Energy [MeV]
4.4 側方散乱による入射位置の測定
Fig.4.8 に示すように、バブルに捕捉された電子は急激な加速度運動を
行う。このとき接線方向にシンクロトロン放射が起こり、それらを観測す ることにより電子の入射位置を測定することができる [55]。Fig.4.9(b) に 示すように 400nmのバンドパスフィルターを通した観測されたプラズマ 側方散乱において、横方向の放射はプラズマ密度チャネルの内側に連続又 は孤立した輝点として観測されている。この横方向の放射は準単色エネル ギーと同時に観測されている。最も早い放射の位置はレーザー集光点から 1mm のところで、初めの電子バンチの入射はレーザーパルスが 400µm
以上進んでから入射されている。Fig.4.9(a) は横方向放射が観測される位
置∆xemission をプラズマ波長 λp を単位とし、a0 の関数として示してある。
各々の点はプラズマ密度チャネルに沿った輝点を表しており、これらは大 まかに 3つのグループに分けられ ∆xemission ≃Ltr、2Ltr、3Ltr となる。こ こでLtr は
Ltr ≃2λp(1+a20
2 )1/4(1+3a20
16 )2 (4.1)
である。観測された放射が電子が入射される際の急激な加速により生じた ものとすると、レーザーパルスが進むにつれて波の破砕又はウェークバ ケットへの連続した入射による自己入射が起こっていると推測される。輝 点が出射側でのみ確認されるときは 30MeV以上の準単色ビームは観測さ れなかった。
-15 -10 -5 0 5 10 15ξ
y
-15 -10 -5 0 5 10 15
Synchrotron radiation
Fig.4.8: 捕捉された電子のシンクロトロン放射
0 1 2 3 4 0
1 2
mm
mm (b)
(a)
Laser PropagationFig.4.9: 側方散乱と入射位置。(a)横方向放射が観測される位置∆xemission をプラズマ波長λpを単位とし、a0 の関数として示したもの。実 線はLtr、破線は2Ltr、点線は3Ltr を表している。(b)P=109TW、 ne=4.3×1018cm−3のとき400±10nmのバンドパスフィルター を通した側方散乱のイメージ。レーザーパルスはガスジェット ノズルの左端から高さ1mmのところに集光してある。円で囲ま れている輝点は準単色電子ビームが生成されたことに相当する 横方向放射。
第 5 章
レーザープラズマ加速のシ ミュレーション
本章では高品質電子ビーム生成のためのレーザープラズマ加速のシミュレー ションについて述べる。高強度レーザーとプラズマの相互作用は前述の非線形方 程式となり、解析的に解くことができない。そこで Particle in Cell(PIC) シミュ レーションを用いて計算する。これはプラズマを流体として計算するのではなく、
プラズマを構成している粒子一つ一つに加わる力を運動方程式とMaxwell 方程式 を解くことによりププラズマの振舞いを計算する方法である。初めに PIC シミュ レーションの原理及び基礎理論について、次に電子ビームのクオリティと各種パ ラメーターの依存性を調べるためのシミュレーションについて、最後に高品質電 子ビームを生成するために最適な条件の探索について述べる。