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仮説検証その 2:Foreign-born Korean 視点をめぐって

ドキュメント内 消費社会における エスニック・ヒエラルキー (ページ 167-174)

第四章 エスニシティ属性を超えて画一的に共有されている「普遍性」 : 「モダン」さの序列

7 仮説検証その 2:Foreign-born Korean 視点をめぐって

本章の仮説その 2は第三章を意識し,Foreign-born KoreanがAmerican-born Korean から社会的距離の 3 つの領域において受け入れられている,であった.具体的な判断は,

FbK視点において,AbKからの3種の逆距離(受け入れられ度)が小さければ受け入れら れているといえる.距離の大小の判断は,FbK視点からみた場合,同じFbKからの逆距離 をひとつの比較対象とした.また,FbがAbのCo-ethnicに受け入れられていることが当 たり前なのかについては,Foreign-born Chinese/Taiwanese視点の逆距離の対応する部分 と比較することにした.比較対象として同じく東北アジアのForeign-born Japanese はこ の場合は適当ではない.FbJからの回答者数が非常に少なかったこと,またAmerican-born

Japaneseとは言語グループが完全に異なっているからである.

第三章の知見の量的な検討であれば,時系列の比較が必須であるが,一時点でのサンプリ ングで,その比較ができないし,また,世代別に処理して擬似的な時代比較をすることさえ も,Nのあまりの小ささのためいささか無理がある.そのため,第三章が示唆する変化によ るものか否かにまで言及することができなかった.このように制限は強いが,現状の確認と して次に図示するのは,男女別の3つ領域の逆社会的距離である.性別で分けたのは,「審

美的にDesirable」,「恋愛対象としてAttractive」な距離については性差が目視でも明らか

であったためである.比較対象としてFbCh/Twと,また同じくNが大きいWhite American も比較のために併せて示す.

7-1 「審美的にDesirable」な逆社会的距離

この項目は男女で回答傾向の揺れが大きかった.仮説2の通り,FbKは性別に関わらず,

AbKに受け入れられてもらっているという実感をもっていることが多い.FbKの男性につ いては,同属性のFbKとは特別近くなく,むしろAbHやAbKとの距離の方が近い.ただ,

FbがAbのCo-ethnicに受け入れられている実感をもっている傾向はFbK固有の現象でも

なく,FbCh/Twでも同様であった.FbCh/Twでも男性は,同属性のFbCよりもAbCから

より受け入れられていると感じている.

White Americanについては,FbのCo-ethnicにやはり特別に距離が近いと感じている.

FbKやFbCと異なっているのは,男女差がFbWにたいして逆転している.男性よりも,

女性のWAの方が,FbWに受け入れられている印象をもっている.

167 図67.

図68.

168 図69.

169 7-2 「恋愛対象としてAttractive」な逆社会的距離

この領域でも,仮説2の通り,FbKはAbKに受け入れられている印象を男女ともにもっ ている.女性の方が,対象のカテゴリに関わらず,(一部の例外を除き)全般的に男性FbK よりも受け入れられている実感をもっているようだ.

ただし,Desirableの距離と同じく,AbのCo-ethnicに受け入れられている様子は,FbK

だけに特有な現象ではなく,FbC視点でもAbCに距離が近いし,WAにおいても同様であ る.したがって,「審美的にDesirable」でも「恋愛対象としてAttractive」な距離の領域に ついても仮説2が支持されたとは言い難い.

図70.

図71.

170 図72.

171

7-3 「親しい友人関係をもつのにComfortable」な逆社会的距離

この領域についても,上記の二つの領域の距離と同じことが言える.異なる点は,この距 離においては性差が顕著に少なかったことである.

このように,いずれの領域の距離においても,東北アジア系のFbがAbのCo-ethnicに 受け入れられている状況は確認できた(FbJは除く).しかしそれがForeign-born Korean に特有の現象ではなかったうえに,肝心の世代間比較も困難なため,この現象が何の影響を 受けているのかの含意についてはほとんど言及できない.第三章でみたように,蔑まされた 時期を脱したために,AbのCo-ethnicに受け入れられるように変化したのか,それが,FbK のみならず,FbCにまで波及するようなものであったのか,検証材料が欠けている.

仮説2は棄却できないものの,支持されたとも言い難いという結果になった.

図73.

172 図74.

図75.

173

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