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USAの 2.9倍に当たる。日本の建て替え指向は特に相続した住宅や中古住宅等既存住宅 の取得者に多く約半数に達した。

3.  日本で住宅を建て替えた場合、「滅失住宅」の寿命の中央値は 21年である。居住者 が予測した住宅の耐周年数の中央値は日本が 41年で、 USAが 99年である。日本の耐周 年数の予測値は「滅失住宅Jの寿命の2倍になる。したがって従来日本の住宅の寿命を約 30 年と設定してきたことは低すぎるということができる。しかし、日米を同一指標に基づい て比較したところに依れば、過去に滅失した住宅の寿命、今後の「予測耐周年数Jのいず れも日本は USAに比べて2/3程度で、両国の耐用年数の比は従来から指摘されている 値と大差がなく、日本の住宅の耐周年数の相対的短さは変わりがない。

4.本報ではなぜ日本では建て替え指向が多いのか、その理由を分析した。その結果「好 みの間取りにしたしリ、「規模の拡大j、「家族の変化に対応Jが3大理由であることがわ かった。「規模の拡大Jは建築後30年以上経過した住宅において大きな割合を占めたが、

近年建設された住宅の建て替え指向理由は間取りに移ってきており、建て替え指向には住 宅の建設時期が反映している。なお、中古住宅の建て替えでは容積率が上昇する傾向が強

く現れ、建て替えが土地の効率利用化を伴うことが確認できた。

5. 日本の中古住宅は当座の戸建持家指向を満たすものの、居住者による規模と間取りの 満足度が最も低い。USAでは現住宅の不満に対応するためにリフォームが活用されるか、

より質の高い中古住宅に転居することによって対処するが、日本はリフォームによって中 古住宅に恒久的な満足度を与える仕組みにはなっていない。むしろ中古住宅への不満は建 て替え指向を促す大きな要因となり、日本の住宅の耐周年数を短くしている主要な原因の 一つでもある。

6.  日本の持家需要者は中古住宅が土地の先行取得に優れていることを評価する反面、中 古住宅に永住する価値を認めない傾向がある。特に中古住宅を建て替えた場合は当初から 中古住宅を建て替えるまでの「仮の宿j と見なしてしていた。日本では中古化、および相 続等、所有者が変わることが建替の原因になることが確認できた。これは USAにはみら れない傾向である。

以上が結果の要約である。

住宅の耐周年数の算定方法を改良しても日本は米国に比べて約 3分の 2程度で相対的に は変化がないことが確認できた。住宅の寿命を延ばし、ストック社会を実現するためには 中古住宅の市場を整備することが必須条件である。しかし、米国と比較した場合日本の中 古住宅の特徴は質が低いところに偏在しており、住宅全体の中では低質さが目立つ。これ は日本の中古市場を支配している情報の非対称性が質の良い住宅の中古化を阻んでいるこ とによるところが大きい。中古住宅は「仮の宿Jとして認識されている現状は今後たとえ 中古住宅市場が拡大したとしても、住宅の寿命を左右するほどの役割を果たせず、住宅の 寿命を延ばす十分条件にはならないだろう。

(注1)住宅市場整備行動計画(アクションプログラム)について

住宅市場整備行動計画では中古住宅市場と、リフォーム市場の拡大促進に政策の重点を 置き、 2015年には中古住宅流通量の倍増、リフォーム市場の3割増・約6兆円規模の市 場を見込んでいる。しかし、本調査研究では「独自の間取引に対する指向と、「自分で

つ 臼

家を建てる」ことへの人生目標が非常に強いことも確認されており、中古住宅の需要は土 地の先行取得であり、「仮の宿j としての役割が強い。現段階では中古住宅市場の拡大が 住宅の寿命の拡大に大きく寄与するとは考えにくい。見方を変えて、環境問題に着目する と、住宅工事から排出される廃棄物は住宅の滅失だけでなく、リフォームにおいても相当 量が発生する。したがって、中古市場政策がリフォーム市場の活性化政策と共に提案され ていることは環境問題の視点から疑問が残る。また、既存住宅による市場の活性化には情 報の対称性の確保と共に、多面的な消費者保護が欠かせない。たとえば USAでは情報の 対称性、売り手・買い手双方に対する弁護士、技術者、不動産仲介業者の公平な姿勢が育 っている。また居住者の

DIY

技術も高い。日本の既存住宅を取り巻く現状はその条件が 整っているとは言えない。したがって消費者保護整備がない現段階で市場の側から中古住 宅やリフォームを活性化しようとする傾向に対して、新たな住宅問題の発生を危↑具する。 まず、新たな付加価値の経済効果ををねらう以前に、手入れ保全管理の経歴に対して、市 場評価を整備するが重要で、ある。また、転居指向において多様な間取りの選択に対応でき

るような、間取りのバリエーションと普遍性を育てるなど地道な政策が求められる。 (注

2 )

日本建築学会近畿支部民間分譲住宅研究会

( 1 9 6 7 )

が、街区の形態、道路整備 度 、 敷 地 ・ 建 築 面 積 、 建 坪 率 、 容 積 率 、 密 度 等 の 尺 度 を 使 っ て 開 発 住 宅 地 を 五 ラ ン ク に分類している。本調査はその分類の上位2ランクに相当する住宅地を選んだ。

(注3)本調査は「ストックに耐えられるJ程度の質がある住宅を対象にしたので、日本 の都市住宅の全体よりは大きい住宅になっている。一方日本の中古住宅は規模が小さい方 にシフトしており、それらが反映するように調査対象を選らべば、恐らく耐周年数はもっ と小さくなったと考えられる。したがってまだ、現在も持家所有者の耐周年数意識は

5 0

年に届いていないといえるだろう。

謝 辞

本 調 査 は ア イ オ ワ 州 立 大 学

M a r y WINTERPh.D

、 ミ ネ ソ タ 大 学 名 誉 教 授

E a r l M O R I S E . P h . D

との共同作業で行った。

日米の調査対象者には大部なアンケートにご協力をいただいたことに深謝の意を表する。

本研究は科学研究費を受けている。

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