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3.6 キャピラリー実験装置

3.6.3 光ガイディング実験

上述のようにマスタークロックとシングルショットシグナルのコイ ンシデンスシグナルが発振されてから 70ms+励磁時間後に電磁バルブ が開き、その 800ns 後に Ti:Sapphire レーザーが到達する。この両者の タイミングは固定されており、遅延回路により放電が起こる時間を調整 することでガイディングに最適なレーザーパルスの到達時刻を調べた。

レーザーパルスには波長 λL=0.8µm、エネルギー E=100mJ、パルス幅の τ=100fs の Ti:Sapphire レーザー、集光レンズには f =500mm の凸レン ズを使用し、スポット半径 r0 =40µm である。水素ガスの圧力は50mbar

∼300mbarの間で、高圧電源の電圧を9kV∼20kVの間で変化させ、焦点距

離が f =700mm の結像レンズで集光したキャピラリー出口側のレーザー

スポットサイズを 16 ビット CCD カメラで測定し、その大きさから最適 なガイディングの時間を調査した。このときの実験装置のセットアップ図 面をFig.3.26に示す。

Fig.3.26: 光ガイディング実験のセットアップ図面。Ti:Sapphire レー ザーのパラメーターはそれぞれ波長 λL=0.8µm、エネルギー E=100mJ、パルス幅のτ=100fsであり、集光レンズの焦点距離 f =500mm、スポット半径はr0=40µm である。焦点距離

f =700mm の結像レンズで集光したキャピラリー出口の像を

CCDカメラで撮影した。水素ガスの圧力は50mbar300mbar 高圧電源の電圧は9kV20kVの間で変化させた。

電源電圧を9.1kV、水素ガスの圧力を 100mbarとして Ti:Sapphireレー ザーの到達時刻を放電開始位置から 40ns間隔で 600ns まで変化させたと ころ、キャピラリー出口でのスポットサイズは Fig.3.27 のようになった。

画像は縦横共に450µmである。t=440∼480ns のときにガイディングが 行われ、それ以外の時刻ではガイディングは観測されなかった。このこと から Ti:Sapphire レーザーの到着時刻は放電開始からt =440∼480ns 後 がガイディングに最も適している。t=440nsの場合の x及び y方向のレー ザープロファイルをFig.3.28及びFig.3.29に示す。キャピラリー出口での ガイディングされたときの rms スポット半径はwx=45.8µmwy=58.6µm である。

また、式 (3.24) を実験結果に適応すると中心でのプラズマ電子密度

n0 =1.6×1018cm3r =wx =45.8µmでの x 方向のチャネルの深さ

ne

n0 = 2.6% となる。電子加速実験に成功している他の放電キャピラ リーのチャネルの深さと比較すると、例えば文献 [35] では r =25µm で

ne

n0 =0.3%、文献 [36] では r =31µm でのチャネルの深さを式 (3.24) か ら計算すると ∆nne

0 =4.0%なので、本実験で使用したキャピラリーはプラ ズマチャネルを用いた電子加速実験に使用できるといえる。

Fig.3.27: キャピラリー出口でのスポットサイズ。電源電圧を9.1kV、水 素ガスの圧力を 100mbar として Ti:Sapphire レーザーの到達 時刻を放電開始位置から 40ns間隔で600ns まで変化させたと きのキャピラリー出口でのスポットサイズ。画像は縦横共に 450µmである。

µm]

x[

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

Intensity[a.u.]

0 50 100 150 200 250

Fig.3.28: t=440ns におけるx方向のレーザープロファイル。電圧9.1kV 圧力 100mbart=440nsのときのキャピラリー出口での x方向 のレーザープロファイル。

µm]

y[

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

Intensity[a.u.]

0 50 100 150 200 250

Fig.3.29: t=440ns におけるy方向のレーザープロファイル。電圧9.1kV 圧力 100mbart=440nsのときのキャピラリー出口での y方向 のレーザープロファイル。

第 4

レーザープラズマ加速実験

本章では準単色ビーム加速を実証する目的で中国の CAEP で行われた高強度 レーザーパルスを用いたレーザープラズマ加速実験について述べる。初めに高強 度レーザーパルスの発生方法について説明し、次に実験のセットアップ及びエネ ルギースペクトロメーターによるエネルギー分布、Thomson散乱によるポンプ消 耗長、側方散乱による入射位置等の実験結果の解析について述べる。