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仮設住宅

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第2章 災害対応活動

2.6 仮設住宅

2.6.1 被災状況と仮設住宅の供給数

各県の仮設住宅の供給と入居の状況を図2.6-1、図2.6-2、表2.6-1に示す。

仮設住宅は、災害後に建設する「応急仮設住宅」と、既設の民間賃貸住宅を利用する「借上げ仮設住 宅」、公営住宅等を利用する「その他の仮設住宅」に分類される。そのうち、応急仮設住宅は、社団法人 プレハブ建築協会(以下、「プレ協」と記す)が会員企業を斡旋して建設するものと、県や市町村が地元 建設企業を公募して建設するものに分類される。供給された戸数は、3県合計で、プレ協仮設住宅約 43,000戸、公募仮設住宅約9,000戸、民間借上分約54,000戸、その他約5,000戸、計約111,000戸になる。

約1万

21,572 11,499

約6千

523 2,485

24,848

25,417 3,802

2,143

1,652 1,370

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000

福島県 宮城県

岩手県 プレ協仮設

公募仮設 民間借上 その他 計19,156

49,16442,799

図2.6-1 各県の仮設住宅供給数(2012.1.11時点)1)

表2.6-1 各県の応急仮設住宅の建設率の推移と最終入居率(2012.1.11時点)

建設率(2012.1.11時点の建設数を100とした時の割合) 最終入居率

50% 80% 90% 100%

岩手県 5/31 7/8 7/19 8/31 95%

宮城県 5/31 8/3 8/17 12/26 96%

福島県 6/13 8/1 9/26 12/26 84%

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 22,000 24,000

4/29 5/29 6/29 7/29 8/29 9/29 10/29 11/29 12/29

建設戸数

岩手県 宮城県 福島県

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

4/29 5/29 6/29 7/29 8/29 9/29 10/29 11/29 12/29

建設率( 建設戸数/最終建設戸数)

岩手県 宮城県 福島県

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

4/29 5/29 6/29 7/29 8/29 9/29 10/29 11/29 12/29

入居率

岩手県 宮城県 福島県

図2.6-2 建設戸数、建設率、入居率の推移

※図2.6-1、図2.6-2、表2.6-1は、国土交通省住宅局および各県から入手したデータを元に作成した。

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供給数を過去の災害と比較するため、東日本大震災と阪神・淡路大震災における応急仮設住宅の発注・

完成・入居戸数の推移を図2.6-3に示す。阪神・淡路大震災では、約7ヵ月間で48,300戸の応急仮設住宅が 建設された。発災後は阪神・淡路大震災の方が速く建設されたが、発災後約70日後までに約40,000戸着工 した後は、約50日間着工が停止していたため、最終的には、東日本大震災の方が早く完成している。

図2.6-3 応急仮設住宅 発注・完成・入居戸数の推移―東日本大震災と阪神・淡路大震災との比較―

※国土交通省,東日本大震災における応急仮設住宅の建設に関する報告会 会議参考資料に一部加筆

2.6.2 応急仮設住宅の供与活動の実態(ここでは、「応急仮設住宅」の建設を対象に記述する)

(1) 組織体制

応急仮設住宅の供与は、厚生労働省が管轄する「災害救助法」の「救助」として、「都道府県が実施す る」こととして定められている。しかし、実際には図2.6-4に示すように、多くの組織が関わっている。

東日本大震災における主な組織の活動の概要を以下に示す。

国 交 省 住 宅 局

他の地整

UR 他自治体

プレ協

厚労省

制度&予算の所管

東北地整

地元業者 (公募) プレ協 会員企業

被災 市町村 被災者 連絡・調整・協議

職員の派遣

実施 協力・請負

用地確保

戸数把握

発注・建設

入居者選定

・福祉局

・建設局 実施の主体

斡旋

一部を業務委託

協力

・請負

図2.6-4 応急仮設住宅建設の組織体制

2000戸/週のライン

47 a.厚生労働省

甚大な被害に鑑み、「救助」の範囲を広げ「災害救助法の弾力運用」に関わる通知を発令した。応急 仮設住宅の供与に関する主な内容は、表 2.6-2 のとおりである。

表 2.6-2 厚生労働省の主な通知

国庫負担の対象拡大 関連通知

1 民有地の借地料 H23.4.15社援総発0415第1号通知 2 発災後に被災者名義で契約した賃貸住宅の賃料

(ただし県または市町村に契約置換えしたもの) H23.4.30社援総発0430第1号通知

3 建設用地の造成費、原型回復経費 H23.5.6社援総発0506第1号通知 b.国土交通省(住宅局)

災害救助法における応急仮設住宅の供与は、国土交通省の所管ではない。しかし、平時の住宅建設は 国土交通省の所管であり、技術的な知識や建設関係者との繋がりも深いため、円滑な建設業務の実施に 向けた様々な支援を行った。主な支援内容とその効果を次に示す。職員の派遣や窓口の設置、関係者へ の情報公開や要請により、適切に情報を統制することができ、応急仮設住宅の建設業務に貢献を果たし たといえる。

① 建設資機材需給に関する適切な情報配信と関係者への要請

例えば、風評による資材不足に対して、実際の需給を調査し、問題がないことを公表した。これに より、資機材の買い占め防止につながったと住宅局は推測している。

② 被災県に対する東北以外の地方整備局や(独法)都市再生機構(UR)の職員の派遣

派遣職員は、現地窓口としての情報収集や本省との連絡調整の役割を担った。これにより、現場の 正しい情報を国が把握できるとともに、県職員は建設の前線業務に集中することができた。

③ 情報の一元化のため窓口を設置

資機材の供給情報や輸入住宅の情報等に関して、専用窓口を設置した。これにより、情報の一元化 が図られ、正確な情報の伝達に寄与した。

c.被災県と被災市町村

県の中では、福祉部局と建設部局が仮設住宅に関わっている。主に、厚労省とのやり取りは福祉部局 が行い、国交省とのやり取りは、建設部局が行っている。災害救助法の救助としての活動として捉える と、福祉部局が所管であるが、各県とも建設部局が主体となって仮設住宅の建設活動を行っていた。

県は市町村に一部業務を委託して仮設住宅の供給を実施した。各県の市町村との役割分担状況の概要 は以下のとおり。県により方法が異なるが、被災者と直接やり取りする業務は市町村に委託している傾 向が高い。

表 2.6-3 各県の県と市町村の役割分担(各県からのヒアリング結果)

項目 県 役割分担

建設用地 の選定・

確保

岩手 市町村は、候補地の選定と借地交渉を対応。

県は候補地の適地調査を行って選定。

宮城 市町村が候補地を選定し,県が現地を再確認している。

福島

原則として県が市町村へ候補地選定報告を依頼し、その報告を参考にして、敷地を選定し 確保した(広域避難の場合)。自罹災の市町村については、各々の市町村で用地を確保す る。

供与戸数 の決定

岩手 市町村の希望戸数を踏まえ、県が全体の必要戸数を設定した。

宮城 市町村から要請を受け,県が整備している。

福島 市町村の供与戸数の決定・要請を踏まえ、県が必要な戸数を供与した。

48 建設工事

岩手 県がプレ協等に着工を要請し、完成後に購入。県は、着工前の配置確認、完成検査等を実 施。

宮城 災害救助法では,都道府県事務となっているが,法第 30 条で事務の一部を市町村に委任 することができるとされており,一部の市町で建設されている。

福島 県が新設および追加工事も実施。※注 入居事務

岩手 市町村が募集、入居決定、契約、鍵渡しを実施した。

宮城 県と市町で管理事務委託協定を締結し,入居募集から決定及び鍵の引き渡しまでの手続き を市町で行っている。なお,契約は県で行っている。

福島 市町村において実施。

維持管理

岩手 住宅の不具合等に関する対応は県が担い、その他については市町村が維持管理している。

宮城 管理事務委託協定に基づき,市町が維持管理を行っている。

福島 入居手続や入居者の把握などの管理を市町村において実施し、住宅の修繕へ対応するため の費用等を県において予算化している。

不具合 問合せ 対応

岩手 県の「建築住宅センター」に業務委託。

宮城 1 住民→市町村→管理センター(プレ協)→各メーカー 2 住民→市町村→県→プレ協 →各メーカー

福島 市町村が住民から不具合を受付し、県が委託している仮設住宅維持管理センターへ連絡す る。

※注)相馬市より、「相馬市は1500戸中500戸は市が事務委任で建設」とのコメント有り b)プレ協

プレ協は「規格建築部会」と「住宅部会」で構成される。規格建築部会の会員企業は主に仮設のプレ ハブ(商店、学校、病院、建設現場等)のリースを行っている会社であり、平時には住宅を建設しない。

一方、住宅部会の会員企業は主にハウスメーカーである。

「規格建築部会」は、47 都道府県と「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定(以下、「災 害協定」と記す。)」を締結している。これは、阪神淡路大震災を契機に全都道府県との災害協定の締結 が広がったものである。災害協定に基づき、プレ協は、会員企業からの情報を元に、発災後のプレ協の 供給能力(地域、建設量、期間)を年 1 回都道府県に報告している。また、約 3 年に 1 回の割合で協定 先を訪問するとともに、一部の都道府県では図上訓練も行っている。発災後は、災害協定に基づき、プ レ協が各会員企業の供給能力を加味して被災県に建設を担当する企業を斡旋する。斡旋された企業は、

原則配置計画承認から 3 週間以内に建設を終了させることを約束している。一方、住宅部会は、通常仮 設住宅の建設を行わないが、過去に阪神淡路大震災の仮設住宅を供給した経験がある。

東日本大震災の発災当時、規格建築部会の最大供給能力は 2000 戸/週であり、増産体制をとって 2500 戸/週としても 2 ヶ月で 2 万戸が最大であった。国土交通大臣の(社)住宅生産団体連合会(住団連)

へ向けた要請「概ね 2 ヶ月で少なくとも 3 万戸程度供給できるようにお願いしたい(3 月 14 日)」に応え るため、プレ協は、不足分は住宅部会で補うこととした。結果的に、被災 3 県でプレ協が建設した戸数 43,206 戸(2011 年 10 月 17 日現在)のうち、規格建築部会が 28,660 戸(66%)、住宅部会が 14,546 戸 (34%)建設した。

プレ協の協会としての活動は、以下のとおりである。

① 盛岡、仙台、郡山に、県担当部とやり取りする現地本部を設置し、東京の対策本部で、現地本部 の情報を集約し、国土交通省に建設の進捗状況等を毎日報告した。

② 現地本部では、各県担当者と 3 県共通の仕様を決定し、県担当者と一緒に建設候補地を踏査し、

建設可否の判断、ライフライン・インフラ整備の検討をした。

③ 会員企業の供給能力や横並びを勘案して 1 社を特定し、建設できる会員企業を県に斡旋した。

④ 作業員については、国や県から地元雇用を考慮するよう要請があったため、地元雇用の人数に関 して報告をした。

ドキュメント内 スライド 1 (ページ 47-55)