Fig.3.9: レーザー加工のセットアップ。エネルギー 100mJ、パルス幅
100fsのレーザーパルスを NDフィルターにより18mJに減衰さ
せサファイアブロックに照射した。レーザーの光路は固定し、電 動ステージを動かすことで相対的にレーザー光を走査させる。
Fig.3.10: サファイアブロックの加工。15mm×20mm ×3mmの直方体 のサファイアブロックに深さ125µm、幅500µmの溝を15mm の辺と平行に彫る(加速管)。また20mmの辺と平行に2本の溝 をそれぞれ両端から5mmの位置に彫る(ガス流路)。
剤等は使用せず、キャピラリーホルダーについている位置調整用ネジで押 し付けるだけとした。
Fig.3.11: キャピラリーと電極。(a)2枚のサファイアブロックを張り合わ
せて作ったキャピラリー。(b)キャピラリーと電極の概念図。
Fig.3.11はキャピラリーと電極の概念図であり、中央の直方体がキャピ
ラリーでその両側にあるものが電極である。電極内部には同心円柱状の空 洞があり、キャピラリーの加速管部分がこの空洞の中心に来るように前章 で溝を彫った。レーザーは電極→キャピラリー電極の順に通過する。キャ ピラリーは付録 A にあるキャピラリーホルダーで固定され、ハウジング 内に設置される。
Fig.3.12: キャピラリーを固定したホルダー。ホルダーは半径25mm、厚 さ 15mm の D 型をした部品をネジで固定することで 1 つの ホルダーとなる。(a) ホルダーの正面画像。画像下部にある 2 本のネジが圧着するための y方向の位置調整用ネジ。(b)ホル ダーの側面画像。画像の中央のある穴はプラズマ観測用の窓で あり、その上下にあるネジはD型の部品同士を固定するための ネジ。(c) 同じくホルダーの側面画像。画像中央の隙間からガ スが流れ込む。中央のD型部品を固定するためのネジの両側に あるネジがx方向の位置調整用のネジ。
Fig.3.12はキャピラリーホルダーの画像で、キャピラリーホルダーはア
クリル樹脂製であり、半径25mm、厚さ 15mm のD型をした部品 2 つを ネジで固定することで1つのホルダーとなる。(a)はホルダーの正面画像。
画像中央のあるものが固定されたサファイアブロックである。キャピラ リーと垂直方向 (紙面とは平行) に伸びる穴はプラズマ観測用の窓であり、
これと平行の画像下部にあるネジが y方向の位置調整用ネジでこのネジで キャピラリーのy方向の位置を調整すると共に2つのサファイアブロック を押し付ける。キャピラリーと平行方向 (紙面とも平行) に伸びる隙間か
らガスが流入する。その隙間と平行のネジが z 方向の位置調整用ネジであ る。(b) ホルダーの側面画像。画像の中央のある穴がプラズマ観測用の窓 であり、その上下にあり、紙面と垂直方向に進むネジはD型の部品同士を 固定するためのネジである。(c) 同じくホルダーの側面画像。画像中央の 隙間からガスが流れ込む。中央の D 型部品を固定するためのネジの両側 にあり、紙面と垂直方向に進むネジは z 方向の位置調整用のネジである。
キャピラリーと電極はキャピラリーホルダー及び電極ホルダーと共にハウ ジングの中に挿入され、ハウジング両端のエンドキャップをネジで固定す ることによりキャピラリーと電極を接触させる。キャピラリーは強い力で 金属電極を押し付けると割れてしまうので、次のような構造とした。先ず
Fig.3.13に示すように電極を内部電極、外部電極そしてバネの 3つの部品
から構成する。そして Fig.3.14 のように内部電極の外径は外部電極内に ちょうど納まるような寸法に、キャピラリーと接触する先端部分は外部電 極のそれよりも長くしておく。バネの外径は内部電極にちょうど納まるよ うな寸法に、長さは内部電極よりも長くしておく。
Fig.3.13: 電極を構成する部品。左からバネ、内部電極、外部電極。
Fig.3.14: 挿入した電極。外部電極に内部電極とバネを挿入したときの画
像。左が先頭部分で右が背面の画像。
そしてこれらをFig.3.15の様に外部電極に内部電極を、内部電極の中に バネを挿入し、エンドキャップで押さえつける。このようにバネで電極の 先頭部分伸縮可能な構造にしておくと、キャピラリーをハウジング内に組
み込んでネジで固定したとき、バネが縮むことで電極の先端が適切な長さ まで短くなることでキャピラリーに過剰な力が加わり割れるのを防ぐこと が出来る。
Fig.3.15: キャピラリーに加わる余分な力を吸収する構造。バネが縮むこ
とで電極の先端が適切な長さまで短くなりキャピラリーに過剰 な力が加わらない。
Fig.3.16はエンドキャップをネジで固定したときの画像である。エンド
キャップをネジで止めることにより、キャピラリーと電極を固定及びハウ ジング内に挿入されている O-リングを押しつぶすことにより、ハウジン グ内の気密を保持する。中心にある穴はレーザーの入射 (出射) 口であり、
この穴を通ってキャピラリーの穴の中心をレーザーが通過するようにアラ イメントを行った。
Fig.3.16: エンドキャップの装着
Fig.3.17はキャピラリー使用時の様子を表している。上方流入してくる
中性水素ガスがキャピラリーのガス流路から加速管内に流れ込み、左右の 真空内へ逃げていく。中性水素ガスの密度分布が加速管内で充分に平衡に なったら放電を起こし水素プラズマを発生させる。プラズマがキャピラ リー内壁により冷却され、ガイディングに最適な放物線型のプラズマ電子 密度分布が生成される時刻にレーザーパルスを入射させる。
Fig.3.17: キャピラリー使用時の様子
Fig.3.18 はそれぞれハウジング∗2の側面及び斜め上から見た画像であ
る。ハウジングの上部にはガス流入用のエルボー継手が装着されており、
フレキシブルチューブが簡単に脱着出来るようになっている。ハウジング の側面には内部確認用の窓と放電用の電極端子がある。内部確認用の窓は ハウジングの反対側にもついている。
Fig.3.18: ハウジングの概観図。ハウジング上部にはガス流入用の継手
が、側面には内部確認用の窓と放電用の電極端子がある。
∗2 ハウジングの詳細は付録Aを参照
Fig.3.19: 電動ステージに固定したハウジング。電動ステージは x、y、z 方向の並進、x−y平面内での回転及びx−y平面に対する角度 変化が可能。赤い矢印がレーザーの伝播方向を表している。
ハウジングは電動ステージに固定してそのステージを動かすことでアラ イメントを行った。電動ステージは三次元方向への並進移動と水平面内で の回転及び水平面に対する角度変化を行うことが可能で、合計 5 つの自 由度がある。Fig.3.19電動ステージに固定し、フレキシブルチューブと高 圧ケーブルを接続したハウジングの画像である。赤い矢印がレーザーの伝 播方向を表しており、左の画像ではレーザーは右から左へ、右の画像では レーザーは左下から右上に向かって伝播する。