第7章 第1実験
7.2 結果
7.2.2 仮説2の検証
実際の得点(n=172)において、
帰無仮説「総合テスト(A)の自己 評 価 の デ ー タ の 分 布 は 正 規 分 布 と みなされる」と対立仮説「総合テス ト(A)の自己評価のデータの分布 は正規分布とみなされない」を立て る。危険率5%での検定の結果、 χ
2値は56.48で、危険率5%の上側境 界値χ2(0.95)=14.06に対して、
56.48>14.06だから、χ2値は帰無 仮説の棄却域に入り、帰無 仮説は 棄却される。P値についても同順位 補正P値(両側確率)=7.57×E-10で あるから、危険率1%でも帰無仮説 は棄却される。よって、「総合テス ト(A)の自己評価のデータの分布 は正規分布とみなされない」とい う対立仮説が採択される。
平均以上効果(n=172)において、帰無仮説「総合テスト(A)のDCのデータの分 布は正規分布とみなされる」と対立仮説「総合テスト(A)のDCのデータの分布は正 規分布とみなされない」を立てる。危険率5%での検定の結果、χ2値は358.43で、危険 率5%の上側境界値χ2(0.95)=14.06に対して、358.43>14.06だから、χ2値は帰無 仮説の棄却域に入り、帰無仮説は棄却される。P値についても同順位補正P値(両側確 率)=1.93×E-73であるから、危険率1%でも帰無仮説は棄却される。よって、「総合テ スト(A)のDCのデータの分布は正規分布とみなされない」という対立仮説が採択さ れる。
この結果、独立した2群(自己評価とDC)のデータはともに正規分布に従わず、か つデータが離散的である。そこで、ノンパラメトリック検定の1つであるマン・ホイッ トニー検定により、独立した2群(自己評価とDC)から得られたデータに基づき、そ れぞれの母集団の分布の中央値に差があるかを検定する。
図表7-6-2 難易度が低い課題【総合テスト(A)】での自己
評価の得点ごとのDCの現出結果
DC
最大 最小 加重平均
10 4 2.3% 2 0 2.00
9 11 6.4% 2 1 1.64
8 36 20.9% 2 0 0.83
7 44 25.6% 2 0 0.59
6 41 23.8% 1 0 0.37
5 23 13.4% 1 0 0.04
4 8 4.7% 0 -1 -0.13
3 5 2.9% 0 -2 -0.08
2 0 0.0% - -
-1 0 0.0% - -
-0 0 0.0% - -
-- 172 100.0% - -
-自己評価 データ数 比率
図表7-6-1 難易度が低い課題【総合テスト(A)】での自己
評価の得点ごとのDCの現出結果
帰無仮説「総合テスト(A)の自己評価とDCのデータの現出傾向に違いがない」と 対立仮説「総合テスト(A)の自己評価とDCのデータの現出傾向に違いがある(有意 差がある)」を立てる。危険率5%での検定の結果、同順位補正Z値は16.26で、標準正 規分布の両側検定での危険率5%の上側境界値Z(0.975)=1.95に対して、|16.26|
>1.95だから、同順位補正Z値は帰無仮説の棄却域に入り、帰無仮説は棄却される。ま た、P値についても同順位補正P値(両側確率)=0であるから、危険率1%でも帰無仮 説は棄却される。 よって、「総合テスト(A)の自己評価とDCのデータの現出傾向に 違いがある(有意差がある)」という対立仮説が採択される。
(2)難易度が高い課題【総合テスト(B)】
総合テスト(B)での自己評価と DCの現出結果は図表 7-7-1及び図表7-7-2に示 すとおりである。
自己評価とDCの差に有意差があ るかを統計的に検定する上で、まず それぞれのデータが正規分布に従う 母集団からの標本であるかを検定す るため、χ2検定により実際の得点 のデータの分布が正規分布とみなさ れるかどうかを検定する。
実際の得点(n=172)において、
帰無仮説「総合テスト(B)の自己評 価のデータの分布は正規分布とみな される」と対立仮説「総合テスト(B)
の自己評価のデータの分布は正規分 布とみなされない」を立てる。危険率
5%での検定の結果、χ2値は47.37で、
危険率5%の上側境界値χ2(0.95)=
14.06に対して、47.37>14.06だから、
χ2値は帰無仮説の棄却域に入り、帰 無仮説は棄却される。P値についても
図表7-7-1 難易度が高い課題【総合テスト(B)】での自己
評価の得点ごとのDCの現出結果
図表7-7-2 難易度が高い課題【総合テスト(B)】での自己
評価の得点ごとのDCの現出結果
DC
最大 最小 加重平均
10 0 0.0% - -
-9 0 0.0% - -
-8 1 0.6% 2 - 2.00
7 6 3.5% 2 1 1.17
6 8 4.7% 1 1 1.00
5 37 21.5% 1 0 0.24
4 34 19.8% 0 -1 -0.03
3 46 26.7% 0 -2 -0.41
2 20 11.6% 0 -3 -1.20
1 13 7.6% -1 -3 -1.77
0 7 4.1% -2 -3 -2.29
- 172 100.0% - -
-自己評価 データ数 比率
同順位補正P値(両側確率)=4.72×E-8であるから、危険率1%でも帰無仮説は棄却さ れる。よって、「総合テスト(B)の自己評価のデータの分布は正規分布とみなされな い」という対立仮説が採択される。
平均以上効果(n=172)において、帰無仮説「総合テスト(B)のDCのデータの分 布は正規分布とみなされる」と対立仮説「総合テスト(B)のDCのデータの分布は正 規分布とみなされない」を立てる。危険率5%での検定の結果、χ2値は206.04で、危険 率5%の上側境界値χ2(0.95)=14.06に対して、206.04>14.06だから、χ2値は帰無 仮説の棄却域に入り、帰無仮説は棄却される。P値についても同順位補正P値(両側確 率)=6.01×E-41であるから、危険率1%でも帰無仮説は棄却される。よって、「総合テ スト(B)のDCのデータの分布は正規分布とみなされない」という対立仮説が採択さ れる。
この結果、独立した2群(自己評価とDC)のデータはともに正規分布に従わず、か つデータが離散的である。そこで、ノンパラメトリック検定の1つであるマン・ホイッ トニー検定により、独立した2群(自己評価とDC)から得られたデータに基づき、そ れぞれの母集団の分布の中央値に差があるかを検定する。
帰無仮説「総合テスト(B)の自己評価とDCのデータの現出傾向に違いがない」と 対立仮説「総合テスト(B)の自己評価と他者とDCのデータの現出傾向に違いがある
(有意差がある)」を立てる。危険率5%での検定の結果、同順位補正Z値は15.54で、
標準正規分布の両側 検 定での危険率5%の上 側境界値Z(0.975)=1.95に対して、
|15.54|>1.95だから、同順位補正Z値は帰無仮説の棄却域に入り、帰無仮説は棄却 される。また、P値についても同順位補正P値(両側確率)=0であるから、危険率1%
でも帰無仮説は棄却される。よって、「総合テスト(B)の自己評価と他者とDCのデー タの現出傾向に違いがある(有意差がある)」という対立仮説が採択される。
(3)結果
難易度が低い課題【総合テスト(A)】と難易度が高い課題【総合テスト(B)】の両 方で仮説が支持され、日本人の大学生とした実験では、難易度が低い課題で平均以上 効果が統計的に有意に現出し、難易度が高い課題では平均以下効果が統計的に有意に 現出することが示された。
図表7-6-2及び図表 7-8-2を概観すると、簡便的にも難易度が低い課題で平均以上 効果が現出していることが確認できる。また、図表7-7-2及び図表 7-9-2を概観する と、簡便的にも難易度が高い課題で平均以下効果が現出していることが確認できる。