第 2 章 既往の研究
5.7 供試体寸法の違いが蒸気養生コンクリートの諸物性に及ぼす影 響
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5.7 供試体寸法の違いが蒸気養生コンクリートの諸物性に及ぼす影
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5.7.2 供試体寸法の相違が蒸気養生コンクリートの中性化性状に及ぼす影響
中性化とは,コンクリート中の水酸化カルシウムが劣化因子である二酸化炭素 と反応して,炭酸カルシウムに変わることを中性化という.鉄筋コンクリートに おいては鉄筋腐食進行の原因となるため,コンクリートの耐久性に大きな影響を 及ぼすことがわかっている.そこで,本節では,供試体寸法の相違が蒸気養生コ ンクリートの中性化性状に及ぼす影響の把握を目的とし,寸法の異なる2種類の 蒸気養生コンクリート小型(100×100×400mm)と大型(500×500×500mm)の比較検討 を行った.
(1) 中性化性状
一般に,コンクリートの中性化深さと中性化材齢との関係は式4.1に示す√t則 に従うとされている.ここでの中性化速度係数とは,中性化に対する抵抗性を表 す指標であり,この値が大きいほど中性化が進行しやすく,抵抗性が低いとされ ている.
y=α√t ・・・・・・・・・・・・・・・・
5.1供試体寸法が異なるコンクリートの中性化深さと促進材齢の関係を図-5.16 に,
式5.1より算出した中性化速度係数を図-5.17に示す.
大型の蒸気養生コンクリートの場合,型枠側面の上部(打込み面から深さ 100mm)は,型枠側面中部,下部と比較して,中性化深さの値が大きくなり,中性 化速度係数である線形近似直線の傾きも大きくなる傾向が見られた.これは,蒸 気養生中の乾燥の影響が型枠側面の上部が大きく,コンクリート表層部が疎とな り,40nm以上の細孔量が多かったためと考えられる.
y:中性化深さ(mm)
α:中性化速度係数(mm/√週) t:促進期間(週)
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図-5.16 測定面別の大型蒸気養生コンクリートの中性化深さ
図-5.17 測定面別の大型蒸気養生コンクリートの中性化速度係数
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5.8 まとめ
(1) 蒸気養生中のコンクリートの乾燥
一般的な蒸気養生コンクリートは,最高温度保持工程から脱型まで蒸気養生槽 内温度よりも高い温度になっており,コンクリート表層部の相対湿度が低下する.
相対湿度が低下することでコンクリート内部の水分が逸散し,コンクリートが乾 燥する.供試体寸法が大きくなると,蒸気養生中の養生槽内とコンクリートの温度 差が大きくなり,それに伴い,蒸気圧差が大きくなるところで乾燥しやすくなると 言える.
(2) 細孔構造
小型供試体は材齢28日において,総細孔量,40nm以上の細孔量ともに,表層 からの深さ 0-5mm の部分の細孔量が最も多く,表層部から深さが増していくに つれて細孔量が減少していく結果となった.表層からの深さ10-20mmは40nm以 上の粗大な細孔量が少ないことから,蒸気養生中の乾燥による細孔構造への影響 は,コンクリート表層部で顕著であり,コンクリート表層部の0-10mmの部分に 大きく影響すると言える.また,打込み面からの深さ100mmは,表層部から内部 にかけて細孔量が減少して行き,細孔構造が不均質になることから,型枠側面か らの水分逸散もなされると示唆された.また,供試体寸法によらず,蒸気養生中 の乾燥の影響を受けやすいのは打込み面からの深さ約 100mm ということが明ら かとなった.
(3) 圧縮強度
大型の蒸気養生コンクリートは蒸気養生過程における乾燥の影響が打込み面か らの深さ方向に差が生じることで,コンクリート上部と下部で圧縮強度に 10-15N/mm²程度の差が現れる.特に上部は蒸気養生中の乾燥による影響が上部の方 が大きく,若材齢時に疎な細孔構造となり,その後のセメントの水和反応が停滞 したことで,強度増進も停滞する.
(4) 中性化性状
大型の蒸気養生コンクリートの場合,型枠側面の上部(打込み面から深さ 100mm)は,型枠側面中部,下部と比較して,中性化深さおよび中世加速度係数が 大きくなる傾向が見られた.これは,蒸気養生中の乾燥の影響が型枠側面の上部 が大きく,コンクリート表層部が疎となり,40nm以上の細孔量が多かったためと 考えられる.
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参考文献
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