第 5 章 CdTe ピクセル検出器試作第1号の性能 評価評価
5.1 動作
5.1.1 動作成功
試作第1号のピクセル検出器の共通電極であるIn電極にバイアス電圧を与え、57Co線源からの ガンマ線を当てることにより、ガンマ線イベントの取得に成功した。動作条件は以後、温度−20◦C、 In電極に与えるバイアス電圧800Vである。また、ピクセル検出器のガードリングはグランドに 落としている。
5.1.2 イベント処理
各イベントでVA2TAの全チャンネルの出力がADCCHの値で得られる。このイベントデータ からペデスタルを求め、コモンモードノイズを差し引き、ピクセルからの信号のパルスハイトを 出すために次のようなイベント処理を全データ取得後、おこなった。
1. 全イベントデータを用いて、VA2TAの各チャンネルの平均を求める。
2. 1で求めた平均から60ADCCH以上であるものはガンマ線イベントであると考えて、それら
を除き、VA2TAの各チャンネルの平均を求め、これをペデスタルとする。
3. 各イベントデータからペデスタルを引く。
4. ピクセルにつながっていないVA2TAのチャンネルのデータから各VA2TAのChipごとに コモンモードノイズを求める。
5. ピクセルにつながっているVA2TAのチャンネルのパルスハイトからそれぞれのChipのコ モンモードノイズを差し引き、これをパルスハイトとする。
5.1.3 ファーストライトイメージ
パルスハイトが200ADCCHを越えるイベントで作ったイメージを図 5.1 に示す。使った線源 は、57Co で(a)はピクセル検出器全体に照射したものである。(b)は図5.2 のようにして、取得 したもので、鉛製のオブジェの影が見えている。
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
IMAGE (PH 200 ADCCH)
(a)
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
LEAD STAR IMAGE (PH 200 ADCCH)
(b)
図5.1: (a)は、CdTeピクセル検出器の全面に57Coを照射したときのイメージ。(b)は図5.2のセッ トアップで取得したイメージ。どちらも200ADCCH以上のガンマ線イベントに対するイメージ。
(a)
(b)
図 5.2: (a)は、イメージ取得時のセットアップの模式図。ピクセル検出器の直上にオブジェを置
き、上から57Coを照射。(b) は使用したオブジェ。鉛シート(1mm厚)を切って、製作。
5.1. 動作 69 5.1.4 スペクトル
あるピクセル(X=7,Y=2)から得た57Coのスペクトルを図 5.3 に示す。122keVのピークのエ ネルギー分解能はFWHMで7.3keVで、136keVのピークも分離されている。200ADCCHから
300ADCCHにある成分は、後方散乱によるものとエスケープピークが混じったものであると考え
ることができる。
図 5.3: CdTeピクセル検出器で得られたあるピクセルのスペクトル。線源は57Co。122keVと 136keVのピークは分かれて見えている。122keVのピークのFWHMは、7.3keV。200ADCCHか
ら300ADCCHの成分は後方散乱によるものとエスケープピークが混じったものであると考えら
れる。