Energy [MeV]
5.8 レーザープラズマ加速実験のシミュレーシ ョンョン
Fig.5.7: 2Dシミュレーションと 3Dシミュレーションのエネルギースペ クトル。a0=4.0、プラズマ電子密度ne=5.0×1018cm−3 のと
きの(a)2Dのエネルギースペクトル、(b)3Dのエネルギースペク
トル。
5.8 レーザープラズマ加速実験のシミュレーシ
Fig.5.8: レーザープラズマ加速実験の密度分布。プラズマ電子及びHeイ オン密度の増加領域が0.98mm、平坦領域が1.54mm、減少領域 が0.98mmとなる。
プラズマ電子密度分布及びエネルギースペクトルを Fig.5.9、5.10 に示
す。Fig.5.9 はレーザーパルスがバブルが壊れるまで進んだときの電子密
度分布である。マクロ粒子密度の高低を色によって表しており、これがそ のまま電子密度の高低を表す。1 マクロ粒子に含まれる電子数は z 方向の 単位長さ当り 2.0×104/µm個である。初めはレーザー伝播軸に対して対 称な形状をしていたが、レーザーパルスが 2.50mm進んだときに大量の電 子がバブル内に入射されバブルの変形が始まり、レーザー伝播軸に対して 非対称な形状となる。これはレーザーパルスの消耗により式 (2.124) で表
されるLorentz 力とポンデロモーティブ力の均衡が崩れるためである。初
めの入射はバブルの最後部で起こっていたが、途中からシース部分の電子 が雪崩れ込むようになりバブルが長くなる。バブル内に入射された電子バ ンチはベータトロン振動をしている。Fig.5.10はレーザーパルスがバブル が壊れるまで進んだときのエネルギースペクトルである。どの電子バンチ
もエネルギーが広がっており単色性に乏しい。
Fig.5.9: a0を変化させたときの電子密度分布。(a)a0=3.6、(b)a0=3.9、 (c)a0=4.2、(d)a0=4.5、(e)a0=4.8、(f)a0=5.4、(g)a0=5.7、 (h)a0 =6.0、プラズマ電子密度は全て ne = 4.3×1018cm−3 で ある。
Fig.5.10: a0 を変化させたときの電子の加速エネルギースペクトル。
(a)a0=3.6、(b)a0=3.9、(c)a0=4.2、(d)a0=4.5、(e)a0=4.8、 (f)a0 =5.4、(g)a0=5.7、(h)a0=6.0、プラズマ電子密度全て ne=4.3×1018cm−3 である。
Fig.5.11はa0 =4.8のときのバブルが変形していく様子を267fs毎に示 している。(a) はバブルに電子バンチが自己入射される直前の様子でレー ザーパルスが 2.24mm 進んだ (シミュレーション開始からts=83.5ps 経過 した) 時の様子である。(b) がシミュレーション開始からt =ts+100λL/c 経過後のバブルの様子で、自己入射が始まっている。(c)がシミュレーショ ン開始から t =ts+200λL/c経過後のバブルの様子で、バブルの変形が始
まる。(d) がシミュレーション開始から t =ts+300λL/c経過後のバブル の様子で、(c)よりも大きく変形しシース部分が振動を始める。(e)-(h) がシミュレーション開始から t =ts+400λL/c-t =ts+700λL/c 経過後の バブルの様子で、シース部分の振動が大きくなり、バブルの最後部以外に もシース部分から電子が雪崩れ込むようにバブル内に入射される。このよ うな入射が起こるとバブルが縦方向に伸びていき、(h) でシミュレーショ ンウィンドウの端にまで到達している。
Fig.5.11: バブルが変形していく過程。a0=4.8、ne=4.3×1018cm−3 の 場合の、レーザーが 2.24mm進んだとき (シミュレーション開 始から ts=83.5ps 経過したとき) から 267fs 毎のバブルの電子 密度分布。(a)t =ts、(b)t =ts+100λL/c、(c)t =ts+200λL/c、 (d)t =ts+300λL/c、(e)t =ts+400λL/c、(f)t =ts+500λL/c、 (g)t =ts+600λL/c、(h)t =ts+700λL/c。
a0 とバブル内に入射された電子バンチの自己入射の開始位置、最大エ ネルギーと準単色ピークのエネルギーを Fig.5.12、5.13 に示す。Fig.5.12 は自己入射の開始位置と a0 に関する依存性を示している。赤円がバブル 内に1回目の自己入射が起こるまでにレーザーパルスが進んだ距離、赤四
角が2回目の自己入射が起こるまでにレーザーパルスが進んだ距離、青色 の円、四角、三角、菱形がそれぞれ 2番目のウェーク場に 1、2、3、4 回 目の入射が起こるまでにレーザーパルスが進んだ距離、そして黒円が実験 データである。実線、破線及び点線はそれぞれ Ltr、2Ltr、3Ltr を示して おり、距離はプラズマ波長で規格化してある。1 回目の入射位置は実験を 再現している。a0 <4.8 では 1 回目の入射でバブルが変形するため 2 回 目の入射は無く、a0 ≥4.8では 1 回目の入射でバブルが変形しないため、
しばらく進んだ後に2回目の入射が起こり、このときの入射でバブルが変 形を起こす。図のように自己入射が起こる位置は a0 が増加するにつれて 減少する。また、今回使用したレーザー及びプラズマのパラメーターでは a0 <3.6の場合には自己入射が起こらなかった。
a0
3.5 4 4.5 5 5.5 6
pλ/inx
0 100 200 300 400 500
600 1st injection in 1st wakefield 2nd injection in 1st wakefield 1st injection in 2nd wakefield 2nd injection in 2nd wakefield 3rd injection in 2nd wakefield 4th injection in 2nd wakefield Experimental data
Fig.5.12: 自己入射位置の a0 に関する依存性。赤円がバブル内に 1回目
の自己入射が起こるまでにレーザーパルスが進んだ距離、赤四 角が2回目の自己入射が起こるまでにレーザーパルスが進んだ 距離、青色の円、四角、三角、菱形がそれぞれ2番目のウェー ク場に1、2、3、4回目の入射が起こるまでにレーザーパルスが 進んだ距離、そして黒円が実験データである。実線、破線及び 点線はそれぞれLtr、2Ltr、3Ltr を示している。
Fig.5.13 は最大エネルギーと準単色ピークのエネルギーと a0 の依存性
及び実験データを示す。赤円及び青円がシミュレーションによる最大エネ ルギーと準単色のネルギーであり、紫円及び緑円が実験による最大エネル ギーと準単色エネルギーを表す。準単色エネルギーの誤差棒はガウス関 数でフィットしたときの標準偏差を表す。実験での最大エネルギーは a0 が増加するにつれて大きくなった。しかし準単色エネルギーは殆ど a0 に
依存しておらず a0 が増加しても大きな変化は見られなかった。一方、シ ミュレーションでの最大エネルギーは a0 が増加するにしたがって大きく なり、a0=5.2、5.3の2つを除いて実験と同じ傾向を示した。しかし準単 色エネルギーは実験とは異なる傾向になり、a0 と共に増加した。また実 験ではa0 <4.4では準単色ビームは生成されなかった。
a0
3.5 4 4.5 5 5.5 6
E[MeV]
0 100 200 300 400 500 600
Max energy(sim) Monoenergy(sim) Monoenergy(exp) Max energy(exp)
Fig.5.13: シミュレーションでの最大エネルギーと準単色エネルギー。赤
円及び青円がシミュレーションによる最大エネルギーと準単色 のネルギー。紫円及び緑円が実験による最大エネルギーと準単 色エネルギーを表す。