外 新 築9 . 8 6 . 2 7 3 . 9 6 . 6 1 0 . 0 5 2 9 1 0 0 . 0
再築
8 . 1 5
.47 8 . 9 7 . 6 7 . 6 1 8 5 1 0 0 . 0
中古2 0 . 5 1 7 . 8 5 4 . 8 8 . 2 6 . 8 7 3 1 0 0 . 0 1
相 続
1 3 . 3 3 0 . 0 5 0 . 0 1 0 . 0 6 . 7 3 0 1 0 0 . 0
合 計
1 0 . 5 8 . 0 7 2 . 5 7 . 1 9 . 1 8 1 7 1 0 0 . 0
米国 新 築4 8 . 1 。 5 0 . 0 6 4 . 8
1.9 5 4 1 0 0 . 0
再築
4
件2
件4
件6
件中古
4 2 . 1
1.3 5 0 . 9 7 3 . 8 5 . 7 2 2 8 1 0 0 . 0
相 続
1
件1
イ牛1
件合計
4 3 . 6
1.0 5 0 . 5 7 2 . 1 4 . 8 2 8 9 1 0 0 . 0
*改造指向 有り
7 5
.41
件6 8 . 5
合 計
1 2 6
件1
件1 4 6
イ牛 表1 8
永住指向と改造指向とを重複した回答率
エ
己二二*米国において転居、建替、
回 栄
掃M
育里 一樹 剣山
100
60
8040
。 20
過去の建替有無別建替・改造指向表
1 9
は現住宅の改善予定者におけるその理由を表したものである。なお、「中古だか らJは中古だけを母数にしており、その値を表外に記載した。米国の建て替えは3例しか ないので省略している。表によれば日本の建て替え指向は他に比べて多くの理由を挙げている。そして、「間取 り噌好J、「家族変化j、「災害対策J、「中古だからjが他のどの指向に比べても目立つ値 を示した。また、値は小さいが「悪質Jも建替が最も多い。「間取り噌好Jの理由に着目 すると、日本の建て替えは
7 0
%弱に達した(日本の他の指向との聞に0 . 0 %
の水準で有 意差が認められた)。また、「家族の変化Jも過半数に達した。日本では建て替え指向と‑63‑
図9
改造指向は比較的類似の傾向を示しているが、全項目において建て替え指向の方が比率が 高い。一方、米国でも「間取り噌好Jを挙げる率が高いが、転居指向において 52.4%、 改造指向においては34.9%で、日本とは大きく異なる傾向を示した。左ころで、日米の転 居指向を比較すると、米国では「間取り噌好J、「規模の拡大jの理由が非常に多いが、
日本ではどちらも極めて少なくその違いが際立つている。 表19現住宅を変えたい理由(日本都市のみ) 単位:%
間取曙好 家族の~イじ 要 修 理 災 害 対 策 悪 質 中古7てから+ 規 模 拡 大 合 計
日 建替 69.2 55.4 18.5 20.0 9.2 38.5 15.4 651
∞
.01 本 転居 12.8 37.2 5.8 8.1 4.7 13.3 11.6 861∞
01萌宣 53.4 44.8 12.1 13.8 6.9 1件 12.1 581
∞
.0 米 転 居 524 27.8 16.7 6.3 4.0 52 44.4 Ia) 1∞
.0 国 萌査 34.9 22.5 13.4 7.2 3.8 3.6 38.8 2D 100.0 +印は中古のみを母教にしている;日本の建替(15)、転居(13)、出量(6)、米国の転居 (96),改造 (94)。(2)現住宅の期待が示す将来の住宅評価
図 10は現住宅の期待と将来指向の関係を表している。図によると、どこも両者の問に 強い関係があるが、それぞれ項目の順番と、分布は異なるとしづ興味を引く関係を表して いる。日本では、繰り返し述べてきているが、建替指向が目立つ。特に、「仮の宿」にお いてその傾向が強い。これは既存住宅に経済的価値を期待していない理由を伝えている。
回 転 居 ‑ 建 替 圃 永 住 ロ 未 定
信 回目.....,.‑‑.̲‑ 目回γ司 甲 山 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑"‑'‑'r‑勾引
. . ̲ ‑ ‑ ‑ . .
遺 産 (33 ) 困 終 の 棲 家 (16 1 )
*
投 資 (144) :↓巴 仮 の 宿 (9) 終 の 棲 家 (620) 結
*
田 遺 産投 資(16 (43 9 ) )仮 の 宿 (83 ) 遺 産 (206) Z回 終 の 棲 家 (38 9 ) 提 仮 の 宿 (31 )
投 資 (3)
0% 20% 40犯 60九 80% 100%
図10 住宅の期待別将来指向
ところで図 11によると、両国とも愛着が強いほど永住指向が強く、弱まるにつれて転 居・建て替え指向が高まるという直線的変化がみられ、愛着と将来指向も関係が強い。米 国は愛着が「少しあるJを軸にして、点対称の反応を示した。しかし、日本都市は愛着が 弱まるにつれて、転居と、建て替えがほぼ同比率で増加し米国と異なるところである。 日 本では米国ほどには愛着の弱さが転居指向に影響を与えておらず、建て替え指向と 2分さ
‑64‑
れる。
強 い(125) 困
ラ挺 少し(11 2) 無 い(23)
~ 強 い(243) 詰
*
田 少し(186)無 い(14)
居 替 住 定 転 建 永 未
回
・ 園 口
日米とも X 2検 定 紗 有 意 水 準Pく0.0080
%
図 11 愛 着 の 度 合 い 別 将 来 指 向 (1次調査を除く)
100%
7.住宅への期待や愛着と耐用性の関係 (1 )居住者が予測する現住宅の耐周年数
住宅は物理的劣化による耐久性の消滅によるだけでなく、無用化、すなわち耐用性を失 うことからも廃棄される。したがって、居住者が予測する耐用年数は住宅の寿命を左右す る重要なキーポイン卜である。本調査は以下の3つの予測に関する質問をした。第1は現 宅地の入手時における予定居住年数、第 2は現住宅の入居時における予測余命(以下当初 予測余命とする)、第3は現時点での余命(以下予測余命とする)である。そして当初予 測余命に当時の建築年数を加算して当初予測耐用年数、予測余命に現時点の建築年数を加 算して予測耐周年数とした。
図
1 2
は住宅入手当初の各予測の平均値である。日本都市は住宅の種類にかかわらず、予定居住年数と当初の予測余命が近い値を示した。米国の予定居住年数は住宅の種類にか かわらず、 24'""'‑'25年の間にあるが、当初予測余命は建替が最短で、中古が最長である。 しかし、予定居住年数と当初予測余命の聞に相関がなく、居住者の需要行動と、住宅の寿 命は無関係である。
( ) 肉 は 母 数 日 本 都 市 米 国 滋 賀
図
1 2
当初の予定居住年数、予測余命、予測耐用年数の平均値にu
円 ︒
1)愛着の度合いと酎周年数の予潤
年 ; 」 J よ l ‑ 4 戸 1 j j i
図13 愛着の度合いと耐周年数の予測
図 13は各愛着の度合い毎に、現住宅の建築年数と現時点での予測耐周年数を対比して 表したものである。両国の差は歴然としているが、日米共に、愛着の度合いが強くなるに つれて、 2変数とも段階的に増加している。2変数の比はほぼ2倍強である。
2)建 替 指 向 が 促 す 予 湖 耐 用 年 数 の 早 期 化
最後に、将来指向別に耐周年数の予測をみた(表 20)。まず、どの比較群も予測余命が 永住指向→転居指向→建替指向の順番に短くなる。転居が建替よりも長いのは幾分たりと も耐用性の残量があると評価をされたのだろう。将来指向の同一カテゴリーを比較すると、
日本都市が滋賀の60%以下、永住は48%にすぎないことが分かる。
しかし、その予測余命に建築年数を加えた予測耐周年数になると、比較群の様子が全く 異なる。日本は永住指向の予測値が最長であるが、米国は建替指向が最長値を示す。しか
もこの値は日米の全てのカテゴリーにおいて最長値であることが注目できる。つまり米国 の建替は長い年数を経た住宅で起きるのに対して、日本の場合は建替の方が早く耐用年数 を終える。転居は日米共最も短い値である。以上住宅の期待や愛着が住宅の寿命観と相闘 が認められた。
表 20将来指向別にみた予測余命と予測耐用年数 増立:年 平均予測余命 平均予測耐用年数 件 数
滋 賀 建 替 30 74 382
転 居 33 67 28
永 住 54 85 95
日 本 建 替 17 41 78
転 居 19 40 98
都 市 永 住 26 48 5721 米 国 建 替 42 118 13
転 居 53 96 126
永 住 68 113 158
8.結 論
以上、本研究では①住宅の建て替えの動向、②住宅に対する期待や愛着と、既存住宅の
‑66‑